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Audiostockの音源審査をパスするために心がけている8つのこと

「昼はビジネスマン、夜はヒットマン」的なアレに憧れて「昼はサラリーマン、夜は音楽クリエイター」としてお送りしてます、リーマン兼業音楽クリエイターさくまです。よろしくお願いします。

さて、今回のトピックはいつも購読していくれている読者さんからのリクエストで「Audiostockの音源審査に通るコツや心がけていること」について書いていきます。

以前ブログでも審査が通らないときの対処法について書いたことがあるのですが、今回はさらにもう少し掘り下げてみたいと思います。

どんな理由で審査に落ちるのか?

まずは自分が経験したことのある審査落ちの原因を列挙していきます。

  1. ノイズが混入している

  2. 末尾が切れている

  3. 音割れしている

  4. 冒頭の無音時間が長い

  5. 声・セリフ素材を使う場合は内容を明記する

  6. 品質が基準を満たしていない

  7. 楽曲ページの詳細説明欄にURLなどを記載している

正直最近はそこまで審査落ちしないのですが、長らくAudiostockをやっているので今までさまざまな理由で審査落ちした経験があります。。ぶっちゃけほとんどの原因は音色選びや音の処理など基本的なポイントを押さえて丁寧に楽曲を完成させることで解決できます。

(7.に関しては「良かれと思って生演奏をいれてもらった奏者さんのサイトURLを説明欄に書いたらNGになったパターン」です。例外的な審査落ち理由なので詳細な説明は省きます。笑)

審査をパスするために心がけていること

審査をパスするために僕が気を付けていること、心がけていることを8つ挙げておきます。

①演奏収音時のノイズを除去する

自分で楽器演奏を録音した場合に収音されてしまった環境音(空調の音)や意図しない雑音(譜面台にぶつかる音、足音など)は小さい音量だと分かりにくくても、審査ではこういったノイズはほぼ引っかかります。

ライン録音であっても電気的なノイズが入ることはあるので、演奏収録時には注意が必要です。

あとはギターなどのフレットノイズやピアノのペダルの雑音なども場合によっては審査に引っかかるようです。音楽的なノイズであってもBGMとしては不適格なケースというのもあるわけです。

Audiostock代表の西尾さんも言及していましたが、「音楽的な良し悪し」ではなく「購入者さんにとって問題なく利用できるかどうか」を重視した審査基準になっているというのがポイントですね。

②オーディオトラックのノイズ処理

Logicのストリップサイレンスなどを活用しています

録音したトラックに限らず、サンプルやループなどのオーディオをカット&ペーストやツギハギした際に波形の途中でブツ切りにしてしまうとノイズが発生してしまうので、なるべくきちんと処理をするようにしています。ムダなノイズが入らないように無音部分をうまくカットしつつ、オーディオリージョンの両端にフェードイン・アウトかけてブツ切りにならないようにするといい感じです。

③ソフト音源自体のノイズを避ける

ごくまれにですがソフト音源の特定のノート(音程)だけ音量差がある、ベロシティが均一でない、ノイズが入っているといったケースがあります。

ソフト音源のデベロッパーは収音時・編集時に丁寧に音のトリートメントを行っているはずですが、まれにそういった不具合もあります。この場合はそのソフト音源を使用すること自体を避けるのがベターです。

④ミックス・マスタリング時のノイズに注意する

WAVES V-COMPなどの「ANALOG」パラメーターに要注意

アナログシミュレーション系のプラグインだと、アナログ感を演出するためにあえてノイズを付加する機能などがあったりします。WavesのVシリーズやHシリーズなどに付いている「ANALOG」パラメーターはよく知らずに使うと危険です。

あとはXLN AudioのRC-20やのiZotopeのVinylなどのようなプラグインもそうですね。ローファイ系であえてノイズを入れるタイプの楽曲だとOKだったりするのですが、そうでないタイプの楽曲でこのようなノイズが入っているとNGになりやすいです。

ミックスやマスター時にノイズを付加するエフェクトをかけた後段でさらにコンプをかけたりリミッターをかけたりするとノイズが目立ってしまいます。特に曲開始・終了やブレイクなどの無音部分や音数が少ないときには際立ってしまうので要注意。

⑤声ネタやセリフなどの内容を明記する

ボーカルの声ネタを楽曲に入れる場合、ウーアー的なコーラスやハミングボーカルなら問題ないですが、歌詞・セリフがある場合は何語でも「何を言っているのか?」を正確に明記する必要があります。

あとはソフト音源で「なにか喋ってるっぽいボコーダーシンセの音色」などがたまにありますが、そういうのも審査に引っかかります。何を言ってるのか分からない場合は使わない方が無難です。

※ちょっと話が変わりますが、曲のタイトル・一行説明・タグ付け・詳細説明なども非常に重要です。売れ行きを左右するだけでなく、文言によっては審査落ちするケースもあるようです。

僕は今までこの理由で審査に落ちたことはありませんが、「誇張した・実際の曲と乖離したキーワード・説明」「不適切なキーワード」などは避けて、「楽曲にマッチしたキーワード」「誰が読んでも理解できる丁寧な説明」を意識した方が良いです。

⑥フェードを入れる

デジタルオーディオにおいて音声データがブツッと始まったり終わったりするときにノイズが鳴ります。

各オーディオリージョンやマスタートラックにきちんとフェードを入れておくことがノイズ対策や残響・末尾の切れ対策にもっとも有効です。

ノイズ全般に関してはiZotopeのノイズ除去ソフト「RX」シリーズなどを利用することで不要なノイズを除去するなども良い手段だと思います。

⑦公式の情報をよく読む

公式のヘルプ・ガイドや、Instagramアカウントなどにかなり大事なことが書いてあります。詳細で分かりやすい解説があるので要チェック。

⑧売り物になるレベルの楽曲を作る

最後の8番目にしてめちゃくちゃ根本的な話なんですが、Audiostockは音楽家の作品発表の場ではなくストックミュージックの販売サービスです。なので僕は最低限「売り物になるレベルの曲を作る」ということを意識しています。

最近ではこのような文言で審査落ちするケースもあるそうですね。

【不採用理由】
品質が基準を満たしていないためAudiostockでのライセンス販売ページ掲載を見送らせていただきます。
また、誠に申し訳ございませんが審査の内容、理由については開示しておりません。
ただ、音源の品質に関しましては主に以下の3つの要素を総合して
審査をさせていただいております。
1.音源/機材の品質
2.打ち込み技術、ミキシング/マスタリング技術
3.楽曲(音楽的な違和感の有無、商業的観点でのクオリティの有無)

一概には言えないのですが、基本的に「品質が基準を満たしていない」という理由で審査に落ちている場合は「これはお店に出せるようなクオリティーの商品じゃない」と言われていると思った方が良いです。

僕自身も以下のようなことを心がけています。

  • つねに曲作りやミックス、マスタリングの知識・技術を磨く

  • 有料の高品質なソフト音源・機材をそろえて、使いこなせる耳を育てる

  • 商業的な観点で「売り物になるかどうか」を判断する

日々すこしずつ知識と腕を磨いて、良い道具をそろえて、耳を育てながら音楽制作に取り組んでいますし、「どのような場面でその音楽が必要とされるか?それを必要とする人によろこんでもらえるか?」を考えています。

★お客さん目線で考える

「品質が基準を満たしていない」なんて言われちゃうと「俺の曲のどこが品質が悪いってんだ!!」とムッとしてしまうクリエイターさんもいるかもしれません。正直な話、僕もオーディオストックをはじめたばかりの2016~2017年ごろはそう思うこともありました。

でもちょっと冷静になって、お客さん目線になって考えてみればよく分かります。

そもそも、念頭におくべきなのは『Audiostockをはじめとしたストックミュージックは商用の音楽素材を販売するお店(サービス)であり、我々クリエイターはその店頭に並ぶ商品を作っている』ということです。ですから品質管理は非常に重要な工程であります。

たとえばスーパーに売ってる野菜に虫がいっぱい付いていたり、ひどく傷んでいたり、異物混入などがあったら大問題ですよね。そのお店や会社の信用問題にも関わり、「ここのお店は商品の質が悪くて信用できない」とお客さんたちがどんどん離れていってしまいますよね。そのためにお店は一定の品質基準を設定して、その基準を満たした野菜を買い付けているわけです。

Audiostockでも同じで、あきらかに質の悪い素材がふつうに販売されていたら音楽素材を探しに来たユーザーさんたちに「うわ、ここの音源なんか質悪いな。他のサービスに乗り換えよう」と思われてしまいお客さんが減っていってしまいます。なのでAudiostock側は厳しい審査を行うことで品質を担保しているんですね。

我々クリエイター側も曲作りだけで満足せずに、可能なかぎりの品質管理を徹底する責任があります。そういった意識を持って楽曲を作って販売していけば、お客さんたちにも「いろんなストックミュージックのサービスがあるけどやっぱりAudiostockが一番いいな!」って思ってもらえて、そうやって健全な形でAudiostockのユーザーさんが増えれば必然的に自分の曲が売れるチャンスも拡大していくわけです。

なので、もしあなたの曲が審査に通らなかったとしてもそれはAudiostockが「より良いサービスをユーザーさんに提供したいため」であって、あなたの曲の良し悪し・出来不出来を突き付けてるわけではない、ということを頭に入れておいてください。

あくまで品質管理のために一定の基準を設ける必要があって、その線引きの上での可否を審査結果として伝えているに過ぎないということです。

初心者の方はもちろん、お仕事での楽曲制作経験がある人も「今までそんな指摘されたことがなかったのに、Audiostockの審査はおかしい!基準が意味不明だ!」とか「誰それの曲は大したクオリティーでもないのに審査を通ってて、なぜ私の曲は審査に通らないんだ!」なんて不平不満は言わずに、前向きにプロらしく取り組みましょう。

「クライアントに対して成果物を納品をしている」という気持ちで取り組むと意識がグッと変わるのでオススメです。

まとめ

以下ざっくりまとめチェックリストです。

✔ 公式ガイドラインをよく確認する
✔ 音割れ・ノイズが発生する要素は避ける
✔ フェードを入れるなど丁寧に処理を行う
✔ 説明欄などには適切な記載をする
✔ 売り物になるレベルの楽曲を作る
✔ お客さんの目線になって考える

ここを読んでいる人には「とにかく売れたい」「どんどん曲数を増やして売れる確率を上げたい」というようなことを考えて曲を量産する前に、まずは「お客さんに必要とされる作品(商品)を作る」ということをしっかり意識して取り組むことをオススメします。

Audiostock強者の「毎月30曲登録」とか「数で勝つ」みたいな作戦の表面的な部分だけをマネしてもダメなんですよね。強者は曲数だけじゃなくて楽曲自体も強いので。笑

ゆっくりでも曲数は少なくても、1曲1曲の質を上げて、どういう場面でその曲が流れるか想定しながら、自分の音楽を使ってくれる誰かのためを想いつつ、より良い作品を作っていきましょう。

長くなりましたが、今日はこの辺で。
それではまた次回のnoteでお会いしましょう!

おわりに

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