筒井あやめはギャルなのか?な話
乃木坂46の4期生メンバーとして活動する筒井あやめ。しばしば彼女にはある属性が付与される。それが「ギャル」である。同期からの告発を発端にラベリングされたこのイメージはなかなか剥がすことはできない。しかし、本人はギャルであることに異を唱える。果たして筒井あやめはギャルなのか、ギャルではないのか。今回はその真偽を確かめていきたいと思う。
ギャルの定義
そもそも彼女がギャルであるかを議論する前に、ギャルとはなんたるかをはっきりさせておく必要がある。困ったときはまず辞書に聞くのがいい。ということで、お馴染み鈴木絢音先生推薦図書の新明解国語辞典を引いてみた。
なるほど、非常にシンプルである。この語釈を筒井あやめに突き合わせると、グループ内に流行の言葉を広め、4期生最年少で加入した彼女をギャルと定義づけることは可能だ。しかし、それではどうも味気ない。そもそもギャルってこんな広義な説明でいいのか、と疑問を抱いた人も多いのではないだろうか。街中に溢れる女子たちと「めるる」や「にこるん」とではもっとこう……違うだろう……!と。
こういう時は識者の意見に耳を傾けてみよう。まずはギャル代表「みちょぱ」こと池田美優。2018年に放送された番組「俺の持論」で、彼女はギャルについて以下のように語っている。
要約すると、基本的に今のギャル達にステレオタイプなイメージはそぐわないと。ギャルとして肝になるのは、中身・マインドであるという持論を展開している。すべてのギャルを彼女のギャル像で一括りにするわけにはいかないが、ギャル界のカリスマが言うことなのだから参考にせざるをえない。
次にギャル好きの意見も聞いてみよう。今回は池田美優を「現役最強ギャル」と称したCreepy Nuts R-指定と、SixTONES 田中樹のギャル論が繰り広げられた「Creepy Nuts のオールナイトニッポン」2022年4月18日放送を引用したいと思う。
番組内ではギャルに関するクイズも。
ちなみに池田美優は2015年、当時16歳でありながら、R-指定が主張ところのギャル像を象徴するかのようなツイートをしている。
これらの論点から共通点を探ると、以下の3点がギャルを構成するうえで重要なポイントになっていると思われる。
ギャルは礼儀正しくルールを守る
ギャルは家族や仲間を大切にする
ギャルは人々の生き方を尊重する
このように、昨今「ギャル」という言葉が持つ性質は多様化している。そのなかでも、辞書にあるように流行をいち早く察知したり、あまつさえ流行を生み出す発信側にもなるカルチャーとしてのギャル。そして上述の3点をはじめとしたキャラクター・マインドとしてのギャル。これらの側面を持つ人物を本記事では「ギャル」と定義したいと思う。
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さて、話は筒井あやめに戻る。ここからは彼女が先ほど挙げた4つのギャルライセンスをパスしているかを確かめていこう。
まずは流行のアンテナに敏感か否か。辞書に掲載されていることからも分かる通り、ギャルと流行の結びつきは強く、4要件の中でも世間一般が持つギャルの印象もこの要素が最も大きいのではないかと思う。そうなると話は早い。メディアで筒井がギャルであると紹介されたときのことや、メンバーから語られる彼女のギャルエピソードを振り返れば自ずと答えは見えてくる。
例えば「乃木坂工事中」#277-278 は若者の流行言葉・ゲームなどがクイズ形式で紹介される企画であったが、筒井は岩本蓮加・阪口珠美とともに「ギャル3」の一員となり、コメンテーターとして起用されている。また、番組内では「筒井あやめぽんぽんぽーん問題」なるクイズも用意されていた。これは当然、筒井がギャル(流行に敏感)であるという前提のもとキャスティングされたものだろう。
そして実際に筒井は流行を取り入れ、さらにはそれを周りに拡散するフェーズまで進んでいる。
メンバーからの証言も紹介しよう。
話は少し脱線するが、筒井や清宮からリズムに合わせた「おはようでやんす♬」を教わった新内眞衣だったが、これをうまく使いこなすことができず「おはようございます(?)」になってしまったというエピソードは、彼女の名誉のため今回は伏せておこう。
このように流行り廃りが目まぐるしく変わる若者文化においても、アンテナを伸ばしグループ内でもいち早くブームの波を乗りこなしている筒井は、1つ目の条件をクリアしていると言っていいだろう。
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池田美優が挙げたギャルの特徴には以下のような紹介がなされている。
「厳しい縦社会」というと多少の相違があるかもしれないが、グループアイドルもまた広い年齢幅のメンバーと時間を共にするコミュニティだ。そんな彼女の視線の先には先輩たちの姿がある。
そして筒井あやめの礼儀正しさが滲み出るようなエピソードといえば、2019年9月4日放送の「スッキリ!」が有名だ。デビューまもない彼女に対して、MCから「先輩たちに何か言いたいことはありますか?普段言えないこととか。」と問われた際、彼女はカメラに背を向け「いつも優しくしてくださってありがとうございます。」と先輩に向かってお辞儀をしたのだ。これはまさしく池田美優が言うところのギャル像と一致する出来事ではないだろうか。
その他にも規律を重んじるという点でいえば、4期生ライブ2020のリハーサル中の彼女の言動にも注目したい。
個人的にグループアイドルの後輩たちは、顔ぶれが変化するなかでも芯となる部分を受け継いでいき、新たなバリューを生み出す存在だと思う。それはさながら新しいカルチャーを発信しつつ、先人たちが作り上げてきたスタイルにリスペクトを払い、自分たちの色を加えながら再生産するギャルたちのようだと感じる。
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次に「身内想い」という点について。彼女はラジオやインタビューで度々「反抗期はなかった」と語っている(※ただし東京03角田を除く)。
中学時代から親元を離れたことを考えると自然なやりとりかもしれないが、このようなルーティンを欠かさず行っていることは家族想いと言って差し支えない。その他にも過去に父親と毎週自転車で神社巡りをしていたり、誕生日にオリジナルのノートや花とスイーツのセットをプレゼントしたりと、彼女からはたびたび仲睦まじい親子関係の様子が漏れ聞こえてくる。
他にも身近な存在として、加入から3周年を迎えた日に更新されたブログには、同期たち一人ひとりへの思いが認められている。それぞれの個性を肯定的な言葉で飾り立て、最後にはそんな同期の存在が「自慢」であるという台詞で締められている。
さらに次項にも通ずる言葉なのだが、上で紹介したブログより遡ること2年。まだリレーブログの時代にも、筒井は弱冠15歳とは思えない殊勝なことを綴っている。
池田美優が「みんな違ってみんないいね」と発言した数年後、筒井はそのギャルの轍をなぞるかのような言葉を残している。
メンバーの個性を尊重し合える環境が構築されていることは、グループの大きな魅力であり強みだろう。筒井はギャルとしても乃木坂46メンバーとしても、属するコミュニティの核心に触れることができる存在なのだ。
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これは賀喜遥香による筒井あやめ評だ。反抗期がなかったのは、どうやら家族間だけの話ではないようだ。
思い返せば「乃木坂どこへ」#14 で行われたカミングアウト大会の印象は強烈だった。ここで同期の早川聖来は「絶対嫌われる」という前置きをし、過去に筒井あやめの長いまつげを持ち帰り、自分のまつげが伸びるよう祈りを捧げていたことを告白している。一見するとドン引いてもおかしくない出来事だが、当の筒井はこれを受け入れるどころか、「まつげあげようか?」とまで提案したのだ。自身のまつげが信仰の対象になったことがないため確かなことは言えないが、並大抵の寛容さではないことは理解できる。
また、2020年7月8日に配信された「猫舌SHOWROOM」では「はぁっていうゲーム」に北川悠理と2人で挑戦。お題「妹」で「生意気な妹」を演じた北川だったが、筒井は「かわいい妹」と予想し回答する。そんな筒井に「あやめちゃんだけが言ってくれること。絶対あやめちゃんがやった方がよかったよ」と返した北川に対し、筒井は相手の目を見つめこう言った。
配信の文脈的にはコントチックな雰囲気だったものの、この言葉を聞いた北川は「なんか響いちゃうんだよね」と言い、瞳から涙が溢れないよう天を仰いだ。
さらに、敬愛する大園桃子の好きなところを聞かれた筒井は、このような回答を寄せている。
その思いは本人にも伝わっていたようだ。
大園桃子という人のことを考えたとき、アイドルとしての性質やキャラクターとしてではなく、一人の人としての在り方を肯定されることが彼女にとってどれほど価値があることだったかは語るまでもない。
賀喜の所見や前項で紹介したブログのように、筒井は周り存在を大手を広げ受け入れることもあれば、北川や大園の心を解したように能動的に相手を包み込むこともできる。
これは余談だが、筒井あやめをアルファベット表記にした際の「AYAME TSUTSUI」を並び替えると、「U suit YA* teams.」となる。これは「おいおいお前はあっしらの仲間っしょ?」と捉えることができ、ギャルマインド特有の受け口の広さを暗示していると思われる。名は体を表すと言うが、筒井あやめはこの世に生を受けた瞬間から、多くの人々と手を取り合うことが約束された存在だったのかもしれない。
*YA=Young Adult
筒井あやめはギャルなのか
というわけで、筒井あやめは本記事で定義したギャル要素をすべて持ち合わせたメンバーということをお分かりいただけただろうか。もちろん今回取り上げた諸々は彼女のギャルファクターの一部にすぎないだろう。しかし2022年現在、筒井あやめは間違いなくギャルであると言えよう。
ある意味ではカウンターカルチャーとして社会からは否定的な目でも見られてきたギャルという存在が、今や現代人の生き方の一つに落とし込まれ、国民的アイドルグループである乃木坂46メンバーのキャラクターにまでなっている。ギャルが持つ特性はこの先も変化し続けるだろが、昨今のギャルたちは、池田美優が主張するようにステレオタイプやネガティブイメージが似つかわしくないということも再確認することができた。筒井にはどうかギャルと呼ばれることを否定せず、むしろギャルであるという矜持を胸に今後も活動してもらいたい。
あやめちゃんをギャルだと決めつけて恣意的で偏執的な記事にしてしまったのは申し訳ないのですが、彼女がもし本当にギャルマインドを持っているのなら、このnoteも「ウケる~」という広い心で笑い流してくれることでしょう。
おまけ
同期の4期生に対して、筒井や清宮は過去にこんな発言をしている。
どうやら4期生たちはもれなく皆が広い心を持っているらしい。そして筒井あやめだけでなく、北川悠理や弓木奈於を筆頭に礼儀作法が備わっているメンバーも多く存在する。仲間想いなのは言うまでもない。そして、金川紗耶は2022年の流行語大賞にノミネートされた「きつねダンス」に追い風を吹かせ、矢久保美緒からは最新のコスメ情報を耳にする機会も多い。
というわけで、ここにきて4期生ギャル集団説が浮上してきたのだ。乃木坂46内に、あるいは乃木坂46自体がギャルサーである可能性が。今回これ以上の深追いはしないため、真相は闇の中。いつか「乃木坂どこへ」in 原宿が実現したときにでも再び検証したいと思う。
2022年11月12日
エメリンゴ
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