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「世界自殺予防デー」を考える
本日9月10日は、国際デーの1つ「世界自殺予防デー」だそうです。
SKKでご葬儀のお手伝いをさせていただく中では、
故人様の死因は病死や事故死などが多いですが
もちろん、自殺で亡くなられた方々もいらっしゃいます。
死因をおおやけにしてご葬儀をされるご家族は少ないですが、
件数は決して少ない訳ではありません。
現に、2023年の自殺者数は21,837人だったそうです。
中でも特別問題視されているのが、若年層、中でも中高生の自殺です。
2022年の小中高生の自殺者数は514人で過去最多だったそうです。
自殺により、ご家族、特にお子さんを亡くされたご家族の悲しみは
とてもとても深いものがあり、
立ち直って社会生活を送れるようになるまでにかなりの時間がかかります。
SKKは葬儀社ではありますが、
やはり自殺で亡くなる故人様を少しでも減らしたい!!
そんな思いがあります。
今回は、「世界自殺予防デー」ということで、
あまり語られない自殺について書こうと思います。
「自殺」を考えたことがある人は4人に1人!
厚生労働省が2021年度に実施した意識調査によると、
4人に1人が「これまでに本気で自殺を考えたことがある」と
回答しているそうです。
これはかなり多い数字ですよね。
自死を考える程の悩みや生きづらさを抱えて生きる人、
もしくは過去にそれ程の経験をした方がこれだけ多いという事ですよね。
自分自身は自死を考えたことがなくても、
周囲にはそれ程の悩みを抱えている人がいるかもしれません。
以前書いた、「マインドフルネス」や「ジャーナリング」は
メンタルヘルスの意味合いが強く、悩んでいる人にも有効ですが、
既に深い悩みを抱え、自死を考える程の方々は
自分で整える方法を選ぶ事も難しいかもしれません。
自殺の要因は様々ですが、
病気や障害などの健康問題をはじめ、
失業や倒産・多重債務、長時間労働などの社会的・経済的問題
職場や学校、家庭の問題といった環境や人間関係の問題など
様々な要因が、心理的に追い込まれてしまうのだそうです。
小中高生の自殺の原因・動機に関しては、
性別や小中、高校生別の「ほぼすべての区分で学校問題に類するものが最も多くを占める」と分析されています。
いじめや教職員との関係での悩みがあったなど
学校環境や学校での人間関係が悩みの大半を占めているそうで、
教育機関において大きな問題となっています。
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志願者のシグナルに気付く
自死を考えている人自身も、自死を考えてすぐに衝動的に行動に移す人はそう多くはありません。
長い間悩み葛藤して、「生きたい」という本心との間で揺れ動き、
最終的に自死に至る前は何らかのサインを発していることが多いそうです。
という事は、周囲の人がそのサインに気付くことができれば、
多くの自殺が防げるのではないでしょうか。
<自殺に繋がるサイン>
様々な悩みを抱える人は、精神面だけではなく
体や日常行動にも影響を及ぼすこともあります。
元気がなくなったり、食欲が減ったり、不眠になったり、
口数が減るなど、いつもと違う様子があれば注意が必要です。
また、自殺者の多くはうつ病などの精神疾患にかかっていることも多くあります。
周囲の人の変化やちょっとした違いにどれだけ気付いて行けるのかが、自殺を減らす方法かもしれません。
具体的なサインは以下のようなものです。
過去に自殺企図・自傷歴がある
喪失体験がある(身近な人やペットとの死別体験など)
苦痛な体験がある(いじめ、家庭問題など)
職業、経済、生活の問題がある(失業や多重債務や生活苦など)
精神疾患・身体疾患や、それに対する悩みがある
ソーシャルサポートが欠如している(社会制度が活用できないなど)
自殺につながりやすい心理状態がある(絶望感、衝動性、孤立感など)
望ましくない対処行動をする(飲酒で紛らわす、薬物を乱用するなど)
危険行動がある(飛び降りようとする、自暴自棄な行動をとるなど)
その他(自殺の家族歴、本人や家族・周囲から確認される危険性など)
これらのサインや、いつもと違う様子が続くなどの変化を感じ取ったら
思い切って本人に話しかけてみましょう。
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誰でもなれる「ゲートキーパー」
皆さんは、「ゲートキーパー」という言葉を聞いたことがありますか?
「ゲートキーパー」とは、
自殺の危険を示すサインに気づき、声をかけ、話を聞き、必要な支援につなげたり見守るなど、適切な対応を図ることができる人のことです。
資格などは特にありませんが、重要な役割を担うことから
「命の門番」とも位置付けられているそうです。
悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤独・孤立」を防ぎ、
周りが支援することが、自殺防止には重要です。
身近な人たちがどれだけ変化に気付き、
ゲートキーパーになっていけるかで、自殺者数を減らすことができるかもしれません。
<変化に気付いた後の対策>
先ずは変化やサインに「気付く」ことが大切です。
そして気付いている事を本人に伝える事も大切です。
周囲の人の変化に気付いたら、先ずは気軽に声をかけてみましょう。
「どうしたの?」「疲れてる?」「「最近眠れている?」
など、他愛もない声掛けから始めましょう。
気付いた後は、「傾聴」が大切です。
声をかけ、本人が話す言葉に丁寧に耳を傾けましょう。
最初はあまり話してくれなくても、何度か声をかけているうちに
色々と話をしてくれるようになるかもしれません。
気持ちや考えを決して否定せず、ひたすら話をく事が重要です。
話を聞いて、特別な支援が必要だなと感じた場合は、
専門家などへ「つなぎ」ましょう。
本人に専門機関を紹介する際は、丁寧な情報提供を心がけ、
できる限り確実に繋がるようサポートしましょう。
その後は、温かく寄り添いながらじっくりと「見守る」事もまた重要です。
専門機関に繋いで安心せず、その後も定期的な声掛けなどをして
寄り添っていきましょう。
自殺を防ぐポイントとしては、
悩みを抱えている人を「孤独」にさせないことが重要です。
そして、気にかけている事、心配している気持ちを伝える事、
手を差し伸べている事を伝える事も重要です。
悩んでいるあなたを助けたいと思っている、
それを本人に知ってもらいましょう。
悩みは多少なりとも誰もが抱えるもの。
みんなでお互いの変化に気付き、声を掛け合いながら
少しでも自死を選択する人を減らしていきたいですね!
◆不安や悩みがあったら、一人で抱えずに相談しましょう!
<SNS相談窓口>
・NPO法人ライフリンク「生きづらびっと」
LINE @yorisoi-chat
チャット https://yorisoi-chat.jp/
(月・水・金曜の午前11時~午後10時半、
火・木・日曜の午後5時~同10時半、
土曜の午前11時~午後4時半)
・NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア「こころのほっとチャット」
LINE/Facebook @kokorohotchat
チャット https://www.npo-tms.or.jp/public/kokoro_hotchat/
(毎日の正午~午後3時50分、午後5時~同8時50分、
午後9時~同11時50分、月曜午前4時~同6時50分など)
・NPO法人あなたのいばしょ
チャット https://talkme.jp/
(24時間対応)
・NPO法人BONDプロジェクト
※10代、20代の女性のための相談を実施。
LINE @bondproject
メール hear@bondproject.jp
(月・水・木・金・土曜の午前10時~午後10時)
<電話相談窓口>
・こころの健康相談統一ダイヤル
0570-064-556
・いのちSOS
0120-061-338
(日、月、火、金、土曜は午前0時~翌午前0時
水・木曜は午前6時~翌午前0時)
・いのちの電話
0570-783-556
(毎日の午前10時~午後10時)
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