iPhoneとカメラレンズ─M42─
前回、KENKO スコープアイピースキット を参考に「L39スマホ用アダプタ」【対物レンズ代りのカメラレンズ(L39レンズ+M42変換リング) + M42ヘリコイドリング + アイピース 】を試してみました。
この時は、コンパクトさ重視でL39マウントレンズ+M42変換リングで試してみたのですが、フランジバック─以下 "FB" ─(M42マウントFB:45.5mm)とL39マウントFB:28.8mm)と結像ポイントの差16.7mmをクリアすれば、M42のレンズでも同じことは可能です。
M42スマホ用アダプタ
実験すると、これくらいの組み合わせで無限遠OKで、最短もレンズ先端から40cmくらいまで寄れました。(レンズ本来の最短は1.2m)
延長リングとヘリコイドリングの組み合わせはいろんなパターンがありそうですが、L39レンズをメインで使うつもりなので、ヘリコイドリングは共通にして、14mm延長リングをプラスするだけとしました。
問題は実用性と操作性で、この状態で約480g。ちょっとした望遠レンズ並。気楽で使いやすいのは、50mmレンズあたりの倍率3倍、iPhoneにつけて換算100mm前後の中望遠画角くらいかと。せっかくのM42なので望遠系を試してみました。
かろうじてミニ三脚で自立してます。手持ちで使う分にはレンズをしっかり握っておけばいいのですが、三脚の場合、もう少し重いレンズとなるとスマホ側でなく、三脚座とかでレンズ側を保持しないと倒れそうです。そこまでして使う意味があるかどうかは別問題ですが(^^;
この組合せで、35mm判換算焦点距離が182mm。
交換レンズ焦点距離(105mm) ÷ 接眼レンズ焦点距離(15mm) = 倍率: 7倍
iPhone 12mimi 換算焦点距離26mm × 7 = 182mm
実写例
やはり天体望遠鏡のように180度回転像なのでProCameraアプリで正立状態に戻して写しています。
接眼レンズイメージサークルの円形ケラレをデジタルズームするとか、クロップで切り取るとさらに1.2倍くらい換算210mmとかの画角になってしまいます。手持ちで撮れるのはこのあたりまでかもしれません。
(横着してスマホケースごと取り付けているからか、写っている画像の周辺がぼやけてます。)
この画角は雲とか撮ると面白そうです。(このページのヘッダ画像もこのアダプタで撮影してます)
さらに長玉の望遠となると三脚座に据えて、フィールドスコープや天体望遠鏡代わりみたいな用途になってしまいそうです。そもそも普通にデジカメで撮った方が簡単で画質も良いだろという話にもなります(^^;
ただ、コリメートの利点として高倍率を得やすいので、例えば500mmのミラーレンズに10mmの接眼レンズで倍率50倍。iPhone12mini だと換算1300ミリ。月だと画像短辺の半分以上の大きさになりそうです。
接眼レンズ(アイピース)について
今回のアダプタのアイピース部分はM42チューブにはめ込んだだけの接眼レンズ固定で、焦点距離15mm専用状態です。
ただ、スマホホルダーごと、1.25インチ径のアイピースが入る望遠鏡に差し込めば、そのままスマホでコリメート撮影ができるところが取り柄なので、これはこれで活用できそうです。
上記の倍率計算式の通り、接眼レンズの焦点距離が変わると倍率も変化します。天体望遠鏡用のアイピースとかそんなに持っているわけじゃないですが、これが交換できれば、対物側焦点距離が同じでもアイピースの焦点距離で倍率や見え方のバリエーションも広がります。
手持ちのNEWTONY や MAKSY60 に付属している10mmと20mmのアイピース、どうせなら、その専用スマホ用アダプタも使えるようにしたいですね。
接眼部を替えてみる
アダプタの長さが44mm。M42マウントレンズフランジバック45.5mmがアイピースのどの位置にきてくればいいのかよくわかりませんが、レンズとアイピースを付けてのぞいてみると無限遠は出ているようです。
天体望遠鏡のように倒立像なのは相変わらずなので、アプリ側で正立表示させます。
この状態で全長115mm、重量290gほど。
太めの単眼鏡と言えるかどうか、スマホに取り付ける時は
アダプタアイピース側に42mmピッチ0.75mmのネジが切ってあるので、T2-M42マウントアダプタ+M42延長リング + スマホクリップ。アイピースの長さ・アイレベルに合わせてなるべくiPhone上で視野が広くなるよう、リングを組み合わせて調整です。
スマホ用アダプタレンズというには少々いかついですが、気分転換にはなりそうです。必要に応じて望遠鏡用スマホアダプタで固定。
NEWTONYやMAKSY60付属のアイピースだと専用のスマホアダプタがあるのでこちらを使った方がいいかもしれません。
実写例
(対物レンズ焦点距離) 55mm ÷ (接眼レンズ焦点距離) 10mm = 倍率 5.5
(iPhone 12 mini 換算焦点距離) 26mm×5.5 = 換算143mm
同様に20mmアイピースの場合 35mm判換算で70mm少々の画角となります。20mmの方はグルグルボケ傾向がありそうです。