工作レンズ01_CloseUpレンズで中望遠
マガジン説明にも書きましたが、死蔵化してしまった残り物レンズやアダプタを再利用してみようという話です。自作というほどではないので「工作レンズいろいろ」くらいのネーミングで・・・
M42マウントアダプタ + クローズアップレンズ
天体望遠鏡関係の記事を読んでいると、対物レンズとしてKenkoのAC(アクロマート)クローズアップレンズを使ってみるという話が出てきます。AC No.2で焦点距離500mm、No.4で250mm。このあたりの長めのものを使って望遠鏡を作ってみたり、カメラ用望遠レンズにするというのも一興です。
ただ焦点距離が長い分、その鏡筒を作ったり、使える筒を探すとか、それはそれで楽しそうなので、別の機会があればやってみたいと思います。
今回は中望遠として普段使いできそうな70〜80mmの焦点距離の組み合わせで試してみます。
KenkoのクローズアップレンズでACと銘打っているのはNo.2-3-4-5。
M42マウントアダプタはネジピッチが1mmなので、T2-M42アダプタで0.75mmピッチに変換。42-49mmや49-52mmなどのステップアップリングでクローズアップレンズを取り付けて、M42延長チューブとかφ52mm延長チューブで焦点調整という流れです。上写真右の5+5+2はT2リングの代わりにM42-M52ヘリコイドリング使用。
(M52にステップダウンリング52-49mmなので苦しいところはあります)
組み合わせパターンは、いろいろ考えられますが、ACクローズアップはレンズ自体の厚みもそれなりにあるので、これ以上の短焦点にするのは難しそうです。(上のNo.5+5+4だとそこそこの遠距離(100mくらい?)までで、無限遠が出ていない)
遠くは撮らないとか、5+5の代わりにNo.10にしてレンズ長さを短くするとか、No.10はアクロマートじゃないので、色収差でぼやっとした絵になるかもしれませんが、「味を期待」と割り切ります。(最近になって廃番商品だったAC No.10を入手することができました。)
組み合わせ順とかレンズ間の距離とか、写りに影響する要素も色々あるのでしょうけど、これも気にしないことにしましょう(^^;
M42マウント前提ですが、凸レンズの組み合わせ+ヘリコイドでピントという方法だと、手持ちのレンズでは、No.10+5(下写真右 合成焦点距離:約67mm)が最短焦点距離でした。
これ以上の広角というのは他のマウント方法を考える必要がありそうです。
絞り
有効口径が50mmほどあるので開放F値としては1.4〜1.8くらいになりそうですが、シャープ感は求めないとしても撮るものによっては多少絞った方がいいかもしれません。
当然ながら絞り機能はないので、お手製で代わりになりそうなものを準備します。
死蔵品の再活用なので使えそうなもの何種類か組み合わせてみました。黒い紙で適当に孔空けでも細かい調整ができます。
スマホで使う
No.10+No.4の組み合わせだと上のような組み合わせで無限遠から最短50cmくらいまで合焦可。ただ、倒立像になるので、スマホのアプリ側で正立させた方が使い易い。
No.10+No.5+アイピースアダプタだと無限遠が出ません。仕方ないのでM42延長チューブにアイピースをはめ込んで代用。
実写サンプル_No.5+5+2
使用レンズは、No.5+5+2の3枚重ね(合成焦点距離約83mm)
開放だとぼや〜とした感じ。穴あきの黒紙とかレンズキャップ等でレンズ先端に絞りリングをつければ多少シャープになりますね。シャッター速度から想像して上の右写真は二絞りほど。
もう少し絞れば、下のZUIKO 85mmの開放くらいのシャープ感は出るかもしれませんが、やはりトイレンズっぽく使った方が面白そうです。
ZUIKO 85mmの最短撮影距離85cmあたりの位置からです。(上も同位置)
何故かこちらの方が少し小さく写ってますね。
実写サンプル_No.5+10
モデルは友人がこしらえた全長6cmほどの備前焼ねこです。
センサー面から45cmほどの位置
さすがにこの距離だと開放と絞った違いが大きい。
上左の開放が F:1.4と想定すると、シャッター速度から想像して上の右はF:8
下左が一絞り(F:2) 右が二絞り(F:2.8) くらいに相当しそうです。
絵としては一つ二つ絞ったくらいが良さそうです。
散歩コースの八幡宮。滲み方を楽しむレンズかな!