わんこの皮膚の病気 ・ニキビダニ(毛包虫)症
ペコです。皮膚科認定医です。動物の皮膚病を分かりやすく説明しています。今日はニキビダニ症という皮膚病を解説します。見た目だけでは分からないこの病気は色んな発疹を呈するのが特徴的。若くてもお年寄りでもニキビダニ症は発症するよ。まずはきちんと皮膚検査をすることが大切なんだけど。。。。
1.ニキビダニはヒトにもいるよ!
いきなりですが、ニキビダニはヒトにもいます。
えぇ〜!いやあ!😱
そう、あなたにも、私にもいるそうです。。
😱
仕方ありません。
お母様などから移るそうです。😱イヌもです。😱
2.毛孔に住んでるよ!(閲覧注意か??😱)
そういうわけで、ほぼ全てのイヌが(ヒトも) ”ニキビダニ”という虫?を毛孔に飼っているのです。😱
こんな感じに(ちなみにこれはちょっと増えすぎてますね。。あと、実際はもっと小さくて、その代わり増えている時はもっとウジャウジャと。。。ふふふ😅)
分かります?毛孔に可愛い?ニョロニョロみたいなニキビダニが住んでいる図😙
わたし、この絵に2時間くらいかけちゃった。おバカさん!😅
実際はこんな感じ
でもほとんど心配いりません。ヒトにはヒトのニキビダニ。イヌにはイヌのニキビダニがいて、イヌからヒトへ移ることはありません。(笑)
え?でもヒトにもいるんだよね?
います。😱
言いましたよね? 大丈夫です。 心配いりません。笑。
😱
気にしないでください。笑。
3.免疫とのバランスが崩れるのが原因?
通常は自分の免疫が適度にバランスを取って、ニキビダニが異常繁殖するのを防いでいます。だいたい、10箇所くらい毛を抜いて顕微鏡で見た時に1匹くらい見つかっても気にしなくて良いらしい。ところが、何が原因があってニキビダニの数が異常に増えると、皮膚炎の状態になってしまう。
まだ若いうち(だいたい2歳以下)、まだ皮膚が丈夫じゃなくて(皮膚の免疫?構造?その両方かな。。)ニキビダニが増えちゃうことがある。
ちょっとしたひっかき傷みたいなのがなかなか治らなくて痒い時、ひょっとするとコイツかもしれない。時々、ニキビダニに弱い体質の子もいる。残念ながらこういう子は他の子よりちょっと酷くなるし、繰り返す傾向があって、生涯コイツとうまく付き合っていかなくちゃいけない。。
逆に高齢の場合、何か持病があったり(皮膚以外でも!)、そうでなくても色んな病気に対する抵抗が衰えて。あるいはホルモン系の病気(内分泌疾患と言います)を発症してとか、他の病気で免疫を抑制する薬を飲んでいる場合など!
・・・つまり免疫が低下すると・・・・
ニキビダニ症を併発することがあるので、注意が必要。最近みるのが、アポキル!!これを2年位飲んでいる子で途中からニキビダニ症になっている子に時々出くわします!!アポキル効かなくなってきたらひょっとして・・?!
4.ニキビダニ症の実際の症状は多彩
イヌのニキビダニ症の発疹像は非常に多彩。
幼犬ではこんな感じの微妙な脱毛。。。だけど痒い! 抗生物質効かない。。 という病変が多く、
高齢のイヌや基礎疾患のあるイヌでは
こんなだったり
こんなだったり
重症ではこんなになってしまうことも・・・
数十年前だと良い治療法がなくて、安楽死なんてこともあったそう😢
5.治療、そして背景となる病気を調べるのが大事だよ
今は良い薬ができて、そんなに治療に苦労しなくなりました。
真上のひどい子も↓ はい、この通り😀
ただし、きちんとした皮膚検査をしないと見つけることができません。
それに、どうしてニキビダニが増えてしまうような状態にあるのか?
を探っていくことも大事です。
まだ若いから、皮膚の免疫も弱くてちょっと負けてしまっていて、病変が出てしまっているだけなら割とあっさりと治っていきますが、
特に高齢の子の場合は、アレルギーとか、内分泌疾患(ホルモンのアンバランスが起きる病気)、内臓の他の疾患など、
【 基礎疾患があるために、皮膚の免疫機能が衰えて発症している ]
ことが多いので、根底にある病気を丁寧に探っていくことが大切。
病変が重度の場合は細菌感染も合併するのでそちらの対策も必要。
場合によってはニキビダニ対策をずっと続ける必要があるかもしれません。
ヒトの場合は顔ダニとかいって、やっぱりニキビと関係してる場合もあるみたいですね。🤔
えっ?自分の顔ダニはどうすれば良いかって?
それは知りません。😁
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