Vol.8 スタートアップビジネスDD(BDD)
事業会社の経営企画として、BDDをいかに使いこなせるか。
全てのDDの根幹になるのがBDDと考えております。
最終的な買収金額策定にも、影響します。
バリューストラクチャーとBDDの関係
DD開始時点で、対象会社からまず最初に、事業計画を提出いただきます。
その事業計画と売り手の希望価格(セラーズバリュー)がまず設定されます。
その後、DDにて発見した事項を考慮して、スタンドアローンバリューを算出します。スタンドアローンバリューは基本的にセラーズバリューより下がることが多いです。しかし、売り手から見た際に、売却希望価格より下がることはポジティブに見られることはないです。
スタンドアローンバリューはDDを経て、シンプルにどのぐらい企業価値があるかを算出したもので、最終的に決まる金額は交渉の中で決まりました。
最終的には、シナジーがどのぐらい見込まれるかを、算出していく。
事業計画の各々の項目でどの程度シナジーが出るかを細かく見ます。
シナジーを考慮し、最終的に「バイヤーズバリュー」を策定します。
この一連の流れが、DDになります。
この中でも、根幹となるのが、BDDになります。
BDDのステップ
BDDのステップは以下になります。
ビジネスDDの計画策定
事業構造分析
業績構造分析
上記、分析結果をもとに、修正事業計画を策定
シナジーの抽出、Quick Hitsの抽出
ガバナンス体制の検討
アクションプランの策定
最終報告書作成
といった流れになります。
BDDでフォーカスすべきポイント
ビジネスDDを開始する前に、どのような論点でBDDをするのか。
どのようなステップでビジネスDDをするか、他のDDと連動させながら実施を進めていく。
買収会社側も既存業務がある中で、DDを進めていきます。
非常に多忙な作業になります。
私の経験上、DDに耐えられるのは、「3ヶ月」になります。
長くても「半年」までと思います。
改めてフォーカスすべきポイントは、以下になります。
エンドマーケット/ホワイトスペースの有無/市場の成長性/TAM/価格設定
投資する対象会社がカバーしている市場
市場でのポジショニング
対象会社が競合に対してどのような差別化をしているか。
人材の獲得・定着
売上にヒットする人員
営業(Sales)担当に着目して、Sales repがどの程度か確認
デリバリー
どの程度レベルの案件をどの程度の数、1名でデリバリーできるか。
上記2種の職種に対して、採用するナレッジがあるか。採用難易度がどのくらいかを確認する。
外部委託比率
内製でやっているのか、外部顧客に特定のスキームを依頼しているのか。それは買収後に欠損するリスクがないか。
バリューアップのポテンシャル
新規顧客開拓、オペレーション改善などの成長余地を確認。