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上司の負荷を増やさずにMVVを浸透させる!SESの人事評価制度のポイント

みなさん、こんにちは。

以前のnoteで、NVSには従業員エンゲージメントの偏差値は47.8、
フロントマネージャーに至っては27.6、離職率は41%という
「地獄の時代」があった、というお話させていただきました。

当時致命傷となったのは人事評価制度。
この時代を経験した弊社だからこそ見出せた、人事評価構築のポイントを
本日はお話しいたします。

1,NVSの失敗談


弊社では2015年ごろに人事評価制度を導入しました。
当時の評価項目は60個。さらに、四半期に一回査定を行っていました。
想像に難くないかと思うのですが、評価項目が60個あることによって運用の負荷が大きくなっていました。

当時の社内ではこんなことが起こっていました。

・上司は60項目を複数人分チェックする必要があり、疲弊してしまう
・評価シートの評価項目60個それぞれに部下のコメント欄を作っていたが、「できた・できない」を記入するのが精一杯で、十分なコメントを書かずに提出されてしまう
・評価項目が多すぎて、上司も部下も適当に点数をつけてしまう
・上司も部下も60個の評価項目を覚えられていなかったため、上司は部下の行動を人事評価という観点で普段からチェックすることができない・部下は人事評価の項目を意識して仕事をすることができない状態になってしまっていた

加えて、判断基準や点数も当事者の主観のため、納得感を醸成できていませんでした。
中には査定の結果昇給したにも関わらず、「給料が上がる理由が分からない」という理由で離職したメンバーも…。

「若手メンバーの成長のため」と思って導入した人事評価制度でしたが、結果的にエンゲージメントを下げてしまっていました。

この苦い経験から、現在の人事評価制度の工夫が生まれています。

2,NVSでの工夫ポイント


弊社では3回人事評価制度を大きく改訂しています。
人事評価制度の変遷を追いながら、ポイントをお伝えできればと思います。

・第一段階:評価項目を60個から10個に!

60項目だった評価項目を、能力項目5項目とMBO5項目に思い切って減らしました。
この数が覚えられる限界なのではと思ったからです。
このことで、上司の評価負荷は軽減され、部下もとるべき行動が明確になりました。

・第二段階:評価項目の変更

第一段階で負荷を減らすことはできましたが、自社の人事評価制度はまだ私の中でしっくりときませんでした。
行動指針を組み込めていなかったからです。

そこで、NVS10ヶ条(行動指針)を点数付けできるように設計し、人事評価制度にコンピテンシーとして組み込みました。

ミッション・ビジョン・バリューに紐づいた行動指針を評価項目にしたことで、NVS社員としての行動の一体感や、会社のカルチャーが生まれたと思います。
上司が行動指針に対して指導しやすくなるという効果もありました。

加えて、お客様満足度アンケートの結果も評価項目に入れました。
SESは評価者とは別の現場に常駐する場合もあるため、本人の働きぶりが見えない場面も多々あります。
そのため、本人の自己評価と実際の現場評価にずれがないかを確認するためにお客様満足度アンケートが役立ちます。
評価への納得感を醸成することにも繋がっています。

・第三段階:スキルの習得度合いを入れる

第二段階で、能力の代わりにコンピテンシーとして行動指針を入れたことで、能力を評価する項目がなくなってしまったというデメリットがありました。
実際、若手メンバーの現場でのトラブルやミスも増えていました。
会社側が能力開発制度を整えて、若手の成長をサポートする必要があると考えて、スキルマップを作り、評価項目に入れました。

具体的にはスキルマップは週次でチェックして点数化しているため、その四半期平均を「スキル習得度」の項目に入れています。

3、効果

2章でお伝えした3段階の評価制度の変更で、様々ないい変化がもたらされました。

まず、評価項目が60個あったときに比べて上司の評価面談の負荷が減りました。
具体的には、75%ほどの時間削減に繋がっています。
この変化で、上司が評価の度に疲弊することはなくなりました。

また、行動指針を人事評価に組み込んだことで、上司がMVVや行動指針に関して指導しやすくなったという声もあがりました。
行動指針が社員の口癖になり、自社のカルチャーも醸成されました。

この人事評価によって、どの現場に行っても納得感がある評価ができるようになり、現在は「評価に納得できないから辞める」という社員も出なくなっています。

上司の負担を減らしながら、MVVに紐づいた行動指針を社員に浸透させる人事評価のコツ、ぜひご参考にしてみていただけたらと思っております。

次回もお楽しみに!

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