ラテラルシンキング研修のポイント
これまでにないアイデアを創り出す一つの手法として「ラテラルシンキング」があります。
今回は「ラテラルシンキング研修」を企画するポイントをまとめていきたいと思います。
ラテラルシンキングとは?
ラテラルシンキングという考えは、エドワード デボノが生み出したものです。別名、水平思考とも呼ばれます。
著書の中で、ラテラルシンキングは下記のように定義されています。
『どんな前提条件にも支配されない自由な発想法』
①新たなアイデアを生み出す
②脳を仕向けることができることを強調する
③「垂直思考」とは異質かつ正反対の思考法である
(参考) 「水平思考の世界」エドワード デボノ (著), 藤島みさ子 (翻訳)
ビジネスの現場でロジカルシンキング(垂直思考)が重要視される状況に対するアンチテーゼとして生まれたのがラテラルシンキング(水平思考)であると言えます。
ラテラルシンキングでは、みんなと同じ見方をするのではなく、少し遊び心をもって別の見方をすることが推奨されます。
また、課題発見から順番に進めるというプロセスを無視して、先にアイデアを出して、たまたま面白いアイデアを発見することを狙います。
ラテラルシンキングが求められる背景
なぜ、いまラテラルシンキングが求められているのでしょうか?
端的に言えば、これまで通りの方法、つまり、ロジカルシンキングのアプローチでは成果を出しづらくなっているからです。
今ビジネスで残っている問題は、難しい問題しかありません。
簡単な問題はすでに解決されています。テクノロジーの発展により、あらゆる問題が解決されてきました。
今残っている問題は難しいものしかありません。
これまでの通りのアプローチをしていたのでは、うまくいかない可能性が高い。
では、どうすればよいのか?
この時に有効になるのがラテラルシンキングです。これまでと違った見方や手順で問題に取り組むことで、大きな成果を生み出すことが可能です。
ラテラルシンキング研修を企画するポイント
ラテラルシンキングは、自由な発想法であるため、研修を企画する際にも王道があるわけではありません。
「なぞなぞ」のような問題を出題することで、楽しい雰囲気で研修を行うこともできます。頭の体操となるようなお題に繰り返し取り組む研修もあります。
ラテラルシンキング研修を実施する上で重要となるポイントが2つあります。
ポイント①経験やセンスではなく、技術として学ぶことができるか?
新しい気づきや発見をするためには経験やセンスが全てであるというならば、それは研修で身につけることが難しいです。
研修で学ぶからには、技術として学ぶ必要があります。
ラテラルシンキングを活用した事例を見せるだけでなく、どのようにして新しい見方や発見ができるかを学ぶ必要があります。ただし、ラテラルシンキングは偶然の発見を生み出す手法であるため、この点が難しいです。
研修では、その難しさに向き合い、何が難しいのかを言語化することで、ラテラルシンキングの奥深さを知ってもらうことができます。
また、研修内でラテラルシンキングを実際に体験してもらうことで、できる感覚を持ってもらうことが重要です。
②研修中に楽しむだけでなく、実務で活用できるイメージを持てるか?
ラテラルシンキング研修はとても楽しい一方で、それだけで終わってしまう点が心配です。
うちの現場では使えないと言われないよう、あらゆる業界や業種に対応できるカリキュラムでなければいけないことは言うまでもありません。
特に、この領域への関心が高い企画部門や開発部門の受講生にとって有効である必要があります。
研修で用意されたお題に取り組んでもらった後は、すぐに実務に活用する機会を提供する必要があります。すぐに実践してもらい、なにかしらのアウトプットを創ってもらいます。
我々の経験上、実際に取り組んでもらうと、数名の受講生からこれまでにはない切り口の面白いアイデアが生まれます。そういった事例を実際に受講生が創り出してくれることで、その効果を受講生全員が体験できます。
以上がラテラルシンキング研修のポイントでした。
ラテラルシンキング研修は非常に楽しいテーマである一方で、カリキュラムや研修運用に工夫が求められます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?