フランソワーズパトレシア~オカンとボクと、時々、ポチ
こんにちは。
宇野です。
突然ですが僕は基本的に母親っ子です。
幼き頃、小学校から家に帰ったら真っ先に母親に今日あったできごとをなんでも話すような子供でした。
母はそのたびに家事をおいて、隣にきて話してくれました。母との思い出はたくさんあり、エピソードも思い出せる限りでもたくさんあります。
社会人になり、京都から大阪に出てきてからも、母とはなるべく連絡を取るようにしています。
そんな僕ですが、最近のマイブームが朝活です。朝、早起きをして朝ごはんや炊事洗濯、友達との連絡も朝にとることが多いです。
ちょうどその日も別件で母とやりとりをしていたので、そんな健康的な生活を送っているよ~と母に現状報告。
するとなぜか、この朝活に関してだけはスタンプ一つ。気味が悪いうさぎの疑問顔。ニカって笑ってるやつでもなく、驚きの顔でもなく、ただただ疑問顔。
ラインスタンプの使いどころだけはまだ理解できていないようです。
そんな母との記憶の中でも、特に印象的なことがあります。
小学校2年生のある日。いつも通り学校から帰った僕に、突然玄関まで走って母が迎えに来ました。そしてこんな言葉を言ったのです。
「ゆう!(僕の名前)見た!すごいの見たで!」
「え、どうしたん?何見たん?」
「あれよ、あれ!フランソワーズパトレシア!」
「ふらんそわーずぱとれしあ???」
僕は初めて聞くそのワードに驚きを隠せません。
「え?何者?そいつ!」
「え?だからフランソワーズパトレシアやって!」
埒があきません。興奮する母を抑え、よくよく話を聞いてみました。
するとどうやら、隣町の地元の人が飼っている四足歩行型のペットだということだけは分かりました。
それから約2年。
上級生になった僕は隣町に自転車で遊びに行くようになります。
当然フランソワーズパトレシアことも忘れていました。
ですが、自転車で走る僕の視界に大きな四足歩行型の物体が飛び込んできました。
その瞬間おもわず叫びました。
「フランソワーズパトレシアやっ!」
と。
僕の深層心理に植え付けられたフランソワーズパトレシアという謎のワード。
見た瞬間に思い出すこの圧倒的名付けセンス。そう、何を隠そうフランソワーズパトレシアなんて言葉はこの世に存在しません。そんな生き物はいません。
ただ母がその動物を見た瞬間にこのワードが下りてきたそうです。
ちなみに特徴は、ポニーくらい大きな体、全身真っ白の毛、馬のたてがみくらいの毛量。まるで小さな白馬です。(どうやら後から聞いた話では犬らしい。)
田舎の町であんな洋風な生物を見たらだれでもおどろきます。
そして今でも、その犬が何という犬種なのか僕は知りません。ただ、それでいいのです。あの犬にフランソワーズパトレシア以上の適切な名前はないからです。
明らかに当時母がハマっていたフランダースの犬とその名犬パトラッシュの名前にインスパイアされたことは間違いありませんが。
そんな母も来年で58歳。母が元気なうちに必ず形のある親孝行をしようと思いながら、今日も一日最大限の努力をします。
我が家の愛犬、ポチのこと話し忘れました。それはまた次回。