私の最近読んだ本① 社会契約論
こんばんは、あおしです。
最近、私が読んだ本三選を紹介します。
今回は第1弾ということで、3本立てでご紹介できればと思います。
普段は、「自分自身を知る」「社会って何だろうか?」「よりよい生き方とは?」のようなことに興味があって、色々と本を読んでいます。
このコラムを通じて、私が考えたことや感じたことを共有できればと思いますー。
1.ルソー『社会契約論』~みんなが自由な社会とは~
(1)社会契約論は何を扱った本なのか
まず、1冊目はルソーの社会契約論です。
いかにも難しそう…ですが、あっ、ブラウザバックを押さないでください!
この本で論じている内容はいくつか取り上げることができますが、
もっとも根本にあるテーマとしては「人が自由な社会とは何なのか?」ということだと思います。
少し言い換えれば、この本は「正当な社会とは何か?」という問題に真正面から挑んだ本です。
その問題に対するルソーの返答は「社会にいる人全員に共通する利益を元にして、繋がればいい」です。
細かい論理や前提知識まで立ち入ってしまうと、
文章量が膨大になってしまいますので簡単に触れていきますが、
ルソーにとって、奴隷制が当たり前にあったり、
力の関係性で支配ー服従するような国家は「正当ではない」と考えたのだと思います。
じゃあ、ルソーにとって正当な社会とは何か?
それが「一般意志に基づいて、社会契約をした国家」となるわけです。
その一般意志(全員に共通する利益)をルソーは「人間が生命を自己保存をすること」(自分の命を守ること)と考えました。
そのため、ルソーにとって「それぞれの人の生命や財産が守られている」という前提が重要です。
この前提が一般意志です。
それぞれの人がこの前提に基づいて約束をして、社会を作る。
そのような約束に基づいた社会が正当な社会である。とルソーは考えました。
(2)現在の社会と一般意志について
では、本の内容からは少々外れていきますが
今、私たちの社会において「一般意志」はあるのかな? と思います。
例えば、二人組がいて、その二人に共通する利益、というのは結構考えられそうです。
二人とも本が好きとか、運動が好きとか。
では、その人数が10人、100人、…1億人と増えた場合、
共通する利益なんてものはあるのか?となる。
ルソーの「社会契約論」での論理を国単位で、現実的な問題として落とし込んだ時、
なかなか個人レベルでは難しさがあるように思えます。
でも例えば、運動のサークルメンバーだったり、会社の支部だったり、
その規模ぐらいであれば、落とし込めそうに感じる。
ルソーの語った対象は、社会=国家という単位ですが、
そこから類推して、比較的小規模なグループ・サークル・コミュニティに
その論理を援用していくことは可能だろうと。
具体的には、仲間内で集まったコミュニティ内で、それぞれの人が話し合いをして、
それぞれに共通する利益(一般意志)を見つけていく。
そして、その一般意志に基づいて、コミュニティを運営したり、ルールを決めていく、という具合です。
そうなると、ルソーの語っている問題は
「みんなにとって居心地の良い場所はあり得るのか?」
という問題へと捉えなおすことができるんじゃないのかなあ?
そんなことを考えながら、4ヶ月ほどかけてゆっくりと読み切りました。
2.最後に
この社会契約論を読んだうえで考えたことは、
「正当性」ってなんだろう?というのが新たな問いです。
例えば、集団で何かを進めていくにあたって、「根拠がある」とか「正当だから」というレトリックが使われる印象があります。
そういった新たな問いは一旦置いておくにしても、
このルソーが提起した問い「社会の正当性とは何か?」と、
ルソーが示した、社会契約論という原理での社会像。
この2つは現代においても、問われ続ける価値のある問いであり、説得力のある社会像だと思えます。
私はこの『社会契約論』の読書体験を通じて、人間関係の対等性、コミュニティのあり方について考えるヒントや手助けを多くもらったと感じます。
また、このルソーの『社会契約論』が、また別な読書体験に繋がるのではないか、という期待を抱いています。
次回は、また別の視点から社会や自分自身について考えさせられた本をご紹介できればと思います。
よければ、お楽しみに…!