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乃木坂46 真夏の全国ツアー2024~東京公演~に行ってきた

今年の全ツは久しぶりに大阪と名古屋のドームをはしごする「ドームツアー」となった。

締めは当然「明治神宮野球場」

乃木坂の夏!

2024年9月2日(月)~4日(水)の3DAYS開催。

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開催前から不穏だった。

そろそろ会場の設営に取り掛からなければ開催自体も危ういと誰もが気がかりだったのは、ちょうど九州から上陸し、関西、関東と全国ツアーを行う勢いの台風10号。
台風は近畿地方に停滞したものの温帯低気圧に変わったが、それでも湿った空気を南風にのせてここ東京でも雨が止まらず、一時は神奈川の境川、西東京の浅川などが氾濫寸前まで水位が増した。

結論を急げば、会場の設営は日程通り完了し、開催の3DAYSで雨が降ることは無かった。さすが設営のプロですね。ありがとうございました。
それは今の乃木坂には強烈な晴れ女がいるのではないかと思うほど素晴らしいライブ日和だった。
恐らくは「いい意味で圧がある」あの人、キャプテン梅澤美波が高気圧となって神宮一帯を晴れさせたのではないか、いやこれはもう疑いようがない(笑)

今年は他会場には行っておらず、セトリもチェックせずに神宮のDAY1とDAY3を見ました。
今回は神宮DAY3を中心に振り返ります。
(感じるところが多く長くなってしまった)

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OVERTURE明けは2年連続の座長となった5期生・井上和が登場し最新曲「チートデイ」でいきなりフルスロットル。
「太陽ノック」「裸足でSummer」と夏曲を連発し、2022年の夏を締めくくった4期生・賀喜遥香センターの「君に叱られた」、そして間髪を入れず「ジコチューで行こう!」と圧倒的な「乃木坂の夏」を最初のブロックで作り上げた。

MCを挟んで期別に5期生、4期生、3期生と登場し、「17分間」「I see…」「三番目の風」を披露。

思えば3期が初めて神宮に降り立った2017年も今回と同じように期別に3期、2期、1期の順で登場し、1曲目は「三番目の風」だった。

MCで何度か聞かれたのは「3期生が加入してちょうど8年経った」ということ。
あの年初めての神宮では3期が先陣を切って登場し「乃木坂の後輩」として授かったアンセム「三番目の風」を披露した。
そして8年経ったいま「三番目の風」をグループの先輩として披露したことは、「私たちも誰かの後輩なんだよ」とメッセージを贈っているような、心強く暖かい楽曲に育ったように感じる。

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ライブの最初から乃木坂らしからぬ異彩を放っていたのはその衣装。
5期生曲「17分間」のMVではまさにアイドル全開のフリフリ衣装で、まさに盲点を突かれ度肝を抜かれたものだが、そんなフリフリの衣装を全員が身に纏ってこのライブは幕を開けた。

ファンであれば「盲点を突かれた」という点をご理解いただけるかとは思うが、乃木坂は世間に露出するときは「優雅に」「スカートは長く」、その結果「清楚なアイドル」というパブリックイメージが定着してきた。

これはAKB48全盛の2012年においては相当に尖った試みであったし、初期こそ制服の丈が短かめであったことは確かだが、それでもAKBに比べれば地味さは否めず、やはりチャレンジングな道なき道を突き進んできたといえる。

3期の山下美月は「アイドルはもっと脚を出すイメージがあったけど、意外だった」と何かで言っていたし(卒コンだっただろうか?)、1期生の中田花奈は、自身がアイドル好きでもあることから「どうも様子がおかしい」と感じていたそうで、ついには運営に「いつになったらアイドルらしい衣装が着られるんですか?」というような質問をしに行ったそうである。

で、今回のフリフリ衣装は「プリンセス」で、ステージセットは「プリンセスのお城」だと言い切っており、次のブロックでは「プリンセスバトル」でカワイイを期別で競って白黒をつけるというものだった。

齋藤飛鳥がいたらちゃんと盛り上がっていただろうか?
山下美月がいたら3期が圧勝していただろうか?
そんなことが頭をよぎった。

勝負は「Threefold choice」でカワイイコメントを競って行われたが、DAY1は4期の勝利、DAY2は見なかったが5期が勝ったそうである。

バトルの実況はおなじみ高橋大輔さんであったが、高橋さんは9/3と4は京セラドームにおけるジャイアンツのホームゲームで場内アナウンスをしており神宮での生実況は不可能。
DAY2(9/3)私は野球を見ていたためDAY3は順番からして3期が勝つであろうことを察してしまった。(やはりDAY3は3期が勝った)

勝負の後はトロッコ駆け回る「Am I Loving?」で丸く収まった。

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次のブロックでは新しい乃木坂を存分に発揮してくれた。

とかく「乃木坂は歌えない」と言われてきた中で、これだけ歌えるメンバーが揃ってきたことに「新しい乃木坂」を確信することが出来た。

久保・林・奥田による「設定温度」、中村・伊藤・吉田・柴田・筒井による「あの日僕は咄嗟に嘘をついた」、井上・中西による「絶望の一秒前」

与田を中心とした「ごめんねずっと・・」では、数少なくなってきたオープニングメンバーとの繋がりという点で西野ー与田のラインは健在。終盤の「夏のFree&Easy」でもそれは見ることが出来た。

そういえば「ジコチュー」の飛鳥+与田は井上+与田にうまく受け継がれて楽しいと思う反面、飛鳥推しの亡霊としてはあのヘッドロックが恋しくもある。

そして、しんみりとした空気は突然弓木のMCで破られたw
奇しくも「絶望の一秒前」という楽曲の直後に到来した「一秒後の絶望」とも言えるほどの落差ではあったが、「梅さんを全員でギュー!しましょう!」とキャプテン梅澤を泣かしにかかる。
お見事です、弓木さん。

ところでDAY3の歌上手いメンバーのブロックに遠藤さくらがいなかったのは少し悔しい。
The First Takeで「きっかけ」の単独ソロ歌唱を成功させたのは良かったけれども、その後の2021年ツアーファイナルで披露した「きっかけ」のソロパートが少し悔いが残る内容だったことは否めない。(The First~は原曲よりキーが低かったというのもあるが)
この人に必要なのはあと少しの「自信」かもしれない。
そうすれば前田敦子やウォニョンに並ぶようなアイコンに、あるいは「乃木坂の大エース」の大輪を咲かすことが出来ると信じているし、その日を心の底から待ち望んでいる。
乃木坂に必要なのはさくちゃんの覚醒だ。

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次のブロックはメンバーが浴衣を着て乃木坂の夏ではおなじみの楽曲を続々と披露。

「あらかじめ語られるロマンス」はメンバーが1塁側の地上に降りてのパフォーマンスとなった。
私はちょうど目の前にいたため、カメラに映らないかを何となく気にしながらではあったが、「与田ちゃんが思ってた以上に小さい」ことを確認した。(配信で確認したら私は映り込んではいなかった)

3塁側では「ロマンティックいか焼き」、ステージ上では「君が扇いでくれた」を披露。

渡辺みり愛が残した名曲「君が扇いでくれた」で印象深いのは、2022年大阪での弓木さんのソロ歌唱。城ホールの入口には弓木さんが大フィーチャーされていましたね。

巨人ファンだったみり愛以来、メンバーにセリーグファンを公言する人がいなくて少し寂しい。

「ガルル」はついにこのたびセンター曲を授かった一ノ瀬が受け継いだ。
いいシャウトですね。センターもおめでとう。
ぶりっ子エースの新しい形を創造してください!

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それにしても、すっかり「何度目の青空か」をやらなくなってしまいましたね。だいぶ寂しいです。

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しかし乃木坂46、「夏のグループ」なんではないかと思うほどに夏曲が充実してきた。
終盤は最近の全ツ表題となった「おひとりさま天国」「好きというのはロックだぜ!」と次々に投下した上に「夏のFree&Easy」と夏曲のカードを切りまくる。

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「Actually…」という曲は記憶が確かならば途切れることなくずっと披露し続けている。
発表当初はあまりに乃木坂っぽくない曲調と、乃木坂の運営がよくやる新加入メンバーをセンターに据えるというサプライズが重なって、ファンの動揺があらぬ方向に向かってしまった。
それでも「Actually…」を披露し続けることで中西アルノを守ってきた、と私は感じている。

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最後の3曲はオーケストラをバックに「シンクロニシティ」「僕が手を叩く方へ」「誰かの肩」を披露。

白石麻衣の「シンクロニシティ」を受け継いだ梅澤美波が涙を流しながらのパフォーマンス。
梅さん、背負うものは大きいけれど弱い部分もちゃんと出せるようになりましたね。

「三番目の風」は「乃木坂の後輩」たる原点に立ち返る場所であり「私たちも不安でいっぱいだったけど、ひとかたまりになって手を取り合ってここまで来たんだよ」と後輩へエールを送る楽曲にまで育った。
一方、「僕が手を叩く方へ」は「暗闇の中でも君は一人じゃない、私たちが導いていくよ」と「乃木坂の先輩」として力強い存在感を示している。
3期がいれば大丈夫、3期がいるから大丈夫。そう思わせてくれる。

ラスト「誰かの肩」は「真夏の全国ツアー」の締めくくり方として新しい形を提示した。
夏曲全開で突っ走ったセットリストをしっとりとしたバラードで静かに締めくくる。

今年も神宮の花火がきれいだった。

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アンコールの最後に「Monopoly」を入れてきたのは凄かった。
嘉喜遥香と遠藤さくらという新しい乃木坂を担うダブルセンターが、最後までアクセルを開いてこの夏を駆け抜けた。
そればかりか、すでに次なるステージへ向かい走り出しているような疾走感さえ感じた。

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場内の明かりがともり規制退場のアナウンスが始まる中、ダブルアンコールが発生。
2年連続で全ツの座長を務めた井上和はホッとしたのか、大粒の涙を流しながら「チートデイ」をコール。

2024年の真夏の全国ツアーは閉幕した

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昨年の全ツ最終日、キャプテン梅澤美波が涙交じりに振り絞った「私たちが乃木坂46です」という言葉から1年。

オープニングメンバーを見送ってから2度目の夏は、確かな進化と自信を胸に、「来年は新しい仲間も加わると思います。楽しみにお待ちください!」と晴れやかに締めくくった。

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飛鳥推しの亡霊としては、齋藤飛鳥の面影、存在感、遺産がまだ感じられる年でもあった。

自らの心の動きもどのように変化するのか、楽しみでもあり不安でもある。

また来年も、願わくばここに戻ってきたい。

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