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日記#44 悩める病人の週末、木金土

2023/11/18

木曜日は前の日記に書いたように、ストーマ外来と内分泌科の診察があった。

ストーマ外来では当初考えていたように、キリスト先生から提示された今後の治療場所の選択について話そうと思ったら、Sさんの方から水を向けていただいた。流石、ベテラン看護師及びストーマの専門家として数多のがん患者に接してきただけのことあるね。

木曜日は前の日記に書いたように、ストーマ外来と内分泌科の診察があった。

ストーマ外来では当初考えていたように、キリスト先生から提示された今後の治療場所の選択について話そうと思ったら、Sさんの方から水を向けていただいた。流石、ベテラン看護師及びストーマの専門家として数多のがん患者に接してきただけのことあるね。

私がセカオピ病院で治療を受ける道について、先生が考えて示してくださった道だから悩んでいるとお伝えすると、別に先生ごめんって思う必要もないし自分にとっていい方に決めたらいいよって仰ってくださった。それとセカオピ病院まではその最寄駅からちょっと歩くんだけど、夏場はそれしんどいよねって仰った。そうか、今秋だけど、夏もあそこに通うと考えたら結構えぐい。それに一から人間関係作るのも大変やろ?って仰った。そういう具体的なところで指摘をいただいたのも有り難かった。

後は抗がん剤治療が続く以上ストーマ閉鎖の目処も立たないだろうし、それなら障害者手帳取得してお金もらうのもアリだよってことも教えていただいた。手帳もらえるのは永久ストーマの場合だけど、閉鎖まで一年以上時間かかるようならそういう措置をとる人もいるみたい。別に手帳取得したからといって永久ストーマになる必要もなく、まあ要するにがん治療もお金かかるしもらえるものはもらった方がいいやろ?みたいなお話。やはりSさんは知恵袋。

ストーマについてもいつも通りしっかり指導いただき無事ストーマ外来は終了した。

🏥

続く内分泌科の診察では、M先生からいつものように検査結果について丁寧で分かりやすい説明をしていただき、バセドウ病の方は落ち着いているので薬はこれまで通りという事、検査値も概ね問題ないけれど中性脂肪が高いので野菜とか魚とか食べるようにねって事をお伝えいただいた。

M先生にも自分が悩んでいることをお話してみたかったけれど、がんではなくバセドウ病を診ていただいているのだし、その立ち位置や関係性を考えるとぺらぺらお話するのは筋じゃないと思ったので、セカオピ病院での治療という選択肢をキリスト先生から提示されており、それを選んだ場合内分泌科での治療に影響があるかどうかをお尋ねするという遠回しなやり方を採った。

M先生はそうした場合、がん専門であるあちらの病院でバセドウ病を診ていただける可能性は低いということ、薬の処方くらいならしてもらえる可能性はあるけれど、ということを教えてくださった。でももしセカオピ病院で治療することになったら行く場所が増えて大変ですよねって仰った。

M先生もこんな風にいつもこちらのことに配慮してくださる。前に内分泌科の診察室前でお会いした他の患者さんもM先生のことをすごく褒めていらした。まだお若いながらすでに人望があって立派なお医者さん。今後さらに素晴らしいお医者さんとなっていかれるのであろう。

今糖尿病関連のキャンペーンがあるらしく、私は糖尿病ではないけれど良かったら見てみてくださいねってチラシを下さり、M先生の此度の診察は終了した。

🌝

以上で木曜日の病院スケジュールは終わり。その後はご飯食べたり病院の庭園で昼寝したり物思いに耽ったり近くをぶらぶらしたりして帰った。

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病院ホテルへの宿泊経験から自宅ベッドの異様な寝心地の悪さに我慢ならなくなり、金曜日は新たなマットレスを吟味するため無印良品に旅立った。

私が今使っているベッドは元々祖父が使っていたもので、自宅は母方祖父母と私の両親、妹、私が暮らすために造られた二世帯住宅だが現在は祖父母の住居だった建物を私が一人で使っている(祖父母は既に他界)。なのでそこにある家具もそのまま使っていたりするのだが、このベッドのマットレスが曲者で、何やら畳ベッドとかいう代物らしく、世代的に布団に慣れた祖父母のためにあえて選ばれた激硬マットレスなのである。普通に現代人の私には苦痛極まりなく、病を患う身として睡眠にダメージ受けるとか洒落にならないので、母に金を無心し新たなマットレスを手に入れ快適な眠りを獲得することを決意したのだった。



病院近くにある自宅最寄りの無印店舗へ向かい、展示されている見本のベッドにひたすら横になった。仰向けになったり、横向きになったり、うつ伏せの姿勢ではまず寝ないのでそれは省き、心ゆくまで無印マットレスの寝心地を試した。なんかもうどれに寝ても自宅のベッドより気持ちが良い。いっそこのままここでスヤスヤしたい。そんな素敵マットレスの中で私が最も気に入ったのは、かたさがやわらかめの「体にフィットするマットレス 超高密度ポケットコイル」。

後ほどネットショップで注文することにして、ヘルプマーク入れとくケースとか掃除シートとかおやつとか買って病院へ。コンビニでウィッグの代金支払ったり庭園やラウンジで寛いだあとスタバ寄って帰った。

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土曜日は病院のがん相談支援センターへ行くことにした。木曜日にSさんが仰っていた障害者手帳の件で質問をするためだ。

がん相談支援センターへ赴くのはこれで三度目。初回と二度目は窓口で渡された書類にこちらの名前やID、相談事項の種類などを記入したが、今回は初めてではないと窓口の係の人に告げたら担当者が誰かを尋ねられ、Oさんのお名前を伝えたら少し待った後Oさんがいらっしゃった。もうここでの担当はOさんに固定される感じなのかな?

今回はOさんは後の予定が詰まっていてあまり時間がとれないということだったけれど、相談内容はシンプルだし時間もかからないだろうと思ったのでそれでも構わないとお伝えした。

Oさんと相談室に着席して、セカンドオピニオンを受けた後の経緯をざっくり説明した後、ストーマ外来で看護師さんから障害者手帳の取得について打診されたということをお伝えし、取得方法やそのようにした場合のメリットデメリット、また私が取得することに問題はないのかどうかを質問した。

説明の前にOさんはまず資料を取りに行かれ、それから手帳の取得場所とその方法を教えていただいた。市役所の障害支援課。取得にあたっては医師の診断書が必要であり、それは婦人科の先生ではなく消化管外科の先生にお願いすることである。つまりユニーク先生に頼むってことだね。

メリットについては装具代のお金っていうのがほぼほぼそれ。他にも税金がちょっと安くなるとかタクシーチケットがもらえるとかの細かい特典はあるけど微々たるもので、やはり基本装具代のお金がメリットとなるそうだ。デメリットに関しては、まあ障害者に対する偏見とか差別とかいったことがあるにはあるけど、ストーマの場合はそういったこともないだろうから、要するにデメリットはないというお答えだった。

疑問点が無事解消した後、Oさんから今後の治療に関して何か思うところがあるかどうか尋ねられた。まあ抗がん剤治療はこれまでも経験して大変だったし、これからも大変なんだろうなって思ってることをお伝えした。そして、キリスト先生が懸念しておられる治療がうまくいかなかったりした時の精神的ダメージのことも心配ではあるけれど、実際どうなるかはその時にならない限り分からないから今どうこうっていうのはないですよねってことを申し上げた。

これまでのOさんへの相談でも、未来のことは分からないし、今を一つ一つこなしていくしかないっていう結論だった。今回もそのように申し上げた私に対し、やはりOさんは同じことを繰り返し仰った。そう、結局その時点での現在を一つ一つ進んでいくしかないのだ。笑えるくらい大変な選択が続いているけれど、それでも先に進むしかない。それが、がん治療ってことなんだよねきっと。

私は頑張るよ、先生と一緒に。


相談を終えた後、庭園で家から持ってきたご飯を食べようとしたけれどあまりにも風が強く寒すぎたのでラウンジに退避してそこで昼食にした。口惜しや。少し休憩した後、電車からいつも見えている神社へ足を運んでみることにした。


                    ⛩️⛩️⛩️


神社は病院から10分ほどのところにある。そこだけ木が鬱蒼と茂っているから遠くからでも異彩を放っている。実際に近くで見る神社はなんだかジブリ感溢れる場所だった。


緑あふれる中にある鳥居をくぐると階段。割に傾斜があって長い。少し息が上がる。病人にはややハード。階段を上り切るとやっと境内。やはりジブリ感がすごい。緑が溢れていて明るく落ち着く雰囲気。

不思議な碑があったけど、特に説明なし。謎に包まれたまま後にする。


柄杓のところで手をお清めしていざ参拝。奮発して50円。祈りたいことを時間をかけてみっちりお祈り。どんな神様が祀られてるのかは知らない。加護をいただけるのであればお願いしますね、くらいのスタンス。何もなくてもいい。自分がこれからどうしていきたいかは分かっているから。賽銭を入れる時に建物の中が見えたけど、なんか太鼓があったりするだけで人は誰もいなかった。この中で何かすることもあるのかな。

なにやら神秘的なスポット。召喚の儀式とか行われてそう。


自宅の近くにも神社はあるけど、そこは雰囲気とかあまり気に入っていない。ここの神社はジブリ感すごいし、実際何回もジブリやん…って呟きながら見て回ったし、周囲の街並みなんかもジブリだったしなんか気に入ったのでまた来ようと思う。

その後はダイソーでランチョンマットとかウィッグのせる発泡スチロール製のマネキンとか買って、スタバで休憩して晩御飯の買い物して帰ってご飯食べてアイロンがけして今に至る。





明日は日曜。万年無職のがん患者である私にはあまり関係ないけれど、それでも日曜日には日曜日の雰囲気があってそれを私も享受していたりする。これからまた抗がん剤治療が始まるし、そうなればまた体もきつくなる。時間も取られる。だから今がそれまでの最後の自由時間だ。今やれること、やりたい事はなるべくやっておこう。どうなるにせよ、キリスト先生が主治医なら私は後悔しないよ。そんな風に思える先生に出会えた幸運を、私はとても幸せに思っている。

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またしても長くなった。なにしろ3日分の話だし、それも色々あったり思ったりする中の3日だしね。まあ話が混みいったり長くなったりしがちなのも私の持ち味って感じでポジティブに捉えてくれたら有り難いかな。

ともかくこの日記はここで終了。読んでくれたあなた、ありがとう。お疲れ様。またよければいつでも読みにきてください。

それではまた別の日記で。

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