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春の陽気とフェイクファー

今日は3月とは思えないくらい暖かい日だった。
むしろ暑いくらいだった。
特に予定はなかったが、ちょっと出かけようと思ってドライブ。家を出る前に些細なことで家族と喧嘩してしまい、気分は良くなかった。とにかく1人になって、頭をスッキリさせよう。
普段行かない街に到着して、手持ち無沙汰に散歩。歩いてる時の静かな時間も好きだが、好きな音楽を聴きながら歩くと気持ちも弾む。
今日はスピッツの気分〜とスピッツでシャッフル。最初にかかったフェイクファーが、妙に心地よくてフェイクファーばかりリピートしてしまった。

スピッツの歌詞は、聴く人に解釈を委ねているそうな。私の中でフェイクファーは何となく冬のイメージだった。字面から、ファーと聞くとコートについてるふわふわ、もふもふのイメージが強くて。でも、歩いてると今日みたいに小春日和の暖かな昼下がりにも合うなあと感じた。
冒頭の歌詞の「やわらかな心を持った はじめて君と出会った」は歌詞に「出会う」と出てくるから、桜のシーズンを想像。
やわらかな心ってどんなんやろ…。スフレパンケーキとかの、ふわっふわっな生地を想像してしまった。(何でも食べ物に置き換えてしまう悪い癖)
「分かち合う物は 何もないけど 恋のよろこびに溢れてる」
「偽りの海に身体委ねて恋のよろこびにあふれてる」
初恋の時の、好きな人を目の当たりにして、気分が高揚してる時の夢現な感じを彷彿とさせる。まどろんだ感じがクセになるよなあ。
「今から箱の外へ二人は箱の外へ未来と別の世界
見つけた そんな気がした」
「未来と別の世界」…SFっぽいな。パラレルワールド?勝手に『時をかける少女』とか、『まぼろしのペンフレンド』とか、タイムワープものを想像した。「そんな気がした」って、不確実で切ない。ちょっと尻すぼみに終わるところも好き。
スピッツの歌詞で小説できてしまうよな。情景が思い浮かぶ歌詞よ。

普段は「アルバムの一曲」とか、シャッフルの中で流して聴いているような曲も、ふとしたタイミングではっきりとした輪郭を持って、一音一音、一語一語が琴線に触れる瞬間がある。
フェイクファーはアルバム全体も好きだが、今日はいつも以上にフェイクファーが鮮やかに聴こえた。
私のiPodには、1998年当時のアルバム『フェイクファー』、2014年の『THE GREAT JAMBOREE 2014“FESTIVARENA”日本武道館』、2020年の『猫ちぐらの夕べ』の音源が入っている。
それぞれに収録されている、フェイクファーを聴き比べるのもまた楽しい。その時代ごとの草野さんの声の変化を感じられるのも乙。
1998年は、青い、中性的な、アンニュイなイメージ。2014年は少しハスキーがかっていて、薄紫っぽい。(この時のライブ映像の照明が赤系だったのと、草野さんの衣装が白地に水玉模様のシャツを着ていて何となくそのイメージ)
2020年は、ハスキーさは変わらないけど、より渋みが増して落ち着きがあって耳心地が良い。ネイビーっぽい。
…そんなことを、歩きながらぼんやりと考えていた。好きなことを考えている時間って至福。
家を出た瞬間のイライラもモヤモヤも消化された。

こうやってぽちぽちとスピッツ愛を垂れ流してたら、テレビから『春の歌』が。意図せず聴こえてくるスピッツも嬉しい。やっほい。
早くアルバム届かんかなあ。まずはあと1ヶ月待てばシングルが届くー。

今日も心穏やかにスピッツを聴ける、スピッツを待ち遠しく思える日常に感謝。謝謝!














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