見えない夜の月の代わりに引っ張ってきた青い君

サカナクション『ルーキー』の歌詞には載ってないけど、コーラスとして出てくる歌詞です。このフレーズをちょっと考えていこうと思います。個人的解釈が過ぎると思うので、それぞれの考えを大事にしてください。
サカナクションの楽曲でよく出てくる『月』。
『月』とは徐々に満ちていくことから、成長や発展の意味があると言われてるらしいです。この成長や発展とは、ポジティブな意味だけでなく、後退していく成長、発展という意味も含まれていると思います。月が徐々に欠けていくように。満ちては欠けていく、進んでは戻っていく、人間の人生のような存在です。

フレーズを分けて考えてみます。

見えない夜の月』=行くあてもない暗い人生を照らす光
月の代わりに』=そんな希望の光はどこにもない
引っ張ってきた青い君』=歌詞中に出てくる悲しみと同じ歩幅で歩いていた"かつての自分"を思い出すこと。
と言った所ですかね。隠喩のような、示唆的と言った方がいいのか。幾らでも奥が深そうです。


とりあえず、まとめてみると
行くあてもない暗い人生を照らす光は何処にも無いけど、悲しみと同じ歩幅で歩いていた"かつての自分"を思い出して進んでいけば、必ず道は開けるだろう
という感じです。こういう歌詞、普通にありそうですよね。若手邦ロックバンドが歌ってそうな。でも山口一郎のライティングはまるで詩人然とした歌詞を書いてみせた。すごい、、


いつだって人間は一瞬一瞬を生きる新人、"ルーキー"だということでタイトルを伏線回収しているのかなと思いました。
この歌詞に載ってないフレーズ、載ってないからこそ抽象的な意味が活きるのではないかとも思いました。

あと、イントロの高低差のあるサウンドと上下する照明は、人間の感情や人生の起伏を表現しているような気がします。これはなんとなくです。

『ルーキー』というタイトル、歌詞にはまったく結びつかないな〜とずっと思ってたんです。だけど、実はこのフレーズが歌詞のメインで、本歌詞はアナザーストーリー。かなり意図的な匂いがしますし、山口一郎という男なら幾らでも考えてそうだなと思います。
それにしても山口一郎の言語感覚、詩的表現、諸々が美しすぎるなぁ。


なんとなく解釈を進めて行ったんですけど、個人的にはスッキリしたので良いかなって思います。この解釈、既に記述であれば申し訳ないです。

『SAKANAQARIUM 光 ONLINE』、自分は観るの3回目でしたけど最高でしたね。田中裕介×サカナクションの相性バッチグーすぎて。またライブ行きたいです。色々感想書くと長くなりそうなのでこの辺で。

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