フィギュアスケート韓国のすてき衣装屋さん特集その2〜岩野桃亜、チ・ソヨンほか〜
前回の続きです。
この記事は2019年11月くらいに書いていたので、その頃の感想です。
前回:
3.「손정남 Son Jungnam」 キム・キュウン選手のママ
日本の岩野桃亜選手の衣装を作っているのは、なんと韓国選手のママ『손정남』さん。
いつもセンス抜群の岩野さんの衣装は、韓国メイドだったんですね〜。
日韓両方にルーツを持つ岩野さんならでは。
しかも『손정남』さんは、衣装屋さんが本業でなくて、娘さんが平昌五輪でペアの韓国代表だったキム・キュウン選手なんです。
キュウン選手は最近までシングルだったので、ロンバルディアやアジアントロフィーで個性的な衣装着ていたのでよく覚えています。それも全部ママメイドだったとか。
ママすごすぎぃぃぃ〜〜!!
今季はジュニア三銃士と言われていた、チ・ソヨンのFSも手がけています。
学校ではテキスタイル専攻だったので裁縫は独学だそうですが、ビジュー使いはもとより、色々な素材・生地を組み合わせるセンスが素晴らしくて、こういったところにテキスタイル専攻が生かされていそう。
紫の「アストゥリアス」をはじめ、岩野さんが着ていた衣装は娘さんのお下がりが多いみたい。
2年前のFS「リトルプリンセス」の衣装は、ユリア・リプニツカヤの写真を岩野さんから渡されたそう。ノービスやジュニアの子は憧れの選手の衣装と同じに作ってください、とよく言ってくるそうです。
わたし、この「アストゥリアス」衣装が大好きだったのですが、まさかお下がり衣装だったとは…!色合いも黒のレースもプログラムにぴったりじゃないですか?
じゃあ元の娘さんのプログラムは何だったの?て思った方はYouTubeを「김규은」「 Kyu Eun KIM」で検索すると調べられます。
これまでは娘さんを中心に作っていたようですが、今シーズンから韓国選手たちへの衣装を本格的にはじめたそうです。今後ステキな衣装がますます増えそうで楽しみ。
손정남 Jungnam
おまけ:
岩野桃亜さんは昨季SP「アストゥリアス」の衣装を途中で変更しています。「Heart Ó」という海外?の衣装屋さんみたい。日本語できるけど。
そして今季のFS「愛のイェントル」も新衣装を作っていた様子。すんごい個性的!
JGPSで着ていた「愛のイェントル」はキュウン選手の新プロ用に作ったものだったそうなので、新しい衣装作ってたのかな?
※追記
私が岩野桃亜さんで一番好きな衣装は「水の戯れ」なのですが、これはJungnamさんは紹介していませんでした。今度発売のフィギュアスケートlifeの衣装特集本に、岩野さんのインタビューが掲載されるそうなので、それで明らかになるのを期待。
4.「Yun-kwan design 」韓国で最も老舗
「윤관디자인」というキム・ユングァンさんのお店。
キムヨナ登場以前の韓国ではフィギュアスケートの衣装を作っているところなんて、この衣装屋さんを除いてほぼ無かったそう。
だからカナダで衣装を作るようになる以前のヨナの衣装はここのものなんだとか。
そして他に店が無かったから、このヨナ以前の年代の韓国スケーターたちはほぼ一度はユングァンさんの衣装を経ているという。
2009年の記事ではそれまでに通算1000着くらい作って、従業員も10人に増え作業部屋も2つになったと語っていた。すごい。市場独占している。
ヨナとは小学3年生の頃に出会って、カナダに拠点を移すまでの10年間で20数着の衣装を手がけたそう。
そしてカナダに移ってからも2008-2009シーズンの「死の舞踏」や「シェヘラザード」のデザインを依頼されたそうです(結局はカナダのJosiane Lamond『Elite Xpression』の案が採用されたけど)。
現在はあまりトップ選手の衣装作っていないけれど、かつてはソヨンやダビンなどの衣装も作っていた模様。
yk_costumedesign
5.「슈퍼스타 스포츠 의상제작소 Super Star sports」
チ・ソヨンのSP「死の舞踏」の衣装を作ったのは『슈퍼스타 스포츠 의상제작소 Super Star Sports衣装製作所』。
この衣装、なんでも大会3日前にデザイン変更があって、デザイナーさんは徹夜して3日で作ったそう。(おそらくファンの)ベストコスチュームに選ばれたとかで喜んでいるみたい。
ちょっとヨナの死の舞踏衣装のオマージュ入ってる感じします。
韓国は新体操の衣装を作っているところが、スケート衣装も作るのが多いですね。
そういうところは総じてスカート位置が高い傾向です。
6.海外に頼む韓国選手たち
ウンスはここ2シーズン連続でSP・FSをカリフォルニアの『Lisa McKinnon』に頼んでいます。
ほんとにLisaのドレスが似合っていますね〜。
これまでLisaの衣装はビジュー盛り盛りに負けない強い女性スケーターの衣装なイメージでしたが、ウンスに似合うこんな繊細なものも作れたのか〜と感動しました。
ウンスが韓国の衣装屋さんだったジュニア時代、かなり好きな衣装の数々だったのですが、これはどこ製かわからず…。謎の衣装屋さんの場合はその1で紹介したアンギュミさんではないかと想像してしまいます。
ダビンはとても多くの衣装屋さんを使っていて、国内では『edgeplus』や『Yun-kwan design』、海外では『Ladu』『Lisa McKinnon』など。韓国でも一番の衣装持ちではないか?というほど1シーズンに何回も変えますし、頼んでいる衣装屋さんも国内海外問わず様々です。
一度カリフォルニアから届くはずの新作衣装が、韓国ではなく中国に行ってしまったトラブルがありました。海を隔てた発注てこんなリスクもあるんですねえ。
このほか、韓国の選手はEtsyなどのオンラインで海外から買う子も結構いる印象。
まとめ
韓国のすてきな衣装屋さんの数々、ここで紹介した他にも何軒かありますが、今回はGPSやJGPSに出ている選手の衣装屋さん中心にしてみました。
「韓国女子の衣装に外れなし」と、ひとくくりに思ってしまいますが、実際は色々なデザイナーさんの個性が出てますね。
日本選手だと衣装屋さんは伊藤さんきっかけに注目されているので、伊藤さんの衣装だ、折原さんの衣装だ、チャコットだ、とか予想してしまう人も多いと思いますが、韓国の衣装屋さんも詳しくなると、これはedgeplusさんだ、ahn geu miさんだ、いや北米だ、とか衣装屋予想が楽しくなります。
今回ISUのアワードに韓国の衣装屋さんがノミネートされてなくて残念でした。
実は私が衣装を誰が作っているか調べるのに嵌ったきっかけがキム・ヨナだったので(あとステファニー・ハンドラー)、韓国の衣装屋さんの紹介記事やっと書けた〜という気持ちでいっぱいです。
いまジュニア含めて韓国女子選手が強く、比例してか、衣装も綺羅星のごとく素敵なものが沢山生まれています。きっと来シーズンも素晴らしい衣装が見れるでしょう。今から楽しみです。
過去にあったファッション誌での韓国女子選手特集
全部の写真を見たい方は↓のリンクへ
Harper's BAZAAR(ウンス、イェリム、パク・ソヨン、ソヒョン)
ELLE(イ・ヘイン、ウィ・ソヨン、パク・ヨンジョン)
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