ロシア人が選んだ好きなフィギュアスケート衣装ベスト○○(MatchTV編) その1
「MatchTV」というロシアのテレビ局がありまして、そこのフィギュアスケートSNSがとても面白いんです。
昔のプログラムから最近の選手まで全カテゴリを満遍なく紹介してくれて、クイズをしたり、作曲家別のプログラムを特集したり、さすがロシアさんはフィギュアスケートへの歴史と愛が違いますな〜〜〜!といつも感心していました。
そんなMatchTVさんが「好きなスケート衣装」を募集
3日前くらいに
「衣装のためにスケートを見ちゃうことあるよね!好きな衣装をコメントに書いてね!(適当訳)」
と募集。
結果、instagramとVKで合わせてコメントが200件くらい集まりました。
一人で何個も好きな衣装をあげる人もいて、MatchTVさんはこつこつと集計作業をしたようです。大変w
で、集計結果が↓こちら。
「コメントが多かった衣装」を10ページ分掲載したみたい(選手によっては複数衣装)。
兼ねてから「ロシア人の好みって日本人とちょっと違うよな〜」と思っていたので、この投票結果は本当に興味深い!
せっかくなんで、ひとつひとつ衣装デザイナーさんも紹介して行きます。
1.メドベデワ
メドちゃんはいつも素敵な衣装だけど、この4つがロシア人に人気あるんですね!
平昌五輪で着たボルドーの「アンナカレーニナ」と、グレーピンクの「
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」が入っていないのは意外です。
コメントを見ていると「SAYURI」の人気がものすごくて、
”伊藤聡美は天才!花は青に溶け込み、帯の赤はエレガント”
”傑作!私が見たフィギュアスケートの衣装の中で最も美しい”
"ジェーニャの着物は芸術作品"
と褒められまくり。
正確な順位は出ていませんが、投票数1位だと思います。
残りの3着はおなじみ『Olga Ryabenko』さんの作品。
「アンナカレーニナ」のなかの3着では2番目に着た黒ver.がロシア人に一番人気。
素敵だったけど、この黒ver.をやめた理由が、WOWOWのメドベちゃん密着番組で語られてました。
(五輪シーズンで怪我に苦しんでいた時エテリから)
"ジェーニャ新しい衣装でも作る?ボルドーの衣装を作りましょう?黒い衣装は美しかったんだけど、怪我のイメージがつきまとうから見たくない”
なんて理由なんですね!
WOWOWの番組はこの後に、衣装デザイナーRyabenkoさんへの密着シーンがあり、”ジェーニャの元気が出るように”ってボルドーの衣装を作っていくんですねえ。
そして五輪フリーとして作ったけれど変えてしまった「January Star」の衣装が好き!美しい!と言っている人が多いのも意外。日本であまり聞いたことなかった。
やばい!文字数が多くなっているので、さくさく行きます。
2.ザギトワ
ザギトワの人気衣装4点、納得のランクイン。
というかシニア時代が3年と短い中で、4着もランクインですから。
コメントでも"アリーナの衣装は全部好き"って多かったです。
全て「Olga Ryabenko」さんの作品。
中でも赤いチュチュが圧倒的人気。たぶん全体2位。
このチュチュ衣装、元々はメドベデワからのお下がりだったのが有名ですが、その衣装は「vip skate」が作っていました。
プログラム継続二年目の平昌五輪シーズン、Ryabenkoさんが一から作り直す時に"黒と赤の衣装に変えようか?"とエテリに聞いたら(キトリですからね)、エテリは"そのままで"と指示したそう。
それが本当に大正解!赤いチュチュの少女は伝説になりました。さすがエテリ様。
平昌五輪のあと、ロシアではちびっこ達からチュチュの注文が殺到し大変だったそう。このチュチュの長さも絶妙で、何回もリンクで試して切って調整したんだとか。
3.ヴォロソジャール&トランコフ
ソチ五輪シーズンのSP「仮面舞踏会」。
これはもう嫌いな人なんかいます〜〜???ってレベルの圧倒的大正義衣装。やっぱりロシア人にも人気なんですね!
最近アリエフとラズーキンが同じシーズンに「仮面舞踏会」を滑っていましたが、衣装屋さんへの発注の時に”トランコフの軍服と被らないように!”ってお願いしてたそうですよ。
それだけ皆んなの頭に残ってるってことですね。
作ったのは『モロゾフの衣装屋』で有名なエレーナ・ダニロワとダリア・ダニロワ親子(リード家のブログにはエレーナとダーシャとしてよく出てきた)
↑エレーナさんの個人アカウント
2年前からアトリエのinstagram「Forio Moscow」を開設して、誰が作っていたのか謎だった過去の作品なんかも掲載されるようになりました。
このモロゾフの衣装屋さんて、説明するのが大変難しい。
タチアナ・タラソワとニコライ・モロゾフ門下の衣装をずっと作っていた方なんですが、デザインした人と縫っている人が別の人なんです。
1990年代後半から2010年くらいまでデザインしていたのが芸術家の『Natella Abdulaeva』さん、それを縫っていたのがボリショイバレエの衣装出身のこちらの『エレーナ・ダニロワ』さん。
また複雑にするのが、その後ご自身でデザインしたり、また別の有名デザイナーの衣装を縫ったりと、まあ作品によってデザイナーとモデリストが別なんですねえ。
数々の金メダリストの衣装を作っていたことで知られ、ヤグディンの自伝「overcome」に写真が載っているのもこの方。
2010年以降はニーナ・モーザ門下の衣装で知られています。
2年前、エレーナさんは癌を患われてクラウド・ファンディングで治療費を募って(ヴォロトラ、安藤美姫、ビチェンコなど多くのスケーターが寄付していました)、現在は娘さんにアトリエを引き継いで引退された模様。
名だたる作品の数々は、最近新しく作られたお店のWeb siteの作品集に載っています。インスタよりいっぱい載ってる!
一部抜粋。
圧巻の作品群の全てはこちらで是非!→http://forinomoscow.ru/galereya/
美姫ちゃんの「ミッション」やっぱりエレーナさんだったんだ!
イリカツの何かが見えちゃいそうなエ・ロ・ルンバSD衣装もこちらで作っていたんですと!!???
1500字に抑えるつもりが、2500字になってしまった……!
あ、そうそうタイトルを「ベスト○○」ってしてますけど26着です。たぶん。
続きはその2へ。
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