スケート雑誌「フィギュアスケートLife」が『ファンが好きな衣装ランキング(仮)』投票受付中!!・・・だから自分の好きな衣装を考えてみた
「FS Life extra 華麗なるスケート衣装の世界」第2弾が発売予定らしい
(この記事を書いていたのは正月休みのころです)
みなさん昨年2020年3月に発売された『FS Life extra 華麗なるスケート衣装の世界』はお買い上げになりましたか?
一冊まるまるスケート衣装に全振りしたという、衣装好きには夢のような本!もちろん私は発売日に買いました。
どのインタビューも面白くて感想もたくさん書きたかったんですが、丁度コロナが大変な時でnoteを書いている余裕もなく…涙。
そんな衣装本の第2弾で「ファンが好きな衣装ランキング(仮)」の投票企画をやると!
前回「ロシア人が選んだ好きなフィギュアスケート衣装ベスト〇〇」という記事を書いたときに、「日本だったらどんなランキングになるのかな?」と気になっていましたが、そんな私にタイムリーな企画ではないですか!
これは全力で答えるしかない!!
募集要項:投票の締め切りは1/31まで
メールで女子シングル、男子シングル、アイスダンス、ペアの一番好きな衣装とその理由を「fs_life@fusosha.co.jp」までに送るようにと。
(スケーター名・プログラム名の他に色・形の特徴、大会名なんかも書いてくれるとなお良いそうです)
※投票は一人1回まで。
というわけで外出自粛のなか、うんうん考えて各カテゴリで一番好きな衣装考えてみました。
これがシーズンの縛りなく複数じゃなくて一つに絞らないといけないのが難しい。
悩みに悩んだすえ、自分はこれが好きだー!という一つを選びました。
女子シングル部門
キム・ヨナ 2006-2007 FS「あげひばり」
これがマイ女子シングルベスト衣装でした〜。
私は好きなスケーターの話は「スケ速」というブログをやっていた手前したことはありませんが、好きな衣装屋はフランスの「Astraee Coture」と公言しています。
そして衣装屋チェックに嵌ったきっかけはキムヨナの衣装と、アメリカの「ステファニー・ハンドラー」さんの衣装が知りたくてっていうのも何回かしたことあると思います。
だから基本的にキムヨナの衣装めっちゃ好きなんです。
特にこの衣装は16歳という年齢だからもつピュアさ、危うさ、たおやかさがそのままドストレートに出ているところがとても好き。
正面はシンプルに見えますが、バックが凝っていて後ろのスカートは鳥の尾羽のように透けたチュールが出てアクセントになっています。ここが演技中ひらひらと舞うことで鳥が空で遊んでいるように見えるんですね。
髪につけたシンプルなリボンすら飾らない純粋性を強調しているよう。
ストラップのビーディングも美しい。
このシンプルさが生きるのも基本のドレスの仕立てがとってもいいから。
すばらしい肉をよい塩、胡椒、ワサビだけで食べる『うかい亭』のステーキのようです。
余計な足し算をしないけど技術の高さで素材が引き立つ。
ただそこにある選手とプログラムが美しく引き立つドレス。
未熟さも可能性も全部そのまま美味しくいただけます。
この衣装デザイナーはカナダの「Denis Pizzacalla」と言われています。
オペラやセリーヌ・ディオンの舞台衣装なんかで有名な方ですが、ハビエル、カート・ブラウニング、ジェフリー・バトルの仕立ての良い衣装を作っています。
女子だとスリップドレスが美しくて、テサモエがバンクーバー五輪で金メダルを獲ったFD「マーラー交響曲第5番 アダージェット」で着ていた白いドレスも彼の作品。
あげひばりのドレスに通じるものがありますね。
男子シングル部門
羽生結弦 2016-2018EX「Notte Stellata (The Swan)
このEXの初披露は2016のスケカナEXだったと思います。
すごく衝撃的でした。
ざっくり開いた衣装のバックに度肝を抜かれ、披露されたプログラムの美しさに感動し、競技者ではなくアーティスト羽生結弦になってしまったと思ったものです。
男性版の白鳥といえば真っ先にマシュー・ボーンが思い浮かびますが、男性的な肉体美で魅せるマシュー・ボーンに対して羽生くんの白鳥はユニセックスというか、衣装はフェミニンなのにプログラムは全くフェミニンさを感じなくて性を超越した存在、一羽の白鳥に姿を変えた男神か天使が氷上で戯れているイメージ。
特に「このプログラムのここがあるから、この衣装の背中がこんなに開いているんだ」と説得力を持つくらい好きなのが、↑終盤の白鳥のポーズでバックに滑っていくところで「そこから羽が生えるために背中が開いてる」と思わせるほど美しい場面。
手や腰についてる羽もすごく効果的で、EXの暗闇にひらひらとよく映えます。
デザイナーはおなじみの「伊藤聡美」さん。
背中が美しいから…とがばっと開ける提案をしたのも伊藤さんだそうで、いやはや感服しました。
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女子と男子の衣装考えてて思ったけど、私はたんに鳥プロが好きなだけかもしれない(笑)
あと想像の余白を感じる衣装がすきなのかも。
アイスダンス部門
マリナ・アニシナ&グヴェンダル・ペーゼラ
ソルトレイク五輪OD「フラメンコ」
もう格好良過ぎ。
これ見てアイスダンスに嵌らない人がいるだろうか。いやいない。
フラメンコのエナジーを氷上に持ってきた作品。
本物のフラメンコのようにスカートをばっさばさする振付が随所にあるので、この衣装じゃないと成り立たないんですよ。このプログラム。それが好きな衣装ナンバーワンに選んだ理由です。
踏んづけそうなほど長いスカートをばっさばっさ翻すアニシナに心を奪われ、ペーゼラの撫で付けた髪、ヒゲ、お揃いの花の意匠、胡散臭さに心奪われ……もう言うことありません。
髪飾りもコーム状の「ペイネタ」を付けて競技プロ滑っているのはアニシナくらいしか記憶がありません。そこがまた格好いい。
このODはアントニオ・ナハロさんが初めてスケートのために振付たことで有名ですが、衣装もマドリードでナハロさんのデザイナーをしている「José Arroyo」さんが作っています(facebookには製作過程やデザイン画も)※参考記事
さすが本場スペインの衣装!
「José Arroyo」さんはとても印象的だったウルタド&ディアスの2014-2015 SD「パソドブレ」や、ランビエールの衣装も手がけているんですね。
ウルディアのSDはアニペーの「フラメンコ」と同じ振付師と衣装デザイナーで、後半が「フラメンコ」パートなので、スカートを掴んで振り回すさまを見比べると楽しいです(動画)。
サラちゃんのスカートが面白くて、前半のリフトやパソドブレパートは邪魔な部分を腰に巻きつけている『巻きスカート』状態なんですけれど、後半のフラメンコパートから巻きをほどいてばっさばささせるんです。
EXだとキュロットにもなる万能魔法のスカート。
本場スペインのばっさばっさスカート大好きだー!
ペア部門
川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ
2010-2012 2016 FS「月の光」
この衣装ほんと〜〜うに大好きで、再演も含めると計3シーズンくらい滑っていて、髪型やスミルノフの衣装違いなんかで何パターンかあるのですが、一番好きな組み合わせは↓の、「ゆうこちゃん髪下ろし&スミルノフがシャツじゃない」パターンです。
この絶妙なブルーの色合いが、静かな青い月夜を思わせて、ピアノの調べと本当にマッチしていました。
ペアでは珍しいゆうこちゃんの少し長めのスカートも、キラキラとした腕輪もまるで月の女神みたいで全部好き。
そしてスミルノフのパンツが黒じゃなくて青なところも、世界観を崩さなくって素晴らしいんです。
川スミの衣装デザイナーは時代によって3人いたそうですが、この衣装はたぶん2人目のマーシャさんなのかな?
うーんマーシャさんのフルネームが知りたいですぞゆうこちゃん!
まとめ
こうやって考えてみると、私は想像の余白が残るようなシンプルな衣装が好きなのかな〜と。
部門別で好きな衣装を5個あげろとなったら、装飾が沢山ついた衣装も沢山ピックアップすると思うんですが、どれか1つを選ぶとなったら結局シンプルなのを選んでしまうみたい。
自分としては意外な発見でした。
いや〜ランキング結果どうなるんでしょうね?
今から楽しみ!
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