限界独身オタク男性がウクライナからベーストラップを個人輸入した話
・格安ベーストラップを購入した話
・ウクライナから個人輸入した話
・音の変化について(聴感レポだよ)
・検討してる人向けの注意点
買ったぜ、ベーストラップ
買ったのはこれの150mmモデルです。色はNut。数は4つ。
発泡ゴムに薄いMDFをペタっと貼り付けたタイプのベーストラップです。お値段なんと22ドル!もっとも、送料が乗るので1つ当たり約38ドルですが。日本円で大体4200円くらいです。なんちゃらスティックのスーパーでエクストリームな奴と比べると7分の1くらいのお値段です。もっとも、作りの良さが違いますし、吸音方式も違うので比べちゃいけませんが……。
ベーストラップって何?
低域の吸音特性を重視した吸音材です。吸音材って何?という人は申し訳ないですがググってください。
GCボードみたいな普通の吸音材は中高域の吸音をメインとしています。低域はどうしても吸音が難しく、低域を十分吸い取れる吸音材を探すと、どうしても大きくなるか高くなるかしてしまいます。
いろんなところから出ていますが、YAMAHAのACP-2や、VicousticのSuper Bass Extreme(結局名前を出すんかい)辺りが有名でしょうか?これらは60~80Hzくらいまで吸音できるみたいです。
他にも部屋の隅に設置するスポンジタイプのベーストラップがありますが、これはどうも200Hz辺りまでしか吸音できないみたいです。
ちなみに周波数のソースは無いです。誰かから聞いた話のうろ覚えです。YAMAHAのACP-2はサイトに記載がありますが、周波数の記載だけでどれだけ吸音出来るかは書いてありません。VicousticのSBEは代理店の方には特に記載無いですね。本家サイトかどこかで吸音特性のグラフが見られた気がしますので気になる人は探してみてください。
何でベーストラップを買ったの?
部屋の音響特性を改善したかったからです。酷かった今の部屋の音響特性をどうにかしようとホワイトキューオンという吸音材を少量ですが導入した結果、中高域はそれなりの改善が見られたのですが、上でも書いた通りこれでは低域の吸音が難しいため、低域が改善されなかったままだったのです。
何でこれを買ったの?
吸音特性のグラフがちゃんと存在していて、かつ安かったからです。それだけです。上でもちょっと書きましたが、日本で買えるベーストラップは一応色々あるのですが、どれも高い上に吸音特性を公開してるものがほぼありません(僕が調査不足なだけの可能性も十分あります)。
Aliexpress辺りで検索すると安いベーストラップは沢山出てきますが、これらも特性グラフは公開してません。
そういった事情も有り、ベーストラップを買うならお金を貯めてYAMAHAのACP-2を追加で買うか(既に1枚持ってる)VicousticのSBEを買うかだなあと思っていたのですが、ある日Twitterをしていたら以下のツイートが流れてきました。
これで存在を知るととも興味を持ち調べてみた結果、「グラフをどこまで信じていいか分からないけど、それでもそこら辺の安い奴を買うよりは良さそう」ということで購入に至りました。発泡ゴムのため、スポンジタイプよりはちゃんと低域を吸音してくれそうだったというのも大きいです(スポンジより発泡ゴムの方が低域の吸音特性が良い理由については、人づてに話を聞いただけであり、自分では正確な説明が出来ないため、ここには書きません)。ちゃんと自分のもとへ届くかどうかだけが不安でしたが、まあ支払いはPaypalだしヤフオクに出てたってことは日本への配送実績もあるってことだろうし、と思って自分を納得させました。
ウクライナからの個人輸入
以前のパワーアンプ購入記事でも同じことを書きましたが、こちらもウクライナのショップのオリジナル商品(だと思われる)ですし、当然国内に代理店なんぞは存在しないため、個人輸入する必要があります。このショップも国外への販売を行っているところだったため、問題なく購入することが出来ました。
特に難しいことも無いので、
・翻訳サイトを使ってもいいのでざっくりと英語が読める
・PayPalアカウントを持っている
・自分の住所が英語で書ける
という条件を満たしていれば余裕で個人輸入できると思います。
送料に関しては、買いたいものをカートに入れれば計算して貰えます。注文数に比例して増えていきますが、一応数が多くなるにつれて割安になるみたいです。海外からの輸入ということで、知り合いと共同購入を考える方もいると思いますが、すぐ近くに住んでる人同士でないと、国内の配送料でトントンくらいになってしまうのでそこだけ注意してください。
また、国内に入ってきた後に消費税と輸入手数料が掛かることには気をつけてください……と書こうと思っていたのですが、荷物を受け取った時には何も請求されませんでした。後から請求が来る場合もあるので、もう少し様子を見てから再度報告しようと思います。
※追記
購入後1ヶ月ほど経過しても請求は来ませんでした。ちょっと調べてみたところ、配送料に含まれている場合がある?らしいです。よく分からんので何か知ってる人がいましたらコメントをば。
注文してから届くまでですが、私の場合は大体2ヶ月ちょっとでした。コロナのせいかどうかは不明ですが、ウクライナの関税を通ってからウクライナを出るまでに1ヶ月弱、ウクライナを出てから日本に入ってくるまでに3週間強掛かりました。通常なら1ヶ月くらいだと思うのですが……。
※2020/11/11 追記
友人が10月下旬に注文したところ、大体2週間くらいで届いて居ました。
早くてちょっと羨ましい。
実際の費用はこんな感じです。普段色々教わっているエンジニアの方と共同購入でした。合計で12個だったので1つ当たり送料込みで4200円くらいでしたが、一人で買う場合はもうちょっと割高になると思います。
こんな感じの梱包で届きます。開封時はビニールゴミが大量に出ますので、ゴミ袋の準備を忘れずに。
音の変化について
導入によって音がどう変化したかです。例によって聴感レポです。
その内測定用のマイクを導入しようと思ってますので、購入できたら測定結果も公開したいと思います。
設置はスピーカー後ろの隅に2つずつ積み上げる形で行いました。
余談ですが、この場所に設置するためにコンセントを2つ4口潰すことになり、電源の確保に難儀することになってしまいました。どうにかしないと。
音についてですが、めちゃくちゃ良くなりました。ベーストラップとしてきちんと機能しているらしく(グラフ通りの吸音特性を発揮してるかどうかは知らない)、中低域の反響がかなり抑えられ、非常に聞きやすくなりました。流石に量が少ないので定在波の対策にはあまりなっていませんが、今までと比べると雲泥の差です。2万円でこれだけ改善されれば取り敢えず十分かな……。
それと意外だったのですが、ローミッドの酷い反響が改善されたからか、導入前は聞こえていなかったスーパーローの音が聞こえる様になりました。曲によっては今まで全く気がついてなかった重低音が鳴ってることが分かって思わず笑っちゃいましたね。
※2020/10/01追記
共同購入したエンジニアの方から、「120Hz辺りはスペック上当然しっかり吸音出来てるし、60Hz辺りまでしっかり吸音できてる。WEBサイトの吸音特性グラフは信頼できそう」というコメントを頂きました。これもう測定マイク買ってもわざわざ測定する必要無くない????
ということで、特性グラフ通りの仕事はして貰えるみたいです。
検討している人向けの注意点
安い上に、外国から届くということをよく理解した上で買ってください。
MDFパネルの隅にダメージがある
安いものですし、外国から送られてくるので、多少のダメージは覚悟しておきましょう。見た目も重視したい方は何か対処方法を考えておくと良いと思います。
設置用のブラケットは壁に木ネジを打つ必要がある
このベーストラップを壁にぶら下げる用のブラケットがあるのですが、木ネジを使うため壁に大きな穴を開けることになってしまいます。賃貸の方はこれを使った設置が難しいと思いますので、何か別の設置方法を考えておく必要があります。一般的な形をした部屋であれば、ディアウォールとツーバイフォー材を組み合わせるのが一番楽じゃないかなとは思います。私の部屋は天井が高い上に斜めになっているため、大人しく床から積み上げました。
開封後は臭い
なんか変な匂いがします。しばらく立てば消えると思いますが、そういうのに敏感な方や気になる人は、しばらくの間陰干しとかしとく必要があると思います。
総評
私としては大満足です!ただし、人に無条件に勧められるかと言われると微妙なところ。安っぽいところや、配送時にダメージを受けがちと言ったところは別に良いのですが、Aliexpressで似たような発泡ゴム製のベーストラップを探して買えばもっと安いのでは?と思ってしまって……。
とは言え、きちんと吸音特性グラフが公開されている製品ですし、遠目に見る分にはそこまで安さも感じられず、ベーストラップとしての仕事もそこそこしてくれているっぽい、ということを踏まえれば、上に書いた注意点を特に気にしない人にとっては十分おすすめ出来る製品だと思います。
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