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デジタル採点の良い点/うーんな点

Google for Education認定トレーナー/コーチの笠原です。

卒業式が終わったら定期考査の時期です。勤務校ではデジタル採点を採用しているため、考査の処理はすべてパソコンで済みます。

勤務校で採用しているソフトはこちら。

観点別評価のために考査の集計がややこしくなってきたため、より一層デジタル採点のメリットを感じるようになっています。一方で慣れてくると不満に思うこともあります。

デジタル採点を体験したことがない方に向けて、ちょっとしたあるあるネタから良い点とうーんな点を紹介します。

良い点

良い点については以前にかなり詳細に書いたことがあります。

上の記事でも書いていますが、メリットしては圧倒的に時短につながります。

特に記号問題については、AI採点でほぼ正確に採点が出来てしまうため、目視で確認して、間違いを数個訂正するだけで済みます。

例えば、共通テストの現代文の設問の分量くらいの出題ならば、300枚採点しても1時間は掛からないですね。

嫌な話ですが、採点ミスがあってもデータを直すだけで帳票などの修正もスムーズに行えるため、転記ミスなどの可能性を減らせることも重要なポイントです。

うーんな点

これは個人的な見解ですが、デジタル採点をやっていて一番うーん……と感じるのが、設問ごとにバラバラにして採点することになるため、特定の生徒の思考の流れがわかりにくいということです。

紙の答案を採点している時は、特定の問題だけを見ているのではなく、その問題に至るまでの流れも見ながら、生徒の思考の流れを評価している感じがあるのですが、デジタル採点のようにぶつ切りにされてしまうと、設問と設問の間にどのような思考があるのかが見えてきません。

一応、答案を全画面表示することはできるのですが、結局、一人一人の答案を全画面表示していたら、デジタル採点のメリットである効率化……ということが活かせていないように感じます。

理想はデュアルモニタにしたときに、片方の画面に任意の答案の全面を表示しつつ、もう片方の画面で設問ごとに取り出した採点みたいな形がよい気がします。

国語の記述問題だと、結構、設問同士のつながりが大切になることもあるので……なかなか国語との相性の悪さを感じます

考査の答案を添削すべきか問題

デジタル採点をしていると、答案にコメントを入れるのはやや不便です。この点ははっきりと手書きの方が早くて楽です。

そのため、考査の答案に関して何かコメントを入れたいことがある時には、やや手間取ることになります。

考査の答案への指導を通じて、何か生徒へ気をつける点を伝えるのには、デジタル採点は向きません。

ただ、ここで少し考えることとしては「考査の答案で添削指導をするべきか」ということです。

確かに生徒達は真剣に問題を解いているので、考査の回答に対してフィードバックをつけることは、生徒のスキルアップという観点では効果はあるのだろうと思います。

ただ、本来であれば考査以外の場面で(理想を言うならば授業の単元の中で)、十分に添削指導やフィードバックを行うことが望ましいのだろうなと思っています。

考査の場面になって、慌てて添削指導をしないような授業計画を……と思うのですが、それは自分も厳しいなぁと思うところです。

ただ、考査の答案で指導するというは少しずつフェードアウトさせながら、せめてコメントは口頭などでもっと伝わるようにした方がよいのかなぁと思うところです。


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