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何も思っていなかった夫と結婚した理由

わたしは夫と交際する前に大恋愛をしていた。(大恋愛、と勝手に思っていた)

その人はイケメンで頭も良くて身長も高くてスマートで…
年上だったこともあり、察しもすごく良かった。
とにかく容姿も中身もドストライクだった。

この人のところに嫁げば、お金もあるし大好きな地元で自由に生きていける。友人に自慢も出来る。出会うべくして出会った人、運命、そんな風に考えていた。

彼と会うといつもドキドキし、可愛くいようと努力した。周りの友人からも「可愛くなった!」と言われることが増えた。

おまけに彼から仕事を辞めても良いからと言われていたので、色ボケしてしまい、仕事にも身が入らなくなるほどだった。

しかしそんな恋愛は儚く消え去ってしまった。失恋後はしばらく落ち込み、夜も眠れず、食事もとれず…もう恋なんてしないと思った24歳の冬…⛄

思い出がどんどん美化されてしまい、失恋後は本当に3年間くらい彼氏ができなかった。
それでも周りの結婚ラッシュに焦り始め、マッチングアプリにも登録してみたりした。

マッチングアプリでは1年間でおよそ20人の人とドライブや食事などのデートもしたし、何人かの方からは交際を申し込まれたりもした。
でも、やっぱり彼に敵う人は現れない。完璧すぎた彼とどうしても比較してしまう自分がいた。

そんな中、マッチングアプリではなくリアルな世界で今の夫と知り合った。この1年、マッチングアプリの出会いばかりだったわたしにとって、リアルでの出会いはまた違うドキドキを感じていた。

共通の話題で話が盛り上がり、すぐに交際に至った。

しかし正直なところ全くタイプではなかった。身長はわたしとほとんど変わらないほど低い、顔はお世辞にもカッコいいとは言えない、性格も引っかかることが多い…(いわゆる性格不一致とやらだと思う)
何もない所で転んだり方向音痴だったりして、スマートさなんて皆無。プライドの高さも気になった。

おまけに転勤族で、この人と結婚したら大好きな地元を離れなければならないというわたしにとっては都合の悪いことばかりだった。

「今付き合うには良いけど、転勤して遠距離恋愛になったら別れよう」と考えていた。夫は結婚についてよく話していたけどわたしは結婚は頭になかった。

しかし遠距離恋愛をしてもわたしたちは別れなかった。

ではなぜそんな夫と結婚したのか今日は書いていこうと思う。

不安になることがなかった

多分わたしは見捨てられ不安が幼少期からあると思う。
これまで何人かの方とお付き合いしてきたが、「いつか振られるかも」という不安に時々襲われていた。

夫と付き合っている頃は不安になることは一切なかった。
わたしのことをとても好きでいてくれていることはわかっていて、「わたしが振られることはない」という自信があった(何様という感じだが…)
正直付き合っていて退屈だと思うこともあったが、これまでお付き合いしてきた方々と圧倒的に違ったのが「安心感」という部分だった。

それから「完璧でいなければいけない」と思わなくなった。
お化粧や服装も完璧に仕上げて納得いかなければ、デートに行きたくないと思っていたわたしが、「ある程度でも彼は喜んでくれる」と力を抜けるようになった。

きっと彼と結婚すれば、肩の力を抜いて安心して生活が出来ると思った。

情があった(ような気がする)

結婚前を思い返すと、情のようなものがあって別れられなかった気がしている。

交際中、夫が転勤となり遠距離恋愛が始まった。
夫は赴任後新しい部署に馴染めず、抑うつ状態となり3か月休職していた。

遠距離恋愛だったこともあり、サポートも出来なければ別れることも出来ない状態だったわたしは、とりあえず彼の思うままに身をゆだねることにしていた。

復職したら、結婚という選択肢がなければそろそろ別れようか?とも考えていたのだが、復職するまで努力していた彼を見ていて、「よく頑張ったなぁ」と思うように。

遠距離が長引いたこともあり、復職後別れ話が出たこともあったが、「本当にこれで良いのか?」と後ろ髪を引かれていることに気付いた。

周りの友人にも「今の彼との結婚はない」と言っていたのに、いつの間にか「見捨てておけない」「大切な存在」に変化していた。

と、思っていたが今振り返るとやはりただ情があって別れられなかっただけかも?と思ったりもしている。

でも結婚生活を送ってみて、愛しすぎてしまう人と生活するなんて、気が抜けなくて考えられなかった。

夫との関係は大恋愛などと思ったことはない。
でも、大切には思っている。

これはこれで、わたしの中では正解だったと思っている。

不満があるたびに「こんな夫捨ててやりたい」と思ったりするが、いざというときの優しさに触れると「やっぱり大切な人だ」と思う。

大切だけどいつでも離婚できる、そんな自立心を持てるようになったのもある意味夫のおかげだと思っている。

そんな夫との子どもを授かって今は9か月に入った。
これからどんな未来が待っているかなと考えながら、今日も胎動を感じている。

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