ファイティングポーズになるには少し時間がいるのです
人が不安になるのは、あやふやな状態であることが大きいと思う。
乳がんと告げられた時、覚悟はしていたものの
ただただ「癌」という文字に混乱していた。
具体的に自分に何が起こるのかわかっていなかったのです。
公園の日差しの中で楽しそうに遊ぶ親子を見ていたら涙が出たり…
ただ涙が出る理由が自分では分からなかった。
悲しいと思うわけでもなく、混乱して涙が出てくるのです。
乳がんの本を買って、症状やこれからの治療などある程度情報を入れても
そんな状態が続いていました。
変わったのは、癌診断確定後に撮影したMRIの画像を見た時。
パキーンと頭の中で音が鳴った気がしました。
くっきりと白く写る「癌」を見て、自分が向かい合う相手を認識できた。
そこから、世間一般の癌ではなく、自分の癌と向き合うことができたと思います。
がんは告知をされた後、1ヶ月間は気分が落ち込む人が多いそうです。
その後段々と上向きになっていきます。
きっと癌を受け入れるにはそれ位かかるということでしょう。
brcaに変異があるとわかった時も同じ位混乱しました。
その時は辛いながらもきっと乗り越えられると思いました。
”一つの扉が閉まるとまた別の扉が開く ただそこに続く廊下は暗く孤独だ”
その時に胸に響いた言葉です。