乳がんがわかるまで

私は自分で乳がんを発見しました。入院時に患者仲間に聞いた感覚だと過半数が自分で気づいた人達でした。定期的なセルフチェックは大切です。

偶然になんの気はなしに触った時ゴロっとしたシコリに手があたった。
頭からサーっと血の気が引いたのを覚えている。
もう一度触ってみる。やはり何かがある。

翌日急いで乳腺科の受診予約を取り、検査に行った。
数年前にもシコリがあったことがあり、その際は良性だったので今回も安心したかった。

マンモグラフィーとエコーを受けた後、医師と一緒に映像を見た。
シコリの周りがギザギザとしている。以前の良性の際は縁がくっきりとした形だった。そのまま針でシコリの組織を取り、精密検査を行う生検をすることに。
組織を取る作業をしながら、先生が穏やかな声で、
生検は乳がんの検査の中では一番大切な検査なこと、結果はご家族と聞いた方がよいとおっしゃった。
先生の様子から、乳がんになってしまったんだと感じた。涙が出てきた。

結果を聞きに行く日、夫は半分位は良性であると言ってもらえると思っていたそうだ。先生は画像を見ながら、位置やサイズを淡々と説明され、その中で「悪性の、いわゆる癌です」と事実の一つとして乳がんであることを告げた。
そして、癌のタイプ、標準的な治療方法を丁寧に説明してくれた。
ステージは初期なので、しっかり治療を受ければ治ること、紹介状を書くので病院を探すようにと言われた。
私は検査の時に乳がんである事を覚悟していたが、夫のショックを受けた顔を見て
可哀想になってしまった。
夫は常々私よりも先に死ぬと言っていたからだ。

先生が淡々と、丁寧に事実伝えてくれた事、質問に私たちと向き合って、じっくり答えてくれたことで、現実を受け止めることができた。

乳がんは10年かけてできるとも言われているが
わたしの癌は急激にできたものらしかった。

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