源泉徴収票の見方 ~どこを見たらいいの?~
こんにちは。SKPです。
以前、年末調整について記事を書きましたが、早いところではそろそろ、遅いところでも来年1月中旬くらいには、年末調整が終了し、皆さんの手元に『源泉徴収票』が届きます。年末調整についてはこちら ↓ 。
社員でも、アルバイトでも、パートでも、給与をもらっている人は、毎年この『源泉徴収票』を手にするため、なじみはあると思いますが、「見方がわからない」という人も多いようです。
税制の改正に伴って、どんどん記載される内容が増えているため、正直分かりづらいんですよね…。
細かく説明しだすとキリがないので、「簡単に」とはなりますが、今回は『源泉徴収票の見方』をご紹介します。
令和2年度 源泉徴収票
【画像参照:国税庁より】なお赤い四角は、画像をひっぱってきた関係なので、説明には基本的に関係ありません。源泉徴収票はA5サイズ・片面印刷の書類になります。
色々なことが書いてありますが、書いてある内容は要約すると次の通りです。
1.その会社からもらった、その年の「給与総額」「給与所得」
2.「給与所得」に対する「所得税の金額」
3.「所得税の金額」を算出する際の、所得控除・税額控除の詳細
4.その給与を支払っている会社情報
もう少し簡単に言うと『1年間の給与に対する税金の情報が載っている』ものとなります。ここで言う1年間とは、その暦年(今回だと令和2年)中に『支払われた』ものを指しています。
例えば、「12月分の給与を翌年1月に支払う」ような会社の場合は、前年の12月分(今年の1月支給)~今年の11月分(今年の12月支給)までを1年間として集計し、源泉徴収票に記載される、ということです。
ここで特に大切。見れるようになってほしいのは「1・2」の部分です。これは源泉徴収票の上部の4か所【支払総額】~【源泉徴収税額】の部分を指しています。
支給額と所得
では、その部分をそれぞれ解説していきます。
まず【支払総額】ですが、ザックリ言ってしまうとここの記載金額が『年収』です。これは「その会社からもらった、その年の給与・賞与等、『課税支給額』の合計額」を表しています。今回の場合は年収「約680万円」ということですね。
「課税支給額」というのは、所得税の課税対象となる支給額のことで、所得税のかからない「非課税となる通勤費」や「立て替えた経費の精算」などはここには含まれません。そのため単純に毎月の給与明細の「総支給額」を合計しても、【支給総額】とは一致しないのが普通です。
続いて【給与所得控除後の金額】です。これは『給与所得の金額』を表しています。
ここが紛らわしいのですが、『収入(年収)』と『所得』は明確に意味が異なります。簡単に書くと『収入(年収)=売上』『所得=利益』という違いです。
本来、給与や賞与は「働いた対価としてもらっている」ので、それに対して個人個人で個別の経費はかかりません。そのため普通に考えれば「収入(年収)=所得」となるのですが、「給与の内、一定の割合を経費として認める、『給与所得控除』」というものがあります。
「働くのにスーツとか、カバンとかいるよね?その分を経費として見てあげるよ。細かく計算はできないから、一定額だけどね」といったイメージです。
給与・賞与しか、収入・所得がない人は、この【給与所得控除後の金額】=『給与所得』の金額が、国・市区町村の手続きにおいて判定の要件となる『所得』の金額となります。自分の所得はいくら?という時にはまずはここを確認すればいい、ということになります。
所得控除と源泉徴収税額
所得控除は、基礎控除・扶養控除・配偶者(特別)控除・社会保険料控除…と様々なものがあるので、ここでは解説できませんが、適用された所得控除の合計額が、源泉徴収票【所得控除の額の合計額】に記載されます。
この内訳。何の所得控除でいくら控除されているのかの詳細が、源泉徴収票の中段に書いてあります。年末調整の時に提出した「扶養控除等申告書」「保険料控除申告書」の要約とも言い換えることができます。
最後、右端の【源泉徴収税額】が、今回の源泉徴収票に記載された内容で計算した【所得税の金額】となります。今回の例が「0円」なので少しわかりづらいですが…。
これは次のように計算されています。
① 給与所得控除後の金額(給与所得)
② ① 給与所得 - 所得控除の合計額=課税所得金額
③ 課税所得金額から計算される所得税額
④ ③-税額控除の金額(住宅ローン控除)=【源泉徴収税額】
④で差し引かれる住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)がない人は、③までで計算が完了します。③の計算は、以下リンク先の計算式となります。
この計算された【源泉徴収税額】と「毎月給与から差し引かれた源泉所得税の年間合計額」との差額が、年末調整還付金・徴収金として、年末調整の手続き後に清算されています。
今回、簡単に、とはなりますが『源泉徴収票』の見方をご紹介しました。この書類に書いてあることは全て大切なのですが、まず『年収』と『所得』の部分だけでも区別ができるようになっていただければ幸いです。
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