NISAでの投資は難しい?NISAのデメリット
こんにちは。SKPです。
最近、株式投資の話題が続いていますが、本日は株式投資の【NISA(ニーサ)】についてです。なお、積立NISAではなく、通常のNISAについての記載です。
NISA、正式名称「少額投資非課税制度」と言いますが、株式投資における税制の優遇措置のことです。
「NISA口座での株式売買の利益には税金がかかりません!」
「NISA口座で株式投資をすると利益がそのまま手に入ります!」
というような謳い文句で、実際に口座開設をした人も多いのではないでしょうか?
そういう私も『NISA口座』は持っています。…現在使っていませんが…。
事実「株式投資の売却益に対する税金がかからない」というのは、かなりお得です。
NISAは利益を出さなければ意味はない
本来であれば株式投資の売却益や、受け取る配当金には、20.315%の税金がかかります(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)。
単純に考えて、NISA口座で株式投資をすれば、この約20%の税金がなくなるわけです。
通常の口座で株式投資をするよりも約20%の利益が手許に増えるわけですから、これは本当に【お得】です。
しかし、そもそも論として、NISA口座での株式投資で利益を上げなければ何の意味もありません。
利益がなければ非課税にする税金もありませんので、株式投資をして「損失を出した」という場合は、NISAのメリットは一切享受できません。
NISAは「利益が出ている時、税金が非課税になる」というメリットがある反面、「損失が出た時は何も優遇がない」制度でもあります。
特定口座のように【損失の繰越】はできません。
また、同じ年にNISA口座で「損失」、特定口座で「利益」となっている時、損失と利益を相殺(損益通算)することもできません。
NISA口座は「NISA口座単体」で完結しているのです。
年間の購入限度額という制限
NISAの正式名称に「少額投資」とついている通り、NISA口座では年間投資額の上限が設定されています。
通常のNISA口座であれば年間120万円(×5年間)です。
この限度額120万円というのは「年間のNISA口座での購入限度」を指します。
例えば1回100万円の株式をNISA口座で購入したとしましょう。そうすると、残っているNISAの購入枠は20万円です。
少し時間がたってから、この100万円の株式を売却したとしても、その年のNISAの残りの購入枠は20万円のままで、100万円分の購入枠が戻るわけではありません。
購入限度額は翌年にならなければ戻らないのです。
この金額は少ないと思うでしょうか?多いと思うでしょうか?
例えば、株価1,000円の企業があったとして、それをNISA口座で購入しようとしても、1,000円では購入できません。
日本の証券取引所の株式取引最小単元数は基本100株です。
各証券会社のサービスで一部取り扱いはありますが、基本的にアメリカのように1株ずつ買う、といったことはできません。
(ETF(上場投資信託)は1口から購入することができます)
つまり、株価1,000円の株式を最小数購入しようと思っても、1,000円×100株=10万円の投資資金・NISA口座の購入枠が必要となる。ということです。
NISA口座を使う目的は?
「それでも一年間に株式投資で120万円なんて金額は使わない」
と思うかもしれませんが、デイトレードやスイングトレードと呼ばれるような短期の株式投資は、1日~2・3か月の保有期間で売買を繰り返します。
毎回10万円しか使わなくても、売買を繰り返すとあっという間に120万円という限度額に到達します。
つまり「短期的に売買を繰り返す」ということにNISA口座は向いていません。
「別に頻繁に株式売買をするつもりはない」
と、思うかもしれません。
しかし長期保有の投資を目的とするのであれば「購入から5年(ロールオーバーをしない場合)」というNISAの期限は短すぎますし、制度上「積立NISA」を利用する方が向いています。
NISA口座は「設計上、ある程度短期~中期での売買」が主体なのです。
しかし、株式を購入してから「株価が上がるのか、株価が下がるのか」そんなことは誰にもわかりません。
【株式を購入して、株価が下がってしまったら少しの損失で抑えて、株価が上がっているところで大きく利益をとる】
と言った手法は、購入限度額のせいで基本的に行えません。NISA口座での短期売買は難しいのです。
しかし、【NISA口座で】利益を出さなければNISAのメリットが享受できない、というジレンマを抱えています。
NISAは制度ができてからそれなりに経ち、知っている人・利用している人も多いと思います。
上手く使うことができれば有用ですし、税金がかからないというメリットも大きいです。しかし、中々に上手く使うことが難しい、という実態もあります。
メリット・デメリットを良く検討した上で活用してくださいね。
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