自分で自分に給料を払う?個人事業主の給料って?
こんにちは。SKPです。
今回も引き続き、個人の確定申告・会計処理のお話になります。
普通、どこかの会社に勤め、働いた時は、それに見合った(?)給料がその会社からもらえます。
会社の経営者、という場合も「役員報酬」という形で、経営者へその対価が支払われています。
では「自身で個人として事業を行っている人」。つまり「個人事業主」の場合はどうなるのでしょうか?
個人の会計処理をしていると、通帳に
「自分の給料」
と、メモ書きがあって、毎月固定額を出金をされていることがあります。
これは正しいことなのでしょうか?
たまに勘違いをされている人がいますので、今回はそんな「個人事業主の給給料?」についてご紹介です。
個人事業主に給料はない
そもそも「給料」とは【雇用契約に基づいて雇用主から従業員へ定期的に支払われる、労働の対価】のことを指します。
自分が個人事業主である時、自分自身と雇用契約を結ぶでしょうか?
答えは「NO」です。
そもそも「自分が雇用主」という状態なわけですから、【雇用されて労働の対価】を自分がもらう、ということにはなりません。
つまり個人事業主は、働いても給料はもらえません。
そのため「自分の給料」という出金は、経費でもなんでもなく、このメモは「意味としては間違っている」ということになります。
…これは別に「理不尽」とかそういうわけではありません。
何故ならば個人事業主の場合、売上があって。経費があって。それを差引した残りが利益。つまりその手残り金額が自分自身の所得になります。
その手残り金額が、言い換えるなら「自分自身への給料」となるのです。
最後の手残りが「自分自身への給料」となるのに、途中で支払った「自分の給料」を経費に入れて計算していたら、おかしいですよね?
自分自身へ支払うのは「いつでも」いい
そうなると個人事業主は「いつ、その自分自身への給料を支払えばいいの?」となってしまいます。
1年間の最終的な計算結果が出るまで支払いを待っていたら、確定申告の時期までは何も支払えないことになってしまいますから。
普通、1年間も生活費の補填をせずに生活はできません。
個人事業主の場合、自分自身へお金を支払うのは「いつでも・いくらでも」構いません。事業用の資金にゆとりがあれば…という注釈はついてしまいますが。
先ほど書いた通り、個人事業主の自分への出金・支払は、経費にはなりません。
この「自分の給料」を簿記の仕訳にすると、
借方)事業主貸 〇〇円 / 貸方)普通預金 〇〇円
このようになります。
これは事業用としてプールしているお金を、私用の資金へ移動させただけ。という意味です。
経費となるわけではなく、事業用とは別のプライベートなところへ資金の移動を行っただけ、ですので、通常の給料とは異なり、支払う時期や金額に「決めごとや縛り」というものは存在しないのです。
つまり、必要な時に必要な金額を受け取っていい。ということです。
通帳の「自分への給料」というメモは、実は助かる
先ほど、通帳の「自分の給料」というメモは「意味としては間違っている」と書きましたが、書かなくていいということではありません。
…むしろ書いてもらった方が助かります。
会計処理を行っていて、困るのは「支払先が曖昧な通帳」の判断です。
・どこかの銀行へお金を振り替えたのか
・現金としてお金を引き出したのか
こういうことがハッキリしない通帳というのは結構あります。
特に金融機関・通帳を複数使っている場合で、口座間でのお金の振替を行うと、振込先の名前が全て「事業主本人」のため、どこからどこへお金が移動しているのか正直パズルのような状態になります。
そのため、明確に「自分への給料」。つまりは「自分の生活費としてお金を移動させた」と明記してもらえると、非常に分かりやすく助かります。
後々「取引を見返そう」と思った時も、どれくらい生活費としてお金を抜いたのか、ということが分かりやすくなりますので、「自分の給料」とメモを書くのは結構大切なことでもあります。
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