白い部屋-I am hungry.-
私は白い部屋に住んでいます。この部屋には家具も窓もありません。
私は何もない部屋に住んでいます。
なにもないのは大変つまらないことです。
なので、椅子を作ることにしました。とても小さな椅子が出来ました。
とても小さいので座ることは出来ません。
椅子が出来たので机を作ることにしました。
体がぐらぐらして大変でしたがなんとか出来ました。
とても小さな机が出来ました。とても小さいので使うことが出来ません。
なんだか部屋が賑やかになってきました。
次は思い切ってベッドを作ることにしました。
ですが、素材が足りなくてお粗末な出来になりました。
今にも壊れそうなベットが出来ました。
今にも壊れそうなので使うことが出来ません。
色が欲しいなと思います。
色をつけるなら思い切りやりたいので、一面だけ全部塗ることにしました。
塗料は思っていたよりあったので助かりました。
渋くて格好良い床が出来ました。とても気に入りました。
一人だと寂しいのでペットが欲しいなと思います。
色をつけている際に金魚を見つけました。
これも何かの縁。私が責任持って飼うことにしました。
とても大きな金魚を飼いました。
とても大きいので水槽に入りません。
最初とは見違えるほど素敵な部屋になりました。
でも、何かが足りません。
「そうだ、ぬいぐるみがたりないんだ」
女の子は目を閉じました。
「ぬいぐるみにならなくちゃ」
「ぬいぐるみに、ぬいぐるみに、ぬいぐるみに」
首だけの少女はとうとう動かなくなりました。
白い部屋は白い部屋じゃなくなりました。
女の子は女の子じゃなくなりました。
女の子が作った素敵な部屋はまだ壊されずに残っています。
大きな口を開けて待っています。