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林業の本質

林業に携わる者として、自分の仕事の本質が何か考えてみます。
林業の本質を記すにあたって先ずは、林業の定義をハッキリさせます。

林業の定義

森林で経済的利用を目的として、樹木を植林し、育成・管理して、林産物(主に木材)を生産する産業。
広義には山菜の採取、きのこの生産や木炭の製造も含まれる。

森林・林業学習館より引用

森林には多面的機能がありますが、それらの発揮に寄与する作業や技術は「森づくり」と私は定義します。
先述のとおり木材の生産に重きを置いた技術を極めていくことが林業に携わる者としての関心ごとです。
特に林業事業体に在籍しているので。

世代で繋ぐ資源のリレー

私はこれが本質だと思います。
私たちが今見ている(相手にしている)森林は、先人たちが植え育ててくれたことによって成林しています。
その森林から木材を生産し、利益を得ています。
次の世代にも利益を残すために、受け取った利益の一部を再造林や育林に充て”いい森林”を残していく。
”いい森林”とは、造り手が次世代への思いやりをもってそれを表現することができている森林だと思います。
いい森林を造っていくことで、半永久的に続く"持続可能“な仕事です。
いい森林を造らなければ途絶えてしまうので、”半”永久的です。
放っておいても、日本の気候であれば森林にはなりますが、いい森林ではないです。
(原生林は別、林業は奥が深いので揚げ足は取らないで下さいね。)
木材は衣食住の住を司っており切っても切れないものです。
建物にも使うし、燃料にもなる。
今後、新たな活用技術も研究されている。
いい森林でいい木材を育てていくことは、我々世代の責任です。

伐って終わり。
今、稼げればいい。
今、楽できればいい。

それでは持続しません。

先代の方々は木がこの先も必要不可欠で投資になると思って、広大な面積に大勢で植えてくれました。
おかげで私は林業に従事し、立派な木材を生産できています。

次の50年、100年後の人達のためにも持続可能な林業をしていく。
世代を超えて繋いでいける資源の循環。
これが林業の本質だと自分にも言い聞かせて仕事に臨みます。


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