問題提起 - 低密度植栽に思うこと -
低密度植栽、皆さんどう思いますか。
昨今、林業の低コスト化に向けて盛んに口にされている「低密度植栽」。
一言いいたい。
あたしゃ反対だよ。
正確には目先の経費や手間を減らすためだけの低密度植栽には賛同しかねます。
植栽密度は目標林型からの逆算で考えなければならない。
今回は、低密度植栽への懸念点について記していきます。
低密度植栽の趣旨
並材を生産目標の中心とする育成単層林を造成することを目標にしている。
低密度植栽のメリットは、苗木代と植栽経費が安く済む点がある。
保育間伐も少なく済むかもしれない。(下手したら不要か)
序盤から枝ぶりが良くなるため、肥大成長もより見込めるかもしれない。
多くの森林が主伐・再造林の時期を迎えている今日、再造林をどんどん進めていくために、コストと労力を減らしていくための一手として行政の方からは推し進めたい意向を感じます。
低密度植栽の懸念点
低密度植栽することで想像できることとして、
1.下刈の回数増加
2.つる切り作業の増加
3.大節の材が増加する(枝打ちが必須?)
4.間引きの時の選択肢が少ない
5.主伐時の汎用性が低い
これだけ見るとかえって育林コストがかかり、尚且つ生産が可能になった頃の生産量と質が低下するのではないかと想像してしまいます。
個人的考え
標準的な植栽密度、もしくは、やや高密度植栽を個人的にはしていきたいです。
植栽コストは増大しますが、逆にそれ以外はメリットが多いと考えます。
まさに投資です。
考えられるメリットは低密度植栽の懸念点の逆。
1.樹冠閉鎖が早いため、雑草木の繁茂が抑制される可能性がある。
2.保育間伐時の選択肢が多いため、良材を生産しやすい
3.大きい節ができにくい
今、主伐していてありがたい材は「大きな節が無い材」
節が無いことでAB材の割合が増え木材売り上げの質が向上します。
出材量も見込めるため、最終的な収入が期待できます。
今後の時代の木材動向はわからない点がありますが、その時に汎用性の高い森林にしておきたいと思います。
汎用性が高い森林とは、究極的には複相林です。
多様な樹種を多様な年代で育てる。
これができれば超理想。
なかなか難しいので単体の森林を想定した場合。
①.カラマツの純林
②.収穫時の平均胸高直径は30㎝以上
③.大きな節が少ない(造材マシンで払えるくらい)
④.収穫材積でha当たり300㎥を超える森林
⑤.haあたり成立本数は400㎥くらい
この条件になるためには、初期で2,300本植え、地位はⅡ、収穫時時林齢は約60年となります。
こんな感じで目標林型を設定して、森づくりを進めていきたいです。
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