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【ChatGPT × GAS】石川県アンケートデータをChatGPTに要約させてみた。

こんにちは。
石川県のシビックテック団体Code For NotoのSKです。
昨今非常に注目されている生成AI「Chat-GPT」。トーク形式で、質問に回答してくれるものが一般的ですが、APIを利用すると様々な場面で活用が可能になります。今回は、GAS:Google apps scriptChat-GBTを連携させ、アンケートデータの要約をさせてみました。


扱うデータ

今回は、石川県の観光データ分析プラットフォーム「Milli」に公開されているデータを活用してみます。

Milli

EBPM、という言葉も広まってきており、データ活用の注目度が日に日に高まってきています。Milliは、石川県に集約されるオープンデータをいち早く、わかりやすく公開する手段として誕生しました。

特に観光データでは、兼六園などのような観光スポットにQRコードを設置し、アンケートによって回答されたデータが蓄積されています。その結果は、県職員だけでなく店舗や自治体等も活用できるように、リアルタイムでMilli上にアップロードされ、ダッシュボードやExcelでのダウンロードが可能となります。

観光データ

今回は、Milliで公開されている観光オープンデータを活用します。このデータは、QRコードを活用したアンケート回答結果となり、「金沢エリア」「加賀エリア」「能登エリア」に分かれて集積されています。
アンケートに含まれる項目は

  • 基本情報(同伴者、属性、宿泊数等)

  • 移動手段

  • 本旅における利用金額

  • 満足度

などがあり、現状総数2000を超える回答結果が蓄積されています。今回はこのアンケート結果の「満足度の理由」に関するいくつかの列を抽出して利用しました。(2023年12月に実行したため、現在の情報が反映されていないことがあることをご了承ください)

Chat-GPTとGASについて

今回活用するChat-GPTとGASについて簡単に説明します。簡単にいうと、

  • Chat-GPT:何か文章投げかけるといい感じに返してくれるAI

  • GAS:Googleのアプリケーションを活用して、簡単にアプリや自動化機能等を実装できるプログラミング言語

というイメージです。
せっかくなので、Chat-GPT自身に詳細な解説をさせてみました。

Chat-GPT

「Chat-GPTの説明をAPI等も含め、わかりやすく短めに教えて」と投げかけてみたところ、、

Chat-GPTは、OpenAIが開発した言語モデルで、自然言語処理のタスクに特化したものです。主に次のような特徴があります。

対話的なコミュニケーション:
Chat-GPTは、ユーザーとの対話を通じて文章を生成・理解します。これにより、会話型のタスクに利用できます。

APIを通じた利用:
OpenAIが提供しているAPIを使用することで、開発者は自身のアプリやサービスにChat-GPTを組み込むことができます。APIを使うことで、簡単に言語生成機能を組み込むことができます。

使い道:
チャットボット、質問応答システム、文章生成、文章の要約など、様々な応用が考えられます。例えば、ユーザーからの質問に対して自動的に回答する仕組みを作ることができます。
注意点:
ただし、Chat-GPTは与えられたコンテキストに基づいて応答するため、制約があります。特に限定的な情報しか持っていないため、一部のタスクでは誤った情報を生成する可能性があります。
簡単なAPI経由の統合により、Chat-GPTは言語処理の機能を手軽に利用でき、開発者にとっても使いやすいツールとなっています。

Chat-GPT

GASについて

GAS(Google Apps Script)は、Googleが提供するスクリプト言語で、主にGoogleのオンラインサービスと連携して自動化されたタスクを実行するために使用されます。以下に、GASの要点を簡単に説明します。用途:
GASはGoogleドライブ、Gmail、GoogleカレンダーなどのGoogleサービスと連携し、スプレッドシートやフォームなどを自動的に操作する目的で使用されます。
スクリプト言語:
GASはJavaScriptベースのスクリプト言語で、Googleが提供する独自のAPIにアクセスすることができます。簡潔なコードで複雑なタスクを実現できます。
自動化:
GASを使用することで、特定の条件やトリガーに基づいてスクリプトが実行され、データの処理や更新、メールの送信などの自動化が可能です。これにより、ルーチンな作業を省力化できます。
Google Appsとの統合:
GASはGoogle Appsと深く統合されており、Googleスプレッドシート内でスクリプトを実行することでデータ処理やカスタム関数の作成が可能です。
ウェブアプリケーションの開発:
GASを使用して、シンプルなウェブアプリケーションやAPIエンドポイントを開発することもできます。これにより、簡単にカスタムツールを作成することができます。
セキュリティ:
GASはGoogleのセキュリティ標準に基づいており、安全な環境でスクリプトを実行できます。ただし、注意が必要で、特に外部からのデータの取り扱いには慎重になるべきです。

GASは非常に柔軟で使いやすいツールであり、ビジネスプロセスやタスクの自動化において効果的に利用されています。

Chat-GPT

もうGoogleで検索するよりも早く教えてくれるかもしれませんね。もう一度まとめますと

  • Chat-GPT:何か文章投げかけるといい感じに返してくれるAI

  • GAS:Googleのアプリケーションを活用して、簡単にアプリや自動化機能等を実装できるプログラミング言語

実装内容

今回は、GASにChat-GPTのAPIを活用して文章を要約させるよう実装してみました。実際に行った手順としては以下の通りです。

  1. Chat-GPTのAPI取得。※APIには料金が発生する場合がございますので、注意が必要です。

  2. Milliの観光データダウンロード

  3. スプレッドシートとしてGoogle ドライブに保存

  4. GASの実装

    1. 観光値ごとにデータを抽出

    2. その中で、満足度の理由を記載している列だけをピックアップ

    3. ピックアップしたものを一つの文章として持っておく

    4. Chat-GPTにピックアップした文章をもとにSWOT分析をしてもらうようにリクエスト

    5. レスポンスをスプレッドシートの別シートに、観光地毎に格納する

といった流れになります。

要約結果

今回は料金もかかってしまうというところで、「兼六園」「金沢城公園」「加賀屋」に絞って要約させてみました。(試行錯誤しながら実行したこともあり、各観光地によって回答形式が違うところもあることをご了承ください。)

!!!注意点!!!
生成AIの技術が進歩してきているとはいえ、100パーセント真実を述べているわけではありません。今回はあくまで、アンケート結果をAIになげたらどんな結果がくるのかという検証の位置づけに過ぎないことを留意していただけますと幸いです。

兼六園

兼六園は日本有数の庭園として有名です。Chat-GPTによる回答は以下の通りです。

宿泊:
- 平日でゆっくり見て回れた
- 対応が丁寧
- 入園料の支払い方法が多様だった点が便利に感じた
食事:
- 景色の良いところで食事等できるから
- あんころ餅がとても美味しかった
交通:
- 警備員さんにバス停の場所を聞いたときの対応が良かった
お土産:
- 来園記念の札をもらえた
- 金箔団子があり、楽しめたのが嬉しい
- お土産をたくさん買えたことも満足
景観:
- 手入れが行き届いているところ
- 兼六園ではゆっくり散歩しただけなのでサービスはよくわかりません
- 歴史を感じたし植えてある木がすごかった
- 紅葉が綺麗でした
SWOT分析要約:
- 強み: 平日でゆっくり見て回れた、対応が丁寧、景色の良いところで食事ができる、手入れが行き届いている、お土産をたくさん買えた、歴史を感じられる、紅葉が綺麗
- 弱み: 兼六園ではサービスがわかりにくい、庭園以外の付加価値があまり感じられない、売店の雰囲気がイマイチ
- 機会: 入園料の支払い方法が多様、金箔団子が楽しめる、美術館で新しいデザイナーのお皿が良かった
- 脅威: お茶室が混んでいる、作業されている方が気持ちよく挨拶していない、商品の購入がないため評価が分からない

兼六園は日本有数の観光スポットです。景観は非常にきれいで見ごたえがあるだけでなく、スタッフさんの対応も非常に丁寧であることがわかりますね。一方で、混んでいるという回答や庭園以外の付加価値に課題があるようにも見受けられます。例えば、混み具合がよりわかるようなサービスや、エリア全体の価値を向上させられるような仕組みがあるとより素晴らしい観光スポットになるかもしれません。

金沢城公園

金沢城公園も有名な観光値ですね。
Chat-GPTによる回答は以下の通りです。

宿泊:
-  カフェで冷やし抹茶と和菓子が美味しかった。
-  何も支払わなかったため、サービスを受けることはなかった。
食事:
-  豆皿茶屋での素敵な景色を見ながらのランチが満足だった。
-  火花のゾーンは混雑していて分かりづらかった。
交通: 
-  交通手段が整っていた。
-  何も支払わなかったため、交通手段を利用することはなかった。
お土産:
-  缶バッチが可愛くできた。
- 何も買い物をしなかったため、お土産を購入することはなかった。
景観:
- チームラボの光の祭りや庭園が素敵だった。
-  広すぎて何もないと感じた。
SWOT分析要約:
- 強み: 宿泊施設のカフェでの美味しい食事、豆皿茶屋での素敵な景色、交通手段の整備、可愛い缶バッチ、チームラボの光の祭りや庭園の景観。
- 弱み: 火花のゾーンの混雑と分かりづらさ、チームラボのお絵描きエリアのクレパス不足、チームラボのがっかり感、広すぎる
景観、お金を支払わなかったためのサービス不受け、イベントのない時の不満足感、観光客向けの高い価格、展示物の説明不足、夜間イベントの足元や展示物の説明の見やすさ不足、手軽な飲食場所の少なさ、天守閣への入場制限。

金沢城公園も石川県有数の観光地であり、行きやすい場所となります。こちらも景観やチームラボのイベント、食事等満足のいく回答が集まっていますね。一方で、イベントがない時の満足度、展示物の説明不足、夜間イベントの足元の危険性等が課題として挙げられています。通常時にいかに満足度を上げるかというのも課題にあるのかもしれませんね。

加賀屋

加賀屋とは、石川県の温泉旅館です。Chat-GPTの回答は以下になります。

宿泊、食事、交通、お土産、景観に関するSWOT分析の要約は以下の通りです。
【Strengths(強み)】
- おもてなしの気持ちが良く、細やかな気遣いが好評。
- サービスと接客が満点で、部屋も綺麗で申し分ない。
- オリジナル商品が豊富で、バイキングも良い評価を得ている。
- 送迎からチェックイン、館内案内、食事まで全てのサービスが完璧。
- 記念日に利用した際にはサプライズのプレゼントがあり、大変喜ばれた。 【Weaknesses(弱み)】
- カクテルバーに行き忘れた。
- 広すぎてお風呂が遠い。
【Opportunities(機会)】
- 商品の種類が豊富で、店員さんも丁寧な対応をしている。
- お料理と接客が素晴らしい評価を得ている。
- お土産の種類が豊富で、好きなものを選ぶことができる。
【Threats(脅威)】
- 夕食時に丹前や浴衣が汚れた際の交換がされなかった。
- 部屋がきれいで快適だったが、アメニティが豊富で対応も親切だった。
- ラウンジでのおもてなしのお菓子とお茶が好評だったが、夕食時の担当者の対応が良かったため食事の美味しさが増した。

以上が、宿泊、食事、交通、お土産、景観に関するSWOT分析の要約です。

おもてなし、接客、サービスどれも非常に満足度の高い結果だったのかなと思います。記念日にはサプライズプレゼントがあったのでしょうか。施設が広い故の不満があったようですが、そこは少し解決が難しそうですよね。ただ、よりサービスの質を向上させるために、アンケート結果を活用するのは非常に有用かもしれません。

まとめ

今回は、Chat-GPTとGASを利用してアンケート結果を要約してみました。
多くのアンケート結果をほんの数秒で要約してまとめてくれるので、非常に便利であると感じました。Chat-GPTには「〇〇〇のような構造で教えて」というと、その文章構造通りに回答してくれる性質もあるので、欲しいようにリクエストを送ってみるのもいいかもしれません。

一方で、やはり少し文法的に怪しい箇所は見受けられます。ただそれも通じないレベルではないかなと思います。また、あくまでAIが返していることなので、結果のすべてをうのみにせずに、疑いながらも参考にするのがいいと思います。

すべての回答結果を細かくチェックするのは大変でも、このような要約を自動で定期的にしてくれるのであれば、有用ではないかなと思います。今後は実際の構築方法なんかも記事にできたらと思います。



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