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X100VIにテレコンを付けてみた話 FUJIFILM TCL-X100 II レビュー
「X100VIに、テレコンは必要か?」
悩ましい問題ですよね。私もX100VI用テレコンバージョンレンズ「FUJIFILM TCL-X100 II」を買うか悩みました。
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X100VIにテレコンを装着するとフルサイズ換算で50mmの画角になります(倍率: 1.4倍)。私はすでにSONY α7IV用にSEL50F14Zという50mm単焦点レンズを所有しています。なのにわざわざX100VI用にテレコンを買った理由は、X100VIの美しい色味で50mmも使いたくなってしまったからです。SONY機では絶対に出せない感情を揺さぶる色味が、FUJIFILM機ではいとも簡単に出せます。
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X100VIには「デジタルテレコン」機能が搭載されています。これはカメラ内部で画像を拡大処理する機能で、テレコンを使わずに望遠効果を得ることができます。50mmを使いたいだけであれば、このデジタルテレコンを使えばいいわけです。
しかしデジタルテレコンの画角は、X100VIで出力されるRAWファイル(RAF)には反映されません。デジタルテレコンは撮って出しのjpgとHEIFにしか反映されない仕様です。私はRAW現像を楽しみたいので、X100VIで焦点距離50mmのRAWファイルを得るためにテレコンを使う必要がありました。
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そんな消極的な理由からやむなく購入したテレコンでしたが、いざ使ってみると想像以上に繊細な写りをすることに驚き、常に持ち歩いて使うようになりました。
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私がX100VI + テレコンで一番気に入っているのが「50mm F2のレンズが片手で使えること」です。
正確にはX100VIとテレコンだけでなく、SmallRigのグリップをX100VIに装着しなければなりませんが、この組み合わせが絶妙です。もうこれなしでは私のカメラライフは考えられないほど気に入っています。
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この組み合わせだと長時間でもカメラを持ち続けられるため、X100VIにネックストラップを付けなくてもよくなりました。落下防止のためにフィンガーストラップを代わりに付けてはいます。
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ネックストラップがカメラに付いていない軽快さといったらありません。まずカバンからの出し入れを繰り返しながらスナップを撮ることが簡単にできます。ネックストラップは長くて扱いにくいので、カメラを取り出すのが億劫になりますよね。しかしスナップは一瞬を捉えるもの。カメラの出し入れが面倒で撮らなくなるようでは本末転倒です。
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構図の自由度もネックストラップを付けているときの100倍くらいは体感で違います。ネックストラップを付けているときってストラップをつけて撮りやすい範囲でしか構図を試さなくなりますよね。だからアイレベルの写真ばかりを量産してしまいがちです。
しかしネックストラップがないと腕を伸ばして撮れる範囲はすべて構図の対象となります。地面スレスレのローアングルも、頭上のハイアングルも、いとも簡単に撮れてしまいます。
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さらにテレコンだからこそ素晴らしいのが「レンズ交換をしてなくて良いところ」です。レンズ交換は「Aレンズを外してBレンズを取り付ける」という作業が発生します。これが面倒だし事故がよく起こります。レンズを仮置きする場所が必要だったり、レンズを落としてしまったり。ロクなことがありません。
その点、テレコンだとX100VIのレンズにねじ込めば取り付け完了です。元々あるレンズを取り外す必要がないため、スムーズにつけ外しができます。レンズ交換機で35mmと50mmの単焦点レンズを付けたり外したりするのはかなり億劫ですが、X100VIとテレコンなら付け外しを頻繁にやっても面倒がありません。
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片手でスナップできると雨の日に傘をさしながらのスナップも軽快に行えます。雨の日にウキウキしながらスナップするようになるとは思ってもみませんでした。ちなみにX100VIはテレコンを付けると防塵防滴効果を期待できます。
X100VIはレンズフィルターを付けると防塵防滴になるとFUJIFILMが公式サイトでアナウンスしています。
アダプターリング「AR-X100」とプロテクトフィルター「PRF-49」を装着することで防塵防滴能力を発揮。水しぶきや砂が舞うようなシーンや、予期せぬ荒天下でも安心して撮影を継続できます。
テレコンは正確にはレンズフィルターではありませんが、フィルター同様にレンズ前面を塞いでくれるので、防塵防滴効果を期待できるはずです。
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私はレンズプロテクターをテレコンにつけて保護しています。このテレコン(FUJIFILM TCL-X100 II)には67mmのフィルターをレンズ前に取り付けられます。
テレコンを付けたからといって画質の劣化は見当たりません。厳密なことをいえばガラスが増えているわけですから劣化がないはずがありませんが、私の目にはまったく劣化がないように見えます。
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このテレコンにデメリットがあるとすれば、それは重さとサイズです。FUJIFILM TCL-X100 IIの重さは約180g。だいたいiPhone1台分の重さをX100VIに追加することになります。
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グリップを付ければ片手で持てるとはいえ、テレコンを付けていないX100VIに比べれば重くなります。1時間ぐらいのスナップであれば片手で使い続けても問題ありませんが、女性だとしんどくなる人はいるかもしれません。
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さらに当然ですがテレコンレンズを持ち歩かなくてはならないので荷物が増えます。デジタルテレコンであればその必要がないだけに、ぐぬぬと思うところです。実際、これまで私はX100VI + サイフ + iPhoneでちょうど良いサイズのバッグを使っていましたが、テレコンが加わったことでバッグがパンパンになり、出し入れの余裕がなくなってしまいました。
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35mmも50mmも標準画角と言われます。しかしそんなに画角が変わらないと思っている人は大間違いです。35mmと50mmはまったく別モノです。
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X100VIのデフォルト画角である35mmというのはカメラ初心者にとって難易度の高い画角です。自分で意識的に被写体と背景を組み合わることをしなければ、大抵は他人が見て何が言いたいのかわからない写真になってしまいます。撮りたいものがあったら自分の足で近づいてから撮らなければなりません。35mmはそれなりに画角が広いので、旅行の記録などをパシャパシャ撮るのに向いてはいますが、「伝える、伝わる写真」を撮るには実は不向きな画角です。
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その点、テレコンの画角である50mmは、意識せずに撮っても他人に伝わる写真になりやすいです。自分の立ち位置からなんとなく撮っても作品のような写真が撮りやすいのが特徴です。それでいて周囲の情報も少し入りますから、記録写真としての用も成します。自分が初心者で、X100VIで印象的な写真が撮りたいなら黙ってテレコンを買うのが正解だと私は思います。
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高画質なRAW撮影を50mmで行いたい、より表現力豊かな写真を撮りたいという方にとっては、間違いなく価値ある投資となるでしょう。デメリットはありますが、それを上回るメリットがあることは明らかです。
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最後に、X100VI用のテレコン「FUJIFILM TCL-X100 II」をどこで買うかについてですが、記事執筆時点ではAmazonが26,936円で最安です。他のサイトでは軒並み3万円くらいの値付けになっていますので、特に理由がなければAmazonで購入するのをオススメします。