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写真を伝えるのは結局言葉
他人の写真を見るときに、「これはどういう意図で撮られた写真なんだろう?」とか、「なぜこれを撮ろうと思ったんだろう」といった疑問がよく出てきます。
写真に限らずアート全般に通ずることですが、作者の意図が受け手に伝わっているのかわからないことが多々あるように感じています。
最近「好きを言語化する技術」の本を読まれている方をSNSでよく目にします。これはどちらかというと受け手に対しての書籍で、感動や自分の想いを表現するのにとても役立ちます。
受け手目線で見ると、写真を見たときに
・やばい
・エモい
・かわいい
・きれい
などの言葉から脱却するのはとても大事なことです。作り手側にもどういう点で良いと思ってもらえたのかが確かに伝わりますし、発言者の表現もより豊かになっていくことにつながります。
人が良いと思う理由は大きく分けると、自分の体験に基づく「共感」か新しい発見に基づく「驚き」です。
ただ一方で、私は作家側にも説明責任があるように感じています。たまに聞くのですが、アートは受け手に捉え方は任せていますといった発言を聞きます。
ただ、その発言は私は無責任なものに感じます。(意図してそのように作る作品もあることは理解しています。)
私自身写真展を開催したり、他の方の写真展に足を運んだりしています。そのとき特に思うのは必ず作家がいるときに行くべきだということです。
なぜ作家がいる時に行くのが大事かというと、作品の背景を生の言葉で聞くことができるからです。そこで作家から背景を伝えるで、ただの写真から作品に変わるのだと考えています。
この伝えることをないがしろにしている作家が多く、そして伝えるためには言葉で表現することが必要になってくるのです。
作品を伝えるためには2軸の伝えるが必要です。それは「なぜ写真家として写真を撮っているのか」という点となぜその作品を撮ったのか」という点です。
前者は写真家の人物背景、後者は作品それぞれの背景を指しています。いきなり文章で書くのは難しくても、ありきたりですが5W1Hなどでまとめてみると形になりやすいと思います。
私自身を枠に当てはめてみると以下のようになります。人によって強調する部分が違ってくると思いますが、私の中でのキーワードは「旅」、「日本の文化」、「和紙の作品」といったところでしょうか。
What : 旅先の風景やスナップ
Where : 日本国内の各地
When : 真夏以外
Who : shoji
Why : 好きな場所や人物、日本の文化などを写真を通して届けたい
How : カメラ機材(GFX、HASSEL BLAD)、和紙に印刷して作品制作
また以下の写真の背景だと以下のようになります。作品はなぜの部分がとても大事になってくると思いますが、ここまで伝えればただの木の写真から印象が変わったのではないでしょうか。
What : 野付半島ポンニクルでみた枯れ木の写真
Where : 北海道標津町
When : 2024/2
Who : shoji
Why : 土砂などが堆積してできた半島である野付半島の中で、国有林として保全されているポンニクル。堆積と海水による侵食を繰り返す土地で、朽ちかけている木もある中で力強く立つこの木に目を惹かれた。
How : HASSEL BLAD、PORTRA 400
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まとめると、作品の捉え方を受け手に委ねるのではなく、写真家と作品それぞれの背景を作家自らの言葉で伝えていく必要があるということです。
私は多くの方に作品を見てもらいたいと思っていますし、多くの方に写真を好きになってほしいと思っています。
受け手についての話が盛り上がっていたので、作家側も言葉で伝えることを意識して、双方が豊かになっていければいいなと思います。
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