写真で収入を得る方法から見る福岡
XやYouTubeで発信されている林さんの「【2024年最新版】会社を辞めたい週末フォトグラファーが写真で収入を得る方法12選」で挙げられている項目を福岡視点で考えていきます。方法についての説明や特徴は上記記事内で記載されているので、割愛します。
また、僕自身全てに知見があるわけではないので、知見がないものについても割愛します。
1.クライアントから撮影の仕事をもらう
テレビ関係、広告代理店の影響力が業界内でとても大きいので、九州圏内の大きい仕事が担当できる。あの人やあの会社を撮ったと言ったときの反響がとても大きく、次の仕事につながりやすいです。
一方で、福岡の8割以上は小規模事業者なので、予算が取れない案件が非常に多く、少数の仕事で稼ぐことやスキルアップが難しい印象があります。そのため、自身でのスキルアップや他県での案件獲得、ストック収入の確保等、他のフォトグラファーとは違う切り口で仕事をしていくことも大切になってきます。
福岡の展望:再開発を中心に案件は増えていく予想
課題点:単価、技術力
求められるもの:一般的社会人力、撮影力
2.友人から撮影の仕事をもらう
仲間意識が強いので、カメラやってますと伝わると家族行事や個人事業関連の相談がとても多いです。クライアントからもらう案件と比較すると、自分の写真で勝負できることも良い点です。
福岡市が再開発で得た財源で子育て世代への補助金等を強くしており、特に2人目以降の支援がとても厚くなっています。都会からの移住者も増加しており(2023年転入超過数が約8900人)、子どもの増加も予想されています。家族写真は今まで以上に案件が増えていくことが予想されます。
注意点としては、「お友達」として依頼していくる人が多いので、非常に低単価。やりがい搾取の可能性も多く、それで潰れる人も時々見かける点。正しく関わる人を見極めて仕事を取っていく必要がある点です。
福岡の展望:移住者や福岡市の支援の影響で家族写真の相談は増えると予想される
課題点:「お友達」仕事に騙されない
求められるもの:コミュニケーション能力、撮影力
3.ストックフォト
代表的な写真ストック収入のストックフォトですが、よく使われる写真は古参の方々の写真が多く使われている現状です。そのため、差別化をすることが求められています。
差別化を考慮する上で、「福岡」要素を入れた写真はそれほど投稿されておらず、地場企業の需要が埋もれています。天神ビックバンや博多コネクティッドで街の様相も変わっていくので、新しい写真需要も多く生まれてくると思われます。
課題点としては、ディレクションが必要で、基本的には自身で実施する必要があるという点です。ビジネスの理解や1回の撮影で200~300枚ほどを納品するための企画力、他と被らないアイデア等、求められるものが多い点です。受託で個人で受けている方にとってはこの辺りがとても難易度が高く捉えられてしまう印象ですので、最初はアドバイスをもらいながら着手が必要です。
福岡の展望:福岡要素や地場のモデルさんを活用して差別化できれば販売は見込める
課題点:ディレクション能力
求められるもの:撮影力、アートディレクション、プラットフォームの理解
4.カメラマン派遣サービスに登録する
福岡でもfotowa、くらしのマーケットなどカメラマン派遣サービスを利用して撮影の仕事を獲得するケースも多いですが、福岡でここを主流としている人は少ない印象です。利用しているケースとしては個人や企業としてクライアントがすでにあり、仕事の流入経路ひとつとして利用する人が多いです。
基本的には対個人の撮影が中心で、登録したてでも繁忙期には一定数の依頼が来ます。
企業向けのサービスもいくつかありますが、企業側からの認知度や信用度が低い印象(知人の紹介等への信頼が大きい)で案件数が非常に少ないです。
福岡の展望:案件数が減少し、単価も下がっていく形、家族写真は一定数の需要あり
課題点:展望と同様
求められるもの:撮影力、テキストコミュニケーション、プラットフォームの理解
5.クラウドソーシングに登録する
クラウドワークスやランサーズを代表とするクラウドソーシングですが、プラットフォーム全体として単価割れや質の定価が起きているのが時折話題になりますが、地方ではそれがさらに顕著に表れている印象です。
カメラマン派遣サービスとは違い個人向けの撮影は少ないです。「福岡 カメラマン」や「福岡 出張撮影」と検索しても上位はカメラマン派遣サービスが中心です。
そもそも企業案件数が少ないので古参の方に仕事が集まっている印象なので、使用する場合はプラットフォームをよく理解して挑む必要があります。
福岡の展望:企業、フォトグラファー共に利用者が減少していく
課題点:展望と同様
求められるもの:撮影力、テキストコミュニケーション、プラットフォームの理解
6.講座を開く(オフライン)
福岡では撮影技術を学ぶ環境が身近にないため、カメラマン向け、企業向けの撮影はとても需要があります。特に、東京で活躍されているカメラマンを呼んで開催しているイベントはとても人気がある印象です。
また、人との繋がりを求めている人(あと飲みたい人)も多いのでオフライン集まれる場は求められています。
最近は大手カメラメーカーのイベントも福岡で実施する機会が少しずつ増えていて、来場者もとても多いと伺いました。
福岡の展望:講座の需要は高く、対フォトグラファー、対企業等どちらの需要も増えていく
課題点:開催側の信頼度
求められるもの:実績、企画力、トーク力、ユーモア
7.講座を開く(オンライン)
オンラインの講座も同様に需要が高いです。しかし、有名な企業やフォトグラファーのイベントやサロンで参加する方が多く、福岡の企業やフォトグラファーが開催するのであれば、オフラインの方が需要が高い印象です。
福岡の展望:講座の需要は高いが、オフラインイベントに人は集まりそうな印象
課題点:開催側の信頼度
求められるもの:実績、企画力、トーク力、ユーモア
8.SNS
福岡のフォトグラファーという点に絞ってみると大きく伸びているアカウントはまだまだ少ないです。福岡の写真や動画のカテゴリで大きく伸びているのはアノニマスやセミさんでしょうか。福岡は「食」ジャンルが圧倒的に伸びますが、伸びているお2人は福岡らしい絵作りや個性的なコンテンツを強みとしています。
素晴らしい作品を作られている写真家さんも多くいますが、SNSという点でみるとローカルで知られている方でも数千から2,3万ほどのフォロワーが多い印象です。また、「稼ぐ」という点で見てもそのフォロワー数を活かして展開できておらず、販売や複数のプラットフォームの活用などが求められています。
福岡の展望:福岡や田舎要素は需要がある、インバウンド向けの対応棟も必要
課題点:「稼ぐ」につなぐこと、東京と比較すると伸びにくい点
求められるもの:SNSマーケティング、収益化モデル、コンテンツ力、ユーモア
11.写真を売る
作品の販売ですが、まだまだ福岡に限らず日本全体で「写真を買う」ということが一般化されていない印象です。
これは僕個人が言われたことですが、写真をプリントして額装して見せるまでがひとつの作品だと考えるのが大事ということです。SNSと対比する形になりますが、写真展等を通じて実際に作品を見てもらい販売に繋げていくなどの取り組みが必要です。
福岡の展望:展示会などの数は増えてきて、作品を見せる機会は増えている
課題点:作家性、作品力、
求められるもの:作家性、作品力、販売力
ひと通り、福岡だとどうだろうという視点で書いてみました。主観的な部分も多いので、こういった方が周りにいるよとかこういう視点もあるんじゃないか等々ありましたらコメントいただけると嬉しいです。
僕自身も挑戦しながら考えていること、挑戦していることを引き続きコンテンツにしていきます。