社員向け英語教育の体験談

日本企業ながら英語を社内公用語にした楽天は有名です。

Hennge(旧HDE)社もですね。国内売上がほとんどのIT企業で英語公用語かとはなかなか思い切ったことをするなと関心しました。

優秀な開発者を多く採用するには日本人だけでは足りないので外国人も採用対象せざるを得なくなって来ています。もちろん日本語を話せる外国人開発者もいますが、「日本語不問」とするとものすごく採用対象が拡がります。売り先が日本国内だけでも、そのプロダクトを作るのに日本語を話せない開発者を仲間にできるかどうかで開発リソースに大きな差がでます。

ということで、個人的には英語を公用語にするとか、非日本人をたくさん採用するという方針には賛成です。もとい、今私が勤めている会社では日本人開発者の方が少ないです。

しかしながら、インハウス英会話レッスンを始めるとか、英語学習費用に補助を出すとかで社員の英語力を上げられるかというと疑問が残ります。私の会社は5年前からインハウス英会話教育(1:1レッスン)を続けていますが、はっきり言って莫大な費用に対して効果が出ていません。というか、ほとんど意味ないです。その辺を振り返って失敗談とさせて頂こうかと思います。

・レッスン頻度が少ない(週一回)

英会話レッスンは週1回1時間です。所詮、週1回1時間のレッスンで身につくものなどたかが知れているのです。英語でも、スポーツでも、楽器でもなんでも同じですが、「週一の練習で身につく特技」全然思いつかないです。仮にギターのレッスンが週1回だけでも、ちゃんと弾ける人は日頃からギター触って練習しているはずです。
本気で英語を身につけるならば週4回でも5回でもレッスンを受けて、講師からもらったフィードバックをしっかり受け止めて改善努力しないといけません。「とりあえず週1回」は本当に無駄です。

・モチベーションが低い

何のために英語を身につけるのかという目的や、身につけてどうなりたいという目標がないと英語学習は続きません。英語じゃなくてもなんでも続きません。人間基本的には楽したいし面倒くさいことは避けたいのです。毎日仕事をしている会社員なら尚更です。
はっきり言って、顧客とのコミュニケーションは100%日本語、開発者と直接英語で話す必要などない国内営業やテクニカルサポートのメンバーに取って英語は必要ないです。将来的に英語を使う機会があるかもしれませんが、「将来もしものときのため」に高いモチベーションを維持し続けられる人は少ないでしょう。

・英語は実は難しい

楽天の三木谷社長はじめ、この手の施策を言い出す人は英語に堪能でしょう。帰国子女や海外大学の学位を持っている人もかもしれません。ほとんど日本から出たこともなく、英語を話せないCEOや取締役が突然「英語を公用語にしよう」なんて言い出すとは思えないです。自分が苦しくなるだけなので。
そういう人はもう忘れてしまったのかもしれませんが(それか物心ついたときから自然に英語を話していたか)、ほとんどの日本人にとって、母国語である日本語とストラクチャーも発音もかけ離れた英語を習得するというのは本当に厳しい道です。とても大変なのです。

「機会の平等」という考え方はあるのは分かります。既に英語できる人は「みんなやればできる」くらいに思うかもしれませんが、「できる人はできるし、できない人はいつになってもできない」くらいにドライに考えておく方が合理的でしょう。
別に英語ができなくても、できる仕事はたくさんあるのです。適材適所という言葉あるように、英語できる人には然るべきポジションについて仕事をしてもらえばいいだけのことです。

・じゃあどうすればいいの?

選抜された少数の社員に対して機会を提供するのがよいでしょう。例えば、社員50人に対して週一回のレッスンを提供するのではなく、モチベーションのある社員5人に対して週10コマのレッスンを提供するのがよいと思います。1日2コマのレッスン+予習復習自習すればある程度のビジネス英語を操れるようにはなるはずです。


いいなと思ったら応援しよう!