恋の魔法がかかったチョコレートドリンク屋さん
古来チョコレートは、恋の媚薬とされていた。
厳密にはチョコレートを飲むと、恋をしている時と同じ物質が、脳から分泌されるらしい。
そんなチョコレートを楽しめるお店が、大阪の鶴橋にある。JR鶴橋駅から徒歩1分もかからずたどり着けるそのお店では、ホットとアイスのチョコレートドリンクを提供している。どちらか選ぶと、店員さんがチョコレートバーを削って、トッピングしてくれるのだ。甘すぎず濃厚過ぎない味が、見栄えだけでなく、実は味にも厳しい若者の心をガッチリつかんでいる。
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このお店、MELT鶴橋店は、恋愛コラムニスト、浅田悠介さんが経営している。執筆でお忙しいので滅多に会えないが、店番をしている際はドリンクだけでなく、恋のアドバイスも授けてくれる。浅田さんの著書「わたしは愛される実験をはじめた」はAmazon1位を獲得している。私は、そんな浅田さんのアドバイスを元に、恋を叶えてきた。
店に行くと、色白で背の高いお兄さん、浅田さんその人が、
「いらっしゃいませ、最近はどうですか?」
と、はんなりした関西弁で迎えてくれる。お店の中は白で統一されていて、カウンターに座ってドリンクを飲みながらおしゃべりができる。
「こんにちは、実は最近は会社で気になる人と…」
と話しながら、(なんで大阪の鶴橋で、Amazon1位の恋愛コラムニストと喋ってるんやろう)と、状況のおかしさをスルーしながら話に花を咲かせる。
浅田さんのアドバイスは体験談や小手先のテクニックなどではない。心理学(恋愛認知学と著書では記されている)をもとにしているので、数々の偉大な学者の研究を恋愛に応用しているのだ。相手とどのように仲良くなればいいのか、デートに誘うには、付き合うためにはどうすればいいのか。それらの方法を、背景にある理由も含めて解説してくれる。
例えば、浅田さんのアドバイスの中に、「貴女からデートに誘っていい、告白していい」といったものがある。この初歩的なアドバイスでさえ、私には目からウロコだった。別にそういった行動を、してもいいことは知っていた。けれど、「してる人もいるけど、私には無理かな」と考えていた。「できれば相手からデートに誘ってほしい、告白してほしい」と。その方が楽だし、自分からは恥ずかしい。そんな受け身な私の背中を、
「何言うてるねん、恋愛はリアクションではなく、アクションですよ!」
とグイっと押してくれるのだ。
「でも自然に誘う方法がわからない、ガツガツしてると思われるのもヤダし」
と言い訳をすれば、
「どんな誘い方をしても不自然じゃないくらい仲良くなること!」
と、具体的な目標、とるべき行動を提示してくれる。この令和の時代、女性から恋愛のアクションを起こしてもいいことは分かっていた。けれど、浅田さんに言われるまで、それを自分事とは認識できていなかった。
浅田さんのアドバイスのお蔭で、私は1年間のお友達期間を経て、遠距離の先輩と恋人の関係になることができた。今も時間をかけているけれども、次は結婚に対して、恋人と考えをすり合わせているところだ。
そんな風に浅田さんと盛り上がっていると、一人、またひとりと、恋に悩める乙女が店にやってきた。貴女も美味しいチョコレートを飲みながら、恋を叶えるのも、いいかもしれない。