フォローすると恋が叶う!? 恋愛の神・浅田さんに「愛を長続きさせるコツ」を聞いてみた。
デートの回数が減ったり、連絡頻度が少なくなったり。気にしないほうがいいと頭ではわかっていても、どこか引っかかる…。
パートナーとの付き合いが長くなると、そんなふうに悩む瞬間も増えてくるのではないでしょうか。気づけば、「本当にこの人と一緒に将来を描いていけるだろうか」と不安になることも。
今回インタビューしたのは、心理学やカウンセリング領域の研究をもとに、オリジナルの恋愛理論を発信し、多くの人を救ってきた恋愛コラムニスト・浅田悠介さん。
SNSの総フォロワーは15万人を超え、「恋愛の神」とも呼ばれる彼に、より良いパートナーシップを築くヒントを伺いました。「許すことが、愛を深める第一歩」だと語る、その理由とは…?
「恋愛の神」と呼ばれる浅田さん。その理由は?
――浅田さんは現在、恋愛コラムニストとして活躍されていますが、そのきっかけは何だったんですか?
浅田さん:
もともと心理学、カウンセリング、メンタリズムなどに関する研究に興味があって、自分なりに理論を構築するのが好きでした。それをより多くの方に役立てられる形に昇華できないかと考えたときに、恋愛で悩んでいる人って多いなと気づいて。
そこから「心理学×恋愛」というテーマで、自分で構築した恋愛理論やメソッドをSNSで発信しはじめたんです。投稿を続けていくうちに、多くの方からいいねやフォローなどの反応をいただくようになりました。
――実は私も、浅田さんの著書『私は愛される実験をはじめた。』をきっかけに今の恋人ができたんです!まさに「恋愛の神」だな、と。
浅田さん:
なんと! 嬉しいですね。フォロワーさんからも恋愛成就の報告をいただくことがあって、多いときは1日100〜200件届くんですよ。
いつしか僕のXはフォローすると恋が叶う「オンライン恋愛神社」と呼ばれるようになり、リプ欄には「お願い事+鳥居の絵文字+手を合わせている絵文字」が並ぶようになりました。実際にフォロワーさんと対面でお会いしたときに拝まれることも(笑)。
浅田さん:
とはいえ、フォロワーさん1人の「1」には、一人ひとりの物語がつまっていると思っていて。みなさんからいただくDMからも、その重さを日々感じています。それぞれに歩む道は違うからこそ、僕は助手席に乗ってるだけで、運転席に座ってハンドル握ってるのはあなただよ、ということは伝えつづけているつもりです。
僕の理論やメソッドによって「変わること」は奨励するけれど、「どのように変わるか」はフォロワーさんや読者の方に任せる。そんなスタンスで活動していますね。
愛することは許すこと。自分を守る“許しのボーダーライン”
――これまでに多くの恋愛に関する相談を受けてきたきた浅田さんですが、より良いパートナーシップを築くために必要なことってなんでしょうか?
浅田さん:
まず、お互いに違いがあるのは当然のことだということを忘れないでください。その違いをどう許容するかが、パートナーシップを構築するうえで欠かせないと考えています。
「価値観が合う人が理想」だという人は多いですが、実際に自分の価値観を正確に理解している人はどれだけいるでしょうか。自分の物差しも相手の価値観もわからないなかで、「なんか違う」ことだけはわかる。それを許せるかどうかなんです。愛し合うって、許し合うことだと思っています。
――でも、何でも許してしまうと、自分がストレスを抱えてしまうこともありますよね?
浅田さん:
そのとおりです。だから、まずは自分自身を掘り下げて、絶対に「許せないもの」「譲れないもの」を言語化し、ボーダーラインを明確にしておくことが大切です。自分に対する解像度が低いままでは恋愛は難しいですから。
――なるほど。具体的なボーダーラインの定め方を教えてください。
浅田さん:
基準にしたいのは、「自己肯定感の動き」です。
恋愛は2人の関係ですが、あくまで最優先すべきは自分自身。「この恋愛は自分を成長させているか」「自分が好きな自分でいられているか」「自己肯定感を下げていないか」を問いかけてみてください。
恋愛をするなかで、「今の自分、好きじゃないな…」と感じるなら、それはラインを見直すべきチャンスです。
当然、暴言やDVなど、心や身体にダメージを与える行動は絶対に許してはいけませんよね。「一度だけ」と見過ごさず、苦しいと感じる気持ちを無視せず、自分を守ることを最優先してください。また、約束を破る、無神経な発言などが繰り返される場合も、それが自己肯定感を下げているのであれば、許せないことに分類すべきです。
反対に、たとえば冷蔵庫に入れた醤油とソースの位置が逆になっていて、「なんでこんなことも守れないの?」とイライラしてしまうケース。“あるある”だとは思うんですが、冷静に考えたときにこれって本当に重要なことですか?
――たしかに、気になるけど重要なことではないかも…。
浅田さん:
自分の“許しのボーダーライン”が明確になっていれば、これは2人の関係にとって「どうでもいいこと」だと気づくはず。その“気づき”が良好なパートナーシップを築く第一歩になります。
相手の嫌なところばかりが目につく。どうしたらいい?
――許す・許せないの判断ラインができても、どうしても相手の嫌なところばかりが目についてしまうときはどうすればいいのでしょう?
浅田さん:
うんうん、わかります。みなさん自分のなかに「理想の恋人」のイメージを持っているからこそ、それを目の前の恋人に当てはめすぎちゃうんですよね。
朝起きたらハムエッグを作ってくれて、淹れたてのコーヒーを用意してくれる…みたいな(笑)。でも、100点の恋人なんていないし、自分だって100点の人間ではないじゃないですか。
――耳が痛いです…。
浅田さん:
それなのに、理想のイメージを当てはめすぎると、恋人のできていないことばかりに目を向けて「減点法式」で考えてしまうんですね。相手が少しでも失敗したり、思いどおりに動いてくれなかったりするたびに、相手への評価が下がる。この状態では、相手のいいところが見えにくくなります。
そうではなくて、今目の前にいる相手が“してくれていること”に目を向ける「加点方式」の視点を取り入れてみてください。忙しいなかでデートの時間を作ってくれたり、自分の好きなものを覚えていてくれたり。こうした日常の小さな行動に感謝できると、あなたの不満は減っていくはずです。
あとは、愛し方の違いにも目を向けられると良いですね。
――愛し方の違い?
浅田さん:
悩み相談のなかで多いのが、すでに恋人から愛されているのに気づいていないパターンです。「◯◯ちゃんはいつも彼氏におしゃれなディナーに連れて行ってもらっているのに、私はいつも居酒屋ばっかり。大切にされていないんだ…」みたいな。
でも、これって愛し方が違うだけなんですよね。
愛し方は人それぞれなので、相手にとっては馴染みのある居酒屋に連れて行くことが最大の愛情表現かもしれないし、言葉で「好き」と言うよりも行動で示すほうが誠実だと考えていることもある。
大事なのは表現方法ではなく、愛されているかどうか。ただ相手の行動に不満を抱えるのではなく、「どういう想いでこの行動をしているんだろう?」と掘り下げてみると、それが相手なりの愛情表現だと気づけるかもしれません。
――今目の前にいる相手が“してくれていること”に目を向けるために、できることはありますか?
浅田さん:
私の著書『ラブスペル 恋を叶える魔法のフレーズ111』のなかに、「今の彼に感謝できてるかな?」というフレーズがあります。これをトラブルが起きたときに唱えるのではなく、日ごろから唱えておくことが大事です。
食事のときだって「いただきます」「ごちそうさま」を言わなくなると、僕たちはきっと何の感謝もなく野菜や肉を食べてしまいますよね。人は感謝を忘れるのが得意な生き物なので、ぜひ恋愛でも「今の彼に感謝できてるかな?」と毎日自分に問いかけてみてください。
そのうえで、相手がしてくれた小さな行動を書き出してみるのがおすすめです。「忙しいなかでも連絡をくれた」「重い荷物を持ってくれた」など。それを相手に具体的な言葉で伝えると、「がんばりを認めてもらえた」と相手のモチベーションにもつながりますよ。
長続きに必要なのは、「未来を描く」覚悟
――ある程度付き合いが長くなると、相手と一緒にその“先”を描いていきたいと思うようになるかと思います。相手の本心を知るにはどうしたらいいのでしょうか?
浅田さん:
ちゃんと、未来の話をすること。それに尽きると思います。その話題を避けるなら、将来も一緒にいることに対する意思が弱いんでしょうし、今の楽しさだけを優先している人だとわかりますよね。
ポイントは、改めて話し合いの場を設けるというよりも、日ごろから未来のことを話しておくことです。「来年もお花見行こうね」「夏休みは京都に行こうよ」「2年後になったら仕事が落ち着くだろうし、そのときに初めて海外へ旅行しよう」とか、具体的な未来の計画を共有することで関係はさらに深まります。
――でも、どうなるかわからない未来の話をするには少し勇気がいりますね。
浅田さん:
たしかに、未来の話はカロリーを消費しますし、相手とこれから先もずっと一緒にいる確信が持てないなかで切り出すのは不安ですよね。
でも、そこでリスクを負ったとしても未来の話をする覚悟がある人は、恋が長続きするのみならず、シンプルに仕事もうまくいくと思います。
未来を語れる=自分が何をしたいかが明確にあるということ。つまり、今何をすべきか理解している人なんです。「思考は現実化する」というように、日ごろから未来のことを考えていれば、そのためにどうすればいいのかを考えはじめるので、今やることが必然的に変わっていきます。
それと同じで、「恋人といつか別れてしまうのではないか」と不安を抱えたままでは、無意識のうちに自ら恋を終わらせる方向に動いてしまいます。本当に恋人とこれからも一緒にいたいと思うのなら、まずは自分がその未来を信じることです。
――ありがとうございます、未来を信じて行動してみます!最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
浅田さん:
パートナーシップを築くためには、相手の重みや負担を引き受ける覚悟が必要です。
誰かと付き合ったり、結婚をしたりすることで、「やっと楽になれる」「もう悩まなくて済む」と安心したり、極端ですが「保護してもらえる」と感じる方もいるかもしれません。でも、そのマインドだとパートナーが保護者のようになってしまうし、相手からすると一緒にいるメリットがなくなってしまうんですよね。
本来、パートナーシップはお互いが支えあってこそ成り立つものです。自分の身を委ねるのではなく、相手の背負っているものを自分も半分引き受ける覚悟を持って向き合うことで、より良いパートナーシップを築けると思います。
・・・
「許し」「感謝」「未来を語る」の3つを意識すること。
浅田さんのお話を聞いて、愛とは毎日の小さな積み重ねでどんどん深まっていくものなのだと気づかされました。
私自身、過去の恋愛では「なんでこの人はこんなこともしてくれないんだろう?」と、相手の欠点ばかりを見ていた気がします。
浅田さんの著書を熟読しながら向き合った今のパートナーとは、日常的に「ありがとう」が言い合える関係ができあがっているなと感じました。一歩踏み出すのは怖いけど、今度は私も未来の話をしてみようかな。このインタビューが、みなさんの恋愛を育むヒントになれば嬉しいです。
〈取材・文=ねね(@neneko_youtube)/編集=いしかわゆき(@milkprincess17)〉