原著論文の探し方・基本（MRI内セッ〇ス論文を探す）

2020年3月15日 02:26

現在の世の中は情報で溢れています。
最近だとコロナウイルスの影響でトイレットペーパーが無くなるのでは？という情報が拡散しました。
何が正しい情報で、何が間違っていて、何が曖昧なのかを判断する能力は情報が溢れている現代社会ではとても重要な能力です。

情報の正しさを判断するうえで、出来るだけ発信元を調べるという姿勢は大事です。
文献であれば原著論文がそれに相当します。

一つ例を出して原著論文の調べ方を見てみましょう。
中学生が好きな単語がちょこちょこ出てきますが気にしないでください。
内容は至って真面目です。

前にMRIという体内部の構造を非侵襲的（体を傷つけずに）観察する機器の中で性行為を行って、そのときの性器や臓器の動きを見た、という研究が話題になりました（下画像、閲覧注意）。
この研究イグノーベル賞を受賞しているようですね。
素晴らしい。

この元論文を調べてみましょう。

図：性行為中のMRI画像

とりあえずgoogleで適当に検索を掛けましょう。

適当な日本語記事があったのでそれを見ていきましょう（紫文字の記事）。
英語が読める方は英語記事でもいいと思います（原著へのリンクがある可能性が高いので寧ろ英語の方がいい）。

MRIでセックスして科学に貢献したカップル, VICE

ここで取得すべき情報は主に、論文タイトル、著者、所属機関、掲載雑誌、掲載日時、他キーワード、あたりでしょうか。
このうちのいくつかあれば原著にたどり着けると思います。

楽しみと不安が半々だったが、特に性的興奮を覚えたわけではなかった、とイダ・サベリス（Ida Sabelis）は当時を振り返る。その土曜日の朝、彼女は恋人と3時間かけて、アムステルダムからオランダ北部の湿地帯のフローニンゲンに向かった。その街の病院のMRI検査室で3人の科学者と話をしていたとき、彼女のなかにこんな想いが沸き起こった。

これは記事の冒頭部分です。
この後を読んでいくと、どうやらIda Sabelisという方が著者の様ですね。

3人の科学者は直立不動の姿勢をとり、イダの恋人ヤップ（Jupp）は用を足すためにトイレに駆け込んだ。科学者のひとりがMRI機器から格納式の金属の台を引き出し、イダとヤップは服を脱いで、全裸でその上にはい登った。

Idaさんの恋人、Juppが出てきました。
Jupp Saelisでしょうか。

この日から遡ること1年前の1991年の秋、イダのもとに、彼女の親友のパートナーであるメンコ・ヴィクトル・“ペック”・ファン・アンデル（Menko Victor “Pek” van Andel）という男性から電話がかかってきた。ペックとは昔から気の合う友人だったが、少し変わったところがあるので、彼女は訝しみながら電話に出た。

知人Menko Victor Pek van Andel氏が出てきました。

ずらずらと解説が続き…

記事の最後の方で掲載論文の情報がありましたね。
これはいい。

1999年12月24日、医学誌『British Medical Journal』がようやく彼らの論文を公開した。プロジェクト開始から8年、3度の掲載却下を経て、彼らはついに前途多難ながらスタート地点に立ったのだ。論文の題は〈Magnetic Resonance Imaging of Male and Female Genitals During Coitus and Female Sexual Arousal（性交および女性の性的興奮の最中における男性・女性器のMRI画像）〉。イダとペックにとって、これはふたりが今までに執筆したなかで、もっとも多く引用された論文だという。

掲載日時が1999年12月24日、雑誌名がBritish Medical Journal、タイトルがMagnetic Resonance Imaging of Male and Female Genitals During Coitus and Female Sexual Arousalとのことです。
解説記事にはこういった情報を載せていないことも多くあります。
その際は研究者名などから辿っていきましょう。
または他の解説記事などに書いてある可能性もあります。

タイトルがわかったのでタイトルで検索を掛けます。