二種類の論文
学術論文は大きく2つに分けられます。
原著論文(original paper)と総説(review)です。
原著論文
著者自身が行った研究の報告です。
その研究を行った目的、方法、結果、考察が具体的に厳密に書かれています。
長さによってBrief communication, letter, report, articleなど、技術的内容だとtechnical report, 学会発表に伴うとproceedingなどと呼ばれることもあります。
査読(他の専門家による審査)へ経たかどうかは重要視されます。査読はかなり厳しいチェックなので、それを経た論文は一定の基準をクリアした研究であるとみなされます。
査読前の論文はPreprintと呼ばれ、昔は世にあまり出なかったのですが、最近はarXivをはじめとするpreprintサーバーによってインターネット上で閲覧できるようになりました。
これは著者としてはサーバーに上げた時点で研究が完了しているという証拠になること(査読に時間が掛かって後発のグループに先に論文を出版されるという事態が割と起こる)、閲覧者としては査読中であろう研究の最新の情報を得れるという双方に利益がある形があったため、preprintサーバーはよく利用されるようになっています。
論文や発表学会などで難易度のようなもの(impact factor)があり、これが高い雑誌や学会で発表できれば高い評価がつきます。
ただ論文としての最終的な評価は被引用数(citation)やその後の研究への貢献度で決まり、また査読制度も完ぺきではないので、いい雑誌に載っている論文がいい論文、評価が低い雑誌に載る論文が粗悪であるとは限りません。
総説
特定のテーマについて発表されている論文をまとめて解説する論文。
review, survey, prospectiveなどの呼び方があります。
テーマに関する重要論文がおおよそ網羅されているので取っ掛かりを掴むのに非常に便利です。
学術研究を調べる際は、取っ掛かりとして総説を読んで、その後に各個別の原著論文に当たっていくというのが基本的なやり方です。
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