「三段」ならぬ「三種」のアイスクリーム
フィリピン最大の島・ルソン島ーー。
その島の北部に「Vigan(ビガン)」という街がある。現在は完全に観光地化しており、国内のみならず国外からも数多くの観光客が訪れているという。スペイン統治時代の名残が色濃く映し出されている街並みで、建築物から壁面、道路など至る所において“ヨーロッパ”を感じることができるはずだ。
また「Calesa(カレーサ)」と呼ばれる「馬に車を引かせる乗り物」が、数多く走っている。
フィリピンで“ヨーロッパ”を感じることができる、そんな街で、出合ったアイスクリームがある。
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目抜き通りを歩いていると、銀色の箱が載った台車のような物にこれまた銀のふたが、3つ付いた腰高くらいのカートを何台か見かけた。
よくよく見てみると、ベンダーがアイスクリームをすくっている。日差しが強かったことから、そのうちの一人のベンダーに声をかけ、アイスクリームを一つ注文した。
立派なコーンに、黄・緑・紫と何度かスクープしてもらった。アイスクリームのそれぞれの色が、何味であるか分からなかったので、それぞれ何であるか問うた。
黄色=マンゴー
緑色=アボカド
紫色=ウベ
だそうだ。
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どの味もほんのりとそれぞれの素材が香ってきて、とってもおいしかった。その色合いとフォルムが、ビガンの街とマッチしていたのか、すごく記憶に残るシーンとなった。