ワーホリの話16
「パンプキン・ヘル」、「パンプキン・パーティー」と僕らはそう呼んだ。
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こんにちは。
しんやです!
今働いているファームの近所のファームにお手伝いに行くことになりまして。近所と言っても車で10分ほどかかるのですが・・・・。
そのファームは、ゲストハウスが斡旋している働き口の一つになっているようで、泊まっているワーカーたちがその日その日で来るというスタイルを採っていました。なので、毎日若干メンバーが違うという環境でした。そんな中で、ヘルプで呼ばれて行ったのが、僕を含め4人。イギリス人、フィンランド人、韓国人、日本人の4名で1週間程そのファームで汗を流してきました。
さて、そのファーム!
パンプキンがメインなのです!
かぼちゃですね。
「この時期だからこそ!」らしいのですが、、、、。なぜなのかは分からずじまいになってしまったので、どこかのタイミングで分かる日が来たら良いなあという想いで頭の片隅に残しておこうと思います。
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初日は、僕はあまり馴染みがなかったのですが、バターナッツパンプキンと呼ばれる品種のようで、瓢箪のような形をしたかぼちゃでした。日本でも売っているらしいのですが、僕は見たことがなく、ここのファームで遭遇したのが初めてだったのです。
そして、2日目からが本当の本番だった。僕が“かぼちゃ”だと思っているソイツを採っていく。
これだー!
『そうそう、これこれ!』と思わず、頷いてしまった
見慣れているかぼちゃの登場だった
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採り方なのだが、上の写真では既にヘタとツルが切り離されているが、最初に地面に転がっているパンプキンたちのツルをはさみを使って切っていく。
その後は、
①はさみ部隊が先頭を走り、ひたすら切っていく。
②回収部隊は、はさみ部隊の後に連なって、ひたすらパンプキンを隣の列の人たちへスロー&キャッチしていき、決められた畝の上に並べていく。
③トレーラー部隊。トレーラー部隊は上班、下班がいます。下班は2人1組で、トレーラーと並走していきます。奥の人が手前の人に②の回収部隊が並べていったパンプキンをパスする→手前の人がそれをキャッチし、さらにトレーラー上班の人たちへパスする。上班はキャッチし、パンプキンを大・中・小、さらにはダメなものと区別し、箱の中へ放り込んでいく。上班はオーナーなど、ファームメンバーが担当していました。
という行程をひたすらし続けていきます。
時間にして、朝6時から夕方5時までやります・・・・。
ひたすら・・・・。
そう、同じ作業をひたすらしていくのです・・・・。
量にして、
こんな100m級の畝が続くフィールドが多数ある。
途方も無いのである、、、、
と感じてしまうほど、広大で無数のパンプキンに毎日圧倒され続けました。
底のパレットとダンボール箱をドッキングさせた専用の箱に一杯になるまでパンプキンを詰めていく。1日に大体100箱を満杯にしていました。1箱に100個〜くらい入り、1個当たり1kgは悠に超えてくるので、単純計算1t以上パンプキンを1日に収穫していた計算になります(1日の作業人数は10〜15人くらいでした)。
こう話していると、震えてくる、、、1トンって、、、、。
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そして僕たちは、毎朝の行きの車中でこう叫んでいた。
ー 「パンプキン・ヘル」だと。
「今日もパンプキン三昧だ」なんて行く前からちょっとした暗めの状態に陥っていたりもした。(笑)
さらに数日経っていくと、毎日朝から晩までパンプキン収穫をしているのが日常、通常になってしまいました。みんな、パンプキンにあてられてしまったのではないだろうか?
そして、こう名付けていた。
ー 「パンプキン・パーティー」と。
一種のお祭りに参加している感覚になっていました。『やったぜ!今日もパンプキンパーティーだ!』とまたしても車中ではしゃいでいる始末。(笑)
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大変だったのは、作業時間の長さ、それにワンパターン作業だったという点だろうか。作業はとてもシンプルなのだが、長時間の作業に精神的にも肉体的にも少しづつ蝕まれていったように思います。プラス暑い!という外的要素が加わってきます。
そして何より、賃金は“グループコントラクト”だということです!!!!
これは、先程のトレーラーの上に載っている箱(パンプキン100個以上は入る巨大な段ボール箱)1箱に対して、いくらいくらと決まっており、1日の合計箱数を全ワーカーで割るという仕組みになっています。日によって、ワーカー数に多少の変動がありましたが、15人くらいいた日には、やはり各個人の取り分が減ってしまいます。これもネックなポイントになりました。
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パンプキンたちにこうも痛めつけられたので、我慢ならなくなりました。
長時間の灼熱の太陽の下でのルーティーン作業、低めの賃金、パンプキンへの興味関心の薄まり・飽きからくる憎しみを何とかして晴らさなければ・・・・!!!!
そこで、ある日の業務終了のタイミングでパンプキンファームのオーナー(150kgの巨漢で恰幅のいい、声がデカく冗談ばかり口から飛んでくる、とっても明るい優しげな気のいいオージーです。)に『でっかいパンプキン下さい!』と頼んでみると、
二つ返事でOK。
さらには、僕が1個良いのを選ぶと、「それだけで良いのか?(笑)」と言ってくれ、最終的に3つないし4つほど持たせてくれました。
大きくて、色も良いパンプキンに僕の全憎しみを込めて、、、、
どど〜ん!!!!
と、シェアメイトでパティシエをしていた人に協力を仰ぎ、パンプキンをそのまま器に使ったパンプキンプディングを製作しました。
おいしく仕上げてやりましたよ。
さらには、パンプキンを別のシェアメイトにあげたのですが、
な、な、な、なんと!!!!
パンプキングラタンができていました。
素晴らしい出来栄えだったのです。ごちそうさまでした。
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これで僕のパンプキンへの恨みつらみが晴れたように思います。(たぶん・・・・)
しばらくはパンプキンを見なくていいかな、と思っています(笑)。
最近ハマっている「写ルンです」より