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ワーホリの話27
こんにちは、しんや(@2142yanshi)です!
シドニーに着いて、【地図】を手に入れようとインフォメーションセンターを探した。中心部にいくつかあるようだったが、一番近い中華街のすぐ側にある場所に向かうと、中国建築キオスクのようなインフォメーションセンターがあった。
目的は達せられたのだが、一つ目についたパンフレットがあった。
そこには、こう書かれていた。「FREE TOURS」と。
『無料のツアーとは、なんと素晴らしいのだろうか!!!!』と驚嘆し、食い入るようにパンフレットを読み込んだ。見ると、シドニーの中心部を2時間半から3時間かけて歩くというのだ!
『すごい!こんなボリュームあるツアーを無料で開催しているのか!』
もう気になってしまったので、参加してみることにした。シドニーの中心部を回るツアーは午前と午後の1回ずつ、1日に2回開催されている。他にも、シドニーには“The Rocks”と呼ばれるエリアがあるのだが、そのThe Rocksツアーも1日1回、1時間半ほどの行程で開催されていた。さらに、見ていくと、引率は地元シドニーの大学で建築や歴史などを学んでいる大学生たちだった。
俄然、行きたくなってきた!
そして、めちゃくちゃナイスでグレートな取り組みだなと思った。
続けて、パンフレットには、
「I'm Free Tours(正式名称)は、大学院で建築を学んだロスとジャスティンが始めたことだ。僕たちが大好きなこのシドニーの街を歴史や文化といった側面から、また、うんちくのような面白い話などで観光客や地元の人たちに楽しんでもらおうと思っているんだ」
とあった。
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シドニー市内、タウンホール(市役所)とSt Andrew's Cathedralの間にちょっとした広場があるのだが、そこが集合場所だった。
14時半からのスタートだったので、10分前くらいにはと思い、到着するとそこには緑のTシャツを着たスタッフであろう人たちがいた。そして、その周りを囲むようにして、すでに何人かのツアー参加者が集まり始めていた。
時間になり、いざスタートとなったときには、ザッと数えたとしても50人くらいいただろう。正直ここまでたくさんの人が集まるとは思っていなかった。
ものすごい求心力だなと思わざるを得なかった。決して良い天気とは言えず、むしろ小雨が降っているくらいだったが、それでも人が集まるのはすごいことだなと。「Free(無料)」というのが大きいのか、彼らの団体「I'm Free Tours」が惹きつける魅力なのか、それは分からない。
今回引率してくれたのは、Jake(ジェイク)だった。なぜ、僕が彼の名前を知っているかというと、パンフレットに簡単な全員のプロフィールが載っているのだ。ツアーの最後にジェイクに聞いたのだが、彼らの団体は会社化してはいるが、メンバーは8人でやっているのだとか。プロフィールは8人分だったので、彼らで全員なのかと驚いたのを覚えている。
勝手に『毎日開催なのだから、ツアーコンダクトのローテーションはどうやっているんだろうか、しんどいなと思う日はないのか』などと考えてしまっていた。いらぬお世話である。
タウンホールとSt Andrew's Cathedralの説明と歴史を教えてくれるジェイク
さて、50人の団体は、タウンホールを飛び出すとシドニーCBD(中心部:Central Business District)の目抜き通りであるGeorge Streetに沿って、正面に象徴であるQueen Elizabethの銅像があるランドマークの一つQueen Victoria Building、通称QVBの中を通っていく。
中も、ものすごくオシャレで高級ブティックが入っていたり、階下では飲食店が繁盛しており、奥にある別の商業ビルとも接しており、そのまま通り抜けていくこともできるのだ。
ツアーでは、そんなところまで行かずにQVBを抜けると巨大なSt Mary's Cathedralを真正面から眺めながらHyde Parkを突き抜けていく。
St Mary's Cathedralの全景
一行はどんどん北上していく。近代的なビルや商業ビル、シドニーの一番高いであろうSydney Tower Eyeも位置するるPitt Streetを通っていく。
ツアーの中で僕が好きだった建物に「Custom House」がある。現在では図書館として利用されているのだが、古くは政治的に重要な拠点としての機能したようだ。この「Custom House」に入っていくと、エントランスからちょっと入ったところの床に埋め込みのシドニーの街のジオラマがあるのだ。ぜひシドニーへ行った際には見に行ってほしいポイントの一つだ。造りが精巧であり、日本にインスパイアを受けたという鯉がその街中を泳いでいる。
見事な造形だった。
そして、最後に到着するのはCircular Quay(サーキュラーキー)。ここは湾になっている場所なのだが、オペラハウスがあることで有名だ。
けれども、ツアーはオペラハウスを遠目から見るだけに留まり、対岸から歩き続けて、イギリスが入植して、最初に街を作っていった場所であるという「The Rocks」で終了となった。
おおよそ3時間ほどの旅程だった。
ツアー最後のポジションからハーバーブリッジを眺めることができた
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The Rocksという場所
「I'm Free Tours」は、The Rocksというエリアでも1日1回ツアーを開催していた。これは、18時から始まる夜からのものだった。
もはやこの活動自体に興味を持っていた僕は、こちらのコースも参加することにした。
コンダクターは、Josh(ジョシュ)だった。
彼によれば、The Rocksは最初にイギリス人がオーストラリアに入植した際にこの場所を起点に街を作り上げていったと言われているところなのだそうだ。だから、今でも当時さながらの造りが現存していたりする。周りを歩いていても古いレンガや石造りの建物がほとんどだ。
The Rocksの方は、エリアの大きさもあるからだろうが、コンパクトに1時間ちょっとで回ることができるツアー構成となっていた。1人であれば、『行けない、入ってはダメなんじゃないだろうか』と思って、絶対に通らないであろう細い路地もグイグイ踏み込んでいく。そうした独自のルートになっているのも参加者からすると特殊感、ユニークさを味わえて、うれしい。
高台の方にやってきた。
見晴らしは最高だった。これぞ現地の人による案内なのだろう。ここが強みなのだと思う。
最後は、ハーバーブリッジの真下からオペラハウスを背景にして(この時は、豪華客船が停泊していた)、ジョシュから締めの言葉があり、ツアーが終了した。
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この街が大好きで、来てくれた人たちに最高の場所であると思ってもらいたい、満足していただきたいという想いがなければ、毎日も続かないだろう。彼らが居るからこそ、シドニー観光が“満足いくものだった”と言って帰っていく人たちも大勢いるだろう。もちろん僕もその虜になった一人だ。
地元の人たちや住んでいる人たちにとっても時間があるときに気軽に参加できるのも良い。勉強になるのだ。ユニークで最高な取り組みだと思った。王道からローカルまで網羅できているそのツアー構成から、コンダクター1人ひとりのプロフェッショナルなまでの造詣深い知識やその物語からみんな何かを感じ取るし、学ぶことができる。
僕に関していえば、話していることを聞いたり、分からないことを質問してみたりして、英語の勉強にもなった。それぞれ1回だけの参加だけでは、しっかりと理解するところまで至らなかったので、ぜひ時間を見つけて再ツアーに参加したいところだ。
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I'm Free Tours
http://www.imfree.com.au
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