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「冬キャンプの贅沢な時間」

二人はアウトドア好きだけれど、人混みが苦手。だから、いつも人気の少ない場所を選んで旅行をしてきた。そんな二人が、最近のキャンプブームに影響されて「冬キャンプ」に挑戦してみようと思い立ったのは、まさにそんな静かな場所を求めてのことだった。夏のキャンプは暑いし、虫が多い。それに比べて冬は寒いが、焚き火の暖かさが特別に感じられるし、人が少ないのが何より魅力だった。

初めてのキャンプに向けて、二人は準備に余念がなかった。防寒具、テント、焚き火の道具…リストを作って何度も確認しながら揃えていった。キャンプ用品店をいくつも回り、冬キャンプに必要な装備を一つ一つ選んだ。初心者ながら、きちんと準備しておけば大丈夫だろうという安心感があった。それに、初めてのキャンプにワクワクする気持ちもあり、どんな体験が待っているのか楽しみでもあった。

最初に選んだキャンプ場は、家からそれほど遠くない、しっかり区画整備された場所。トイレや炊事場も完備されているので、初心者にはぴったりだった。景色はそれほどではなかったが、まずはキャンプというものを体験し、楽しむことが一番大事だと思っていた。しかし、初めてのキャンプは予想以上に大変だった。テントの設営、焚き火の準備、食事の用意と、やることが多すぎて、時間がどんどん過ぎていく。「こんなに忙しいなんて思わなかった」と、二人はその忙しさに驚いていたが、それでもどこか楽しい気持ちがあった。

それからしばらくして、2度目のキャンプに出かけることにした。今度は経験を活かして、もっとスムーズに楽しむことができるはずだ。二人は準備の段階から計画的に進め、テントの設営もスムーズだった。何より、2回目ともなるとキャンプの楽しみ方がわかってきて、心に余裕ができた。今回は景色の良い場所にこだわって、富士山の見える有名なキャンプ場を選んだ。

キャンプ場に着いた時、冬の澄んだ空気が二人を包み込んだ。夜、焚き火の前で二人は静かに星空を見上げた。冬の冷たい空気が、夜空を一層クリアにしている。富士山のシルエットと、その上に広がる無数の星々は、まるで別世界のように幻想的だった。「すごいね、こんなにきれいな景色はなかなか見られないよね」と、二人は目の前の光景に言葉を失っていた。そして、キャンプ場に点在するテントの明かりが、まるで星空の一部のように温かく輝いている。

寒さが厳しくなる夜中から明け方にかけて、気温はマイナスまで下がったが、防寒対策をしっかりとしていたおかげで、意外にも暖かく快適に過ごせた。シュラフの中に包まれて、夜の静けさに身を委ねると、二人は驚くほどぐっすり眠ることができた。

翌朝、目が覚めると、冷たい空気の中に朝日が差し込んでいた。二人は「また来たいね」と話しながら、次回のキャンプについても話し合った。今回は初心者向けの設備が整った場所だったけれど、次はもっと本格的な場所に挑戦しようか、それともまた富士山を見に来ようかと、未来の楽しみが広がっていった。

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