基本情報技術者試験(FE試験)のオススメ勉強法と自分の体験談
このたび、基本情報技術者試験に合格しました。
せっかくなので、自分の思うオススメ勉強法と、
受験前後のあれこれを書いておきます。
背景
・情報系の大学を卒業したばかりの新社会人
・自己研鑽(建前)
・会社の資格手当(本音)
・プログラミングチョットデキル(AtCoder 300)
A科目対策
A科目は知識を問う問題が主で、
B科目はプログラミング能力を問う問題が主です。
オススメのA科目対策は
「「分からない」を「なんとなく分かる」に」
「「なんとなく分かる」を「できる」に」
の2ステップです。
A科目で要求される知識の範囲はとても広いです。
コンピュータはハードからソフトまで、
加えてネットワークやセキュリティ、
データベースに数学理論、
そしてシステム開発でのチーム運営、
マネジメント、経営戦略や法律まで問われます。
それらすべての分野に対して詳しいわけがないので、 まずはとにかく読みやすい参考書を使い
「何を言っているかわからない」
を
「何を言っているかわかる」(思い出せなくていい)
まで持っていくのが良いと思います。
自分はキタミ式イラストIT塾を使いました。
この本はタイトル通りイラストが多く使われており、
いわゆる「教科書らしさ」が無く、読みやすかったです。
分からない箇所を分かるようにするという目的で読んでいたため、
自分は知っている分野はほとんど読まず、
1ページ数秒、目を通すくらいで進めます。
ただ、たまに自分は詳しいと思っていた分野にも
知らない単語が入っていたりするので、
その時は止まってしっかり読みます。
自分はネットワークとコンピュータアーキテクチャが詳しくなかったので、
そこはたくさん時間をかけ、何度も何度も読み込み、
ときにはネットで調べて理解しました。
ネットで調べるときはわわわのIT辞典が非常に助かりました。
例示が多くイメージしやすいことに加えて、
網羅率が高くググった際に「どのサイトが分かりやすそうか」
という状態になりづらいこと、
そして無駄な文章(企業のPRやアフィリエイト)が少ないのが良いです。
このステップでは用語を完璧に覚える必要はなくてもいいですが、
解説をもう一回読めばすぐ分かる状態にはなっておかなくてはいけません。
自分は、「RAID4」という言葉を見れば
「データの書き込み方の一種でRAID1からRAID5まである」という状態に、
「S/MIME」という言葉を見れば
「どうやって暗号化するかは覚えていないけどメールを暗号化する技術」
みたいな状態になりました。
このステップが終了したら、次は「できる」にするステップです。
過去問道場というサイトでひたすら過去問を記憶を定着させていきます。
過去問道場は、過去問を1問ごとにジャンル分けしてタグと解説をつけているサイトで、ジャンル別や年別での絞り込みが可能なうえ、誤答した問題だけを集めてくれたりもします。神サイト。
ここでは、
「令和1年の問題は出ないようにし」
「1つの分野だけに絞り込んで」
「2問に1問は当てずっぽうせず正解できるようになるまで」
その分野の問題を解き続けるというやり方がオススメです。
なぜ令和1年の問題を外すかというと、本試験を受ける前に時間を計って過去問を解くと思いますが、このとき過去問道場で解いた問題と全く同じ問題に当たる可能性があるからです。
強くてニューゲームしてたら模擬試験の意味がないですからね。
次に分野を絞るという点ですが、そのほうが似た問題が出題されやすくなるので記憶の定着がしやすくなるからです。
あと、解けるようになっているということが実感しやすくなりモチベーションが維持できます。
最後に「2問に1問は当てずっぽうせず正解できる」ですが、
これはこの試験の合格基準がこれだからです。
A科目はすべて4択問題なので、適当に選んでも25%は取れます。
半分は確実に正解し、もう半分は運任せにした場合、
50+(50*0.25)=62.5
で合格基準の60%を上回ります。
ちなみに知らなくても運任せにしなくていい問題がいくらかあるので、
実際はもう少し高くなると思います。次の問題を見てください。
プリエンプティブって何~???
と思っても冷静に問題を読んでください。
優先度が高いのはAなら、さすがにアとイはありえないと思いませんか?
この判断ができれば2択に絞れるので、50%で正解できます。
(ちなみに答えはウです)
このように、推測で絞れたり専門知識が無くても計算で求められたりできる問題がちょこちょこ混じっているので、実際は25%ではなく30%くらい正解できると思います。
そして、苦手分野(正答率半分のジャンル)がなくなってきたら、
時間を計って1年分解いてみましょう。
過去問道場で出会わないようにしていた令和1年度の問題です。
解く際はA4の計算用紙(罫線なしのコピー用紙)を数枚用意しましょう。
私の受験当日の環境はこれでした。
令和1年度の過去問は旧形式なので、
100問で150分、つまり1問あたり1.5分で解けばよかったのですが、
新形式では80問で100分です。
1問あたり1.25分で解かなくてはなりません。
新形式で時間内に解き切るためには
旧形式を25分残して解き終える必要があるため、
125分、あるいは120分の時間制限で令和1年度の問題を解いてみましょう。
とはいえ実際たぶん間に合います。
あと、序盤は計算問題が多い(=時間がかかる)ので、
「最初の5問終わったら10分もかかってる!」
となっても心配はいりません。
これで合格基準に達してなかったら、
間違えた問題の分野を過去問道場で解きまくるのがいいと思います。
もう初見で解ける過去問の弾は残ってないですけどね。
B科目対策
正直あまり勉強せずともできてしまったのでそこまで語れるところはないのですが、一応自分の思うオススメ勉強法を書いておきます。
B科目はプログラミング能力を問う問題が主です。これは、実際にプログラムを書けなくても、プログラミング的思考ができればOKです。
超初歩的なプログラミングのルールさえわかるのであれば、過去問を丁寧に解くことが最も効率良い試験対策だと思います。超初歩的なルールがわからない人はProgateなどで学んでください。
「どの行を実行しているか」「変数はそれぞれどの値か」
この2つをひとつも漏らさず紙に書きだしていくのがオススメです。
みたいな。
脳内にデバッガ機能を宿しましょう。
プログラミングができるなら、実際にコードを書いてデバッグするのも良いと思います。ただ、B科目は具体的な言語は指定されず、なんちゃってプログラミング言語で出題されるので、実際にコードはかけなくても問題ありません。
なお、実際の試験は100分で20問なので、1問あたり5分あれば間に合います。全ての処理を紙に書きだしていくと間に合うか間に合わないかがギリギリなので、
みたいな書き方ができると安心です。
B科目問題の7割はこのような問題です。
残りの3割はセキュリティを問う問題、といっても、現代文の当たり問題みたいに「読めばわかる」みたいな問題ばかりなので対策はいらないと思います。
自分は対策してません。
試験前後のあれこれ
蛇足かもですが一応書いておきます。
2024年4月
基本情報の取得を決意。
過去問(令和5年サンプル問題)を解いてみたところ、問題数が少ないので飛び値かもしれませんが、A科目の正答率は約4割、B科目の正答率は約7割でした。
2024年4月末
A科目の試験対策を開始。
キタミ式イラストIT塾を1周し、「「分からない」を「なんとなく分かる」にする」ステップにかけた時間は多分10時間くらいだと思います。
2024年5月
過去問道場やYouTubeなどを使って「「なんとなく分かる」を「できる」にする」ステップに入りました。かけた時間は多分30時間くらいだと思います。
過去問道場が神すぎるのでそれ以外は使わなくていいと思います。
2024年7月上旬
過去問に挑戦。
自分は過去問道場を使う際に令和1年度の問題を外していなかったので、令和1年度の問題を解き、「明らかに覚えてる」という問題は採点対象外にするという方針でやりました。
令和1年度のA科目正答率は56%(40/71、9問は強くてニューゲーム)でした。
2024年7月中旬
受験申込。
8月中旬に旅行を計画していた(
https://twitter.com/NanatsuSju/status/1822868323211837820
https://twitter.com/NanatsuSju/status/1823242196268814433
)ので、それまでに受けると決意しました。
公式サイトからアカウント登録をし、日時と場所を選択。CBTになったことで受験期日の選択肢が大幅に増えました。京都だと毎日受験日として選択可能でした。
2024年8月8日
受験。
ビルの一室に入り、本人確認をして試験開始。
試験は、A科目100分+休憩10分+B科目100分 で3時間を超える長丁場になります。100分間は途中退出できないので水分補給はほどほどに。10分の休憩で栄養補給できるおにぎりとかチョコとかを買っておくといいと思います。
自分はラムネ一択です。高校生時代から受験時はラムネを食べるというルーティンがあります。
自分が受験したときは、備え付けのマウスの感度が変更できないので選択肢を選ぶのが面倒でした。あと、計算用紙は最初から2枚貰っておいたほうがいいと思います。
A科目、B科目両方を受け終わったら、画面に
と表示されるので、合否はすぐにわかります。
受験終了から数時間経つと公式サイトのマイページにも点数が表示されます。私は30分後には表示されていないことを、6時間後に表示されていることを確認しました。
9月13日
合格発表。
分かっていたことなので特に実感はありませんでした。
10月中旬
証書が届く予定。
弊社の資格手当にはこれのコピーが必要とのことなので、コピーを取って弊社に資格手当を申請する予定です。
…
…おい弊社!
受験詳細のIDを事前に申告して、後日公式サイトで合格者一覧にIDが存在することを確認すれば合格した証明できるだろ!
だから9月分から資格手当よこせよ!!
なあ!!!!!
いかがでしたか?
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https://twitter.com/NanatsuSju
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