山﨑修平『テーゲベックのきれいな香り」
今日の一冊は、山﨑修平『テーゲベックのきれいな香り』2022。2冊の詩集を出している詩人の長編小説デビュー作。
久しぶりに、素っ頓狂な文学作品に出会えた。とても面白かったが、ぼくはこの作品世界について、ほとんど何一つ理解できてないと思う。
驚いたことに、岡本や苦楽園口や三宮やと、親しい地名が一方に置かれていたこと。そこに住む祖母の存在と、東京の何人かの女性の存在が、ひどく対極にあって、その振れ幅が一つの軸になっているようではあった、のかな。
小説らしき文体と、詩を意識したページのコントラストも激しい。
東京という都会を満喫しているような主体たち人物は、確かに最新のファッションを満喫しているのだろうけど、どこか古風で、「なんとなく、クリスタル」なんて思い出したりもした。レトロコンテンポラリーを楽しんでるのかな。
小説の形をとっているけど、ピュアに詩だと思った。
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