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本当にあった粉飾決算その2|2024/09/06配信分

猿樂です
このnoteについて

粉飾決算の中でも
見抜きにくいのが

「循環取引」です

循環取引とは
A社とB社とあって
相互に売上を立てておく取引です

A社の架空商品「α」をB社に販売し
B社の架空商品「β」をA社に販売します
商品は実体がないので動きませんが、
資金は本当に動かします

こうすると、お互いに売上が立ち、
回収した売上代金を
相手方への支払に充当できます

■十数社で循環させていた企業グループ

まだ実質的支配者のチェックが
厳しくなかったとき

なんと十数社で
この循環取引をしていた
企業グループがありました
(私が担当していたわけではありません)

どのような企業グループかというと、
お互いに資本関係があったりなかったり
役員が兼務していたりいなかったり
株主も一緒だったり違ったり

2つ,3つの会社をみただけでは
これらすべてをひっくるめて
1つのグループとは認識できない
巧妙な構成です

なぜ循環取引が露見したか?

それは与信管理上、
毎期の決算書をもらうことが必須だったことが
奏功しました

とある会社の大口取引先が、
同一営業店の取引先である
ということはじつは珍しいのですが、

そんな取引先がいくつもあったことで
疑いを持ち、発覚しました

保証協会付のみ先や、
与信残高が一定未満の先では、
毎期決算書をもらう必要がないケースも
ありますが、

手間をかけてでも、
決算書をもらった方がいいケースは
多いのではないでしょうか?



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