
粉飾事例「テックコーポレーション 191億円」①|2024/12/20配信分
猿樂です
(このnoteについて)
テックコーポレーションは粉飾の事例というよりは
詐欺(的手法)の事例に近いかもしれません
広島県で環境関連機器製造業を営んでいた
テックコーポレーションは
債権者445名、負債191億円を背負って
破綻しました。
ここまで多くの方がどのように巻き込まれたか
それはテック社の
「販売代理店」スキーム
が主な要因となっています。
通常の販売代理店というものは
顧客を開拓し、製造会社(テック社)から
商品を仕入れて販売する
という形態です。
しかし、テック社の場合は、
①テック社が顧客を見つけ、代理店にトス
②販売代理店から手形を振り出させる
③製品を納品する
④代金を回収し、手形期日前に
代理店に振り込む
※このとき手形額面に5%上乗せする
⑤手形が決済される(テック社に入金される)
というのが大まかな流れだった模様です
これだけでも難解で、②はなぜ必要なのか?
などよく分からない点があります
さらに
①のテック社が見つけた顧客が実在していない
②の手形をテック社は割引して資金化している
③の製品を本当に作っているか分からない
(顧客がいないため)
といった要素が絡み、全容解明は
困難を極めると思います。
私自身、
通常の商流と違ったことをして
「あなただけが知っている儲かるスキーム」
という話は幾度となく持ち込まれたことがありますが
すべて詐欺
だと思っています。
テックコーポレーションからの
連鎖倒産が相次いだ模様ですが
金融機関のみなさんにおかれましては、
「こうしたあやしい話は
賢明な社長は、まずやりません」
と進言することも大事かもしれません