『咲かずに枯れて』第一章1-3

登場人物                  

テト:音楽好きの高校2年生。バンドに憧れている

レイ:テトの中学生からの唯一の友達。ギターをやっている。

ツキ:テト達とは別の高校に通う高校1年生。ドラムをやっている。

第一章〜ツキ 1-3

『おお。連絡来てる。』

『って、私?え?女の子!!!??』

『ツキちゃんなんだ…』

テトはびっくりしながらも不満げな顔でツキからのメールを眺めていた。

『んー。本当は男子4人組バンドとかがやりたいんだよなあ。。それか男子5人組のピアノも入れたバンド。』

『どうしよう。断わろうかなぁ。』

テトはバンドをやりたいと思う前にあるバンドの追っかけをしていたのだ

男子4人組バンド『HUSITYOU』

ヴォーカルギター、ギター、ベース、ドラム編成のTheロックバンドとも言えるテトの憧れである。

HUSITYOUに憧れてバンドを始めたいと思ったテトにとって女の子メンバーなどありえない。

『よし。断ろう!笑』

『あ、別に連絡返さなくていっか。学校いこ。』

ツキからのメールは見なかった事にしたのだ

ガチャッ

『いってきまーす!』

なんて親に向けての挨拶は言わずにテトは毎朝家を出る派だ

『おっはよおーレイ!』

『おはようさんさんテト!』

『あ!テトー?そおいえば昨日の話なんだけど何か進展はあったか?』

『んー。特に誰からも連絡ないかなあ。』

『そうか。ま!俺はバンドなんか別に乗り気じゃないから見つかんなくてもいいんだけどなっ!』

『まあまあレイ君!落ち着きたまえ。今日もカッコいいレイ君。素敵なレイ君!見つかったらその時は頼むよ笑』

『うるせぇーな。笑はいはい、見つかったらな。』

テトは何ヶ月もメンバーが集まらない事に焦っていた。

そして1ヶ月ほど経った6月の初めである

『テトー?めっちゃ凹んでんじゃんどうした?』

レイは察しが良く元気がなければすぐ心配してくれる

『レイグンンンンンンンン。バンドベンバァガアアアアアアアアガミツカラナアアアアアアアアいいいいいい。』

『なんて?笑』

今日はテトがゾンビのターンなのだ

『バンドメンバーが見つからないんだよぉ、』

『まだ探してたのかよ笑』

『バンドなんか今時流行んないしもう諦めたらいいんじゃね?』

『いやいやいやいやいやいいやいやいやいやいやいやいやいや』

『嫌々っ子にすくすく育ってんなぁ。』

『掲示板にヴォーカルとギターは沢山いるのにベースシストとドラマーが世界から消えてるるるるる。』

『もしかしたら魔王が世の中のベーシストとドラマーを暗殺しているのかもしれない…』

『んなわけねぇだろ笑』

『ふああああ。僕はこのままつまんない高校生活を送るんだ。』

『ふああああああ。』

『まあまあ落ち着けよ。ってかドラマーから連絡来たって大分前に言ってたよな?あれどうなった?』

『ん?ドラマー?そんな連絡あったっけ。?』

『覚えてないのかよ。メール来たとかなんとか言ってたじゃん?』

『ああ。あれね。なんか居たね。うん。』

『聞いてレイ。』

『アノメールヴォオオオオオオオンナノゴダッタンダヨオオオオオオオオオオオオ』

『なんて?笑』

『え?』

『女の子だったんだよぉ、』

『ああ。メールしてきたドラムの子は女の子だったんだ笑。』

『そゆことレイくん』

『え?別にいいんじゃね?笑』

『いや、僕は男の子の4人バンドがやりたいの、』

『んー最近バンドメンバーに女の子入れてるバンド多いしこれだけ探しても見つかんないんだからとりあえず物は試しで入れてみれば?』

『むむむむむむむむむむむむむむむむ』

頑固なテトは中々折れない

『じゃっテトまた明日!』

『ええええええええ?レイ帰っちゃうのおおお』

『今日バイトなんだわごめんなあ笑』

『むむむむむむむむむむむむむむむむむ』

次の朝

『テトこれなに?笑』

『あ?LINEグループだよ笑』

『いや、ツキってだれ。てか何で今日3人で会う事になってんの????』

『いや、このLINE見れば分かるでしょ?』

テトがグループを作成しました

ツキが入室しました

テト:こんばんわ!

ツキ:こんばんわ!

テト:連絡遅くなってごめんなさい。バンドグループLINE作りました!メンバーあと1人まだ招待中です!

ツキ:分かりました!

テト:とりあえず顔合わせしたいので空いてる日にちありますか?

ツキ:じゃあ明日とかどうでしょう?

テト:急だけど大丈夫!

レイが入室しました

テト:じゃあ明日の17時に三軒月駅集合で!

レイ:????

ツキ:楽しみにしてます( *¯ ꒳¯*)

『いや、テトどうした?笑』

『いやー。もうあまりにも見つからないからレイの言う通り最近流行ってるし女の子居ても良いかなって思って。』

『おおおお。テトが妥協した珍しい…』

そんなこんなで放課後3人の初顔合わせが決まっていた

放課後テトとレイは一緒に駅に向かった

『そろそろ来るかなー?』

『いや、今30分前だぞ。テト気合入りすぎな。』

『だって初の顔合わせだぞ。ベース居ないけど笑』

トットットッ

『ん。あの子かな?』

『違うじゃねぇかよ笑』

『だってなんか月のストラップ付けてたもん笑』

『あ…あの。』

ふと真後ろから震えた声がした

『あ、あの。こんにちは。もしかしてテトさんとレイさんですか?』

髪は長めでポニーテール。少し内気な感じの少し背の低い彼女は少し下を向いていた。

『そうです!!!!』

1-4に続く





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