絵本を読む『まゆとおに』『だいくとおにろく』
(2022.1.24)
おはようございます。sizukukoboです。
私は曜日ごとにテーマを決めて配信をお届けしています。
月曜日のテーマは「 絵本を読む」です。
1月も下旬になりました。節分までの月曜日は、鬼の絵本を紹介したいと思います。
『 まゆとおに〜やまんばのむすめ まゆのおはなし』と『だいくとおにろく』をご紹介します。
1冊目の『まゆとおに〜やまんばのむすめ まゆのおはなし』は、富安陽子さん/文、 降矢ななさん/絵、の絵本です。やまんばのむすめ まゆのおはなしは、シリーズで何冊かあるのでご存知の方も多いかもしれません。そして、降矢ななさんといったら『めっきらもっきらどおんどん』『ともだちや』シリーズ『きょだいなきょだいな』など、長年読み読み継がれている絵本を数多く手がけている作家さんです。大好きな作家さんの一人です。
内容を簡単にご紹介します。
山奥に住んでいるまゆは、ある日とんでもなく大きな人に会いました。その大きな人が鬼なのですが、 鬼を見たことがないまゆは頭についているのが角だとわかりません。鬼はとてもお腹が空いていたので、まゆのことを大鍋で煮て食べてやろうと企みます。そこで優しい声で家へ来るように誘います。「うん、いく!」と、まゆはおにについて行ってしまいます。
鬼は早速まゆを食べる準備に取り掛かります。ここからの鬼とまゆのやり取りが楽しくてクスッと笑ってしまいます。 まゆを食べるために火を炊こうとする鬼。何も知らないまゆは、自らお手伝いを申し出て薪(たきぎ)を集めることにします。実はまゆは、やまんばの娘ですからとんでもない力持ちだったんです。近くの松の木をまるごと一本根っこから引き抜いて、バキバキと折ってたちまち薪の山を作ります。その様子をびっくりしながら見ている鬼。次のお手伝いは火を囲む石ころを拾うこと。まゆは、とんでもない力持ちですから、当然鬼が予想もしない方法で石をたくさん集めようとします。この後、大鍋に火をかけて、いよいよお湯が沸いたその時。果たして鬼とまゆはどうなってしまうのか。
と、ラストのオチはぜひ絵本を見て欲しいです。
節分前になると必ずこの絵本を思い出します。「こどものとも」という月刊誌に掲載されたのは1999年。そして、絵本となって出版されたのは2004年です。長きにわたって読み継がれている絵本は本当に魅力的です。ラストシーン出てくる食べ物の場面も、ぜひじっくり見てほしい絵本です。よかったら手にとってみてください。
2冊目の『だいくとおにろく』は、 松井直/再話、赤羽末吉/画、です。 このお話もこどものともに掲載されています。 掲載された年月は1962年6月。絵本になったのは1967年2月です。50年以上読み継がれている絵本です。歴史を感じます。
内容は、昔あるところに、とても流れの速い、 大きな川がありました。あんまり流れが早いので、何度橋をかけても、たちまち流されてしまいます。困った村の人たちは話し合った挙句、この辺りで一番の大工に頼んで橋をかけてもらうことにしました。
橋をかけようと川へ行ってきた大工は、川から現れた鬼と遭遇します。 鬼は「おまえの目玉をよこしたら、おれが橋をかけてやってもええぞ」と言い出し、大工は「おれはどうでもよい」といい加減な返事をしたから大変です。次の日、大工が川へ行ってみると、なんとまぁ、橋が半分かかっているではありませんか。この後、鬼は大工の所へ「約束の目玉よこせ」と言うのですが、はたして大工はどうなってしまうのか。
5分くらいで読めるお話です。昔話と 赤羽末吉さんの絵が、本当にぴったりで素敵だといつも思います。私にとっては、子供の頃から親しんできた昔話と言って、頭に浮かぶ絵は、大抵赤羽末吉さんです。
「むかーし、あるところに」で始まる昔話を、是非お子さんと一緒に楽しんでもらえたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。