絵本を読む〜『ぼくのかえりみち』『おなみだぽいぽい』

(2021.8.30)

 おはようございます。sizukukoboです。
 
 月曜日になりました。月曜日のテーマは「 本を読む」です。
 最近はすっかり紹介する内容が絵本になっています。それでも好きなものなら紹介も楽しいので「うーん」と 唸らなくて済みます。せっかく続けてきた記事投稿なので、 これからはもっともっと楽しんで配信をしていきたいです。

 ということで今日紹介する絵本で2冊紹介します。
 
 一冊目は『ぼくのかえりみち』です。ひがしちからさんという方が描いた絵本です。
 この絵本との出会いは本当に偶然で、知り合いが「昔、子供が先生に読み聞かせしてもらった絵本を探している」と言っていたことに始まりました。 その知り合いの人は、図書館のレファレンスで絵本を見つけることができたのですが、知らなかった私は早速その絵本を図書館で見つけて読んでみました。

 主人公は小学校低学年であろう男の子。学校の帰り道に、ふと「今日は、この白い線の上を通って帰ろう」と道路の白線を通って帰ることにします。道中、道が塞がれていたり、白線が横断歩道になったりと、ピンチが何度か訪れます。その度に工夫して、ルールを決めて、家に向かいます。ところが、 家の目の前で、 白い線が途切れてしまいました。「家に帰れない。どうしよう」途方に暮れる男の子。この男の子は無事に家に帰り着くことができたでしょうか。

  と、ラストはお楽しみにとっておいて、この、白線をつたって帰るという、この遊び。やったことありませんか?私は何度もやったことを、この絵本を読んで急に思い出しました。私は学童だったので、寄り道はほとんどできませんでした。そんな中でも毎日の帰り道を、少しでも楽しくしようと、 子供ながらに工夫していたことを思い出しました。絵本の主人公の男の子が、慎重に慎重に白い線から落ちないように帰る姿がなんとも一生懸命で微笑ましかったです。同時に、当時子供だった自分のことを思い出すと、たかが白線でしたが 落ちないようにドキドキしながら歩いていました。あの男の子の気持ちがよくわかります。

 長い休み明けに、学校生活をスタートさせた子も多いと思います。学校までの行き帰りがちょっと楽しくなる絵本です。今は、白線の内側を通るように指導されているから、登下校はこんな風に遊べないかもしれませんね。昭和の子供時代が 少し懐かしくなる絵本でした。 良かったら手に取ってみてください。

 そして2冊目は『おなみだぽいぽい』です。ごとうみづきさんという方が描いた絵本です。この絵本は、人の紹介で知った絵本でした。

 出だしから心をきゅっと掴まれました。
 主人公は表紙のネズミの女の子です。この女の子が、授業中、 先生の言っていることがわからなくて、涙がこぼれそうになっています。これが絵本の冒頭です。

 絵本の主人公のネズミの 女の子は、 こぼれた涙を食パンに染み込ませて、「えいっ」と投げます。 食パンを鳥がキャッチして持って行きます。
 泣くことを我慢している人みんなに、 読んで欲しい絵本です。

 授業が分からなくて泣きそうな、この最初の1ページ。このネズミの女の子の気持ちが痛いほど分かる私は、切なくなりました。昔の自分を思い出していました。 科目によって、先生の言っていることが全く理解できない授業は、本当につらかった。そして分からない自分は恥ずかしい、と思っていました。本当は、 その分からない事を学ぶのが教室です。分からないことは決して恥ずかしいことではない。知らないことも、 間違うことも、それも含めて学ぶことだ、ということを大人になった今なら分かるのですが、子供だった当時は分からない授業はただ静かにしているしかありませんでした。

 子供時代のいろいろな場面を思い出せる2冊でした。
 今、世の中の大変革期の真っ只中にいます。そんな中で、頑張っている子どもたちへ、その頑張る我が子を見守っているお母さんたちへ、この2冊をおすすめしたいと思います。