絵本を読む『ひみつひみつのひなまつり』『はるよこい』
(2022.2.21)
おはようございます。sizukukoboです。
私は曜日ごとにテーマを決めて配信をお届けしています。
月曜日のテーマは「 絵本を読む」です。
今日紹介する絵本は『ひみつ ひみつの ひなまつり』『はるよ こい』です。
1冊目の絵本『ひみつ ひみつの ひなまつり』を簡単にご紹介します。
この絵本は鈴木真実さんが描いた絵本で2015年に出版されています。
この絵本の紹介はネタバレを含みます。タイトルの「ひみつ」をご自身で知りたい方は、どうか記事は読まずに、すぐに絵本を読んでください。
ある日、主人公のえいちゃんがお絵かきをしていると、低い声が聞こえてきました。声は押入れから聞こえてきます。えいちゃんが押入れをじっと見つめていると、押入れの箱の中からおだいり様がでできました。慌てて帰ろうとするおだいり様をえいちゃんが引き止めます。「一緒に遊ぼう」と声をかけると、おだいり様と一緒におひな様が出てきました。みると、ちょっとふっくらしています。「気ままに過ごしていたらこのとおり。それで運動しに出てまいりました。」と話すお雛様。「それじゃあ、かけっこだね」と提案するえいちゃん。他の雛人形たちも出てきて、かけっこがスタートしました。次は風船トランポリン。そして綱引き。いつしかお雛様はすっかり元どおり。
このタイトルの「ひみつ ひみつ」というのは、一緒に運動したことのようです。その後、いいちゃんがお母さんと一緒にお雛様を出した時の嬉しそうな表情や、ラストシーンのひな祭りの食事の様子。温かい食卓がとても印象に残りました。個人的にはいささか話が唐突で、すぐに運動がスタートしたところが気になりつつも、温かい雰囲気の絵とタイトルの「ひみつ」がなんだったかわかったことで、気づけば話に吸い込まれていました。
ひな祭りの絵本の数は 少ない印象があります。ですから、この絵本のようにひな祭りを十分堪能できるような絵本が増えてきたことは嬉しいと感じた次第です。
2冊目の『はるよ こい』を簡単にご紹介します。
この絵本は、わたり むつこさんさく、ましま せつこさん え、の絵本です。
初版は1987年です。 35年も前に出版されています。
主人公のももこはおばあさんの家に来ていました。庭にはまだ雪がたくさん残っていました。庭の隅に蔵があって、気になったももこちゃんがおばあさんに聞くと、「それじゃ、中を見せてあげようね」そういって、蔵の鍵を開けるおばあさん。蔵の中は 使わなくなった古いものがたくさんあります。 「そうそう、 おひなさまをしまってあったっけ」おばあさんがそう言うと、あっちの棚、こっちの箱、と探し始めました。やっと見つけたおひな様の入った木箱は、母屋の座敷に運ばれました。雛人形たちの他に、道具や乗り物もたくさんあります。「これは、わたしが およめいりのときに もってきたんだよ。おかあさんが およめに いってからは、くらから だしたことが なかったの。でも、ももこちゃんにあえて ほら、おひなさまたち うれしそう」と話すおばあさん。
その後、場面が変わり、不思議な音が聞こえてきます。ももこちゃんが音のする梅林の方へ行ってみると、蔵から出したお雛様たちが、太鼓や笛を奏でながら、春を呼ぶ歌を歌っています。その時、木の影でこっそり見ていたももこちゃんのところへ、三人官女がやってきて、「うたげにようこそおいでくださいました」と、杯を差し出しました。ももこちゃんが白酒をちょっぴりなめてみると、、、。とラストはぜひ絵本で確認してみて欲しいです。
紹介では、場面が唐突に変わってしまう印象かもしれませんが、絵本では、場面の転換も、ストーリーも流れるように自然です。ぜひ手にとって欲しい絵本です。
私は、雛祭りの絵本で、実はこの絵本が一番好きです。